KONAMIは2023年2月10日,11日に開催されたJAEPO 2023の自社ブースにて,
「DanceDanceRevolution」 (以下,DDR)を競技種目とするeスポーツイベント
「BEMANI PRO LEAGUE ZERO DDR」 を実施した。
このイベントは,「BEMANI PRO LEAGUE」のシーズン2,DDR部門のエントリー開始を記念して実施されたもの。いわゆるエキシビションにあたる大会であるが,会場には国内を代表する9人のDDRプレイヤーが集結し,3チームに分かれ,激しい戦いを繰り広げた。本記事では,10日に実施されたチーム分けの「ドラフト会議」,11日に実施された「BEMANI PRO LEAGUE ZERO」本戦の模様をお届けする。
なお,大会の模様は
BEMANI PRO LEAGUEのYouTubeチャンネル にアップされている動画で確認できる。選手たちのスーパープレイを確認したい人はこちらもチェックしておこう。
【BPL ZERO】DanceDanceRevolution / JAEPO2023
VIDEO
ステージ中央にはkors k氏の姿も。イベントDJとして会場を盛り上げた
1巡目で3チームの入札が被る波乱のドラフト会議
BEMANI PRO LEAGUE ZEROは3人で1チーム(監督を入れて4人)を組んでの対戦となるため,10日にはチーム決めをするドラフト会議が行われた。会場に集まったのは,
O4MA.選手 ,
HIBIKI選手 ,
HO4-KETI選手 ,
NAYU選手 ,
YOSHIMIZ選手 ,
UN-LIM選手 ,
PO選手 ,
MSKNP選手 ,
SHIZU選手 の9人だ。
チーム分けは入札方式で実施され,それぞれ
チームBLUEのRyu☆監督 ,
チームREDのDJ TOTTO監督 ,
チームWHITEのdj TAKA監督 が獲得したい選手を指名し,メンバーが決定していった。なお,入札した選手が被った場合は,監督同士によるじゃんけんで優先権が決定された。
左から司会を務めたMaxwell Powersさん,実況・解説のgahouさん,MCの荒木美鈴さん
左からRyu☆監督,DJ TOTTO監督,dj TAKA監督
ドラフトは1巡目に監督全員がO4MA.選手を希望する波乱の展開でスタート。じゃんけんの結果,チームWHITEがO4MA.選手を獲得
O4MA.選手の今大会の二つ名は「ザ・DDR」。実力・実績共に申し分ない国内を代表するトッププレイヤーだ
10th KAC優勝の実績を持つHIBIKI選手はチームBLUEに加入
DJ TOTTO監督はHO4-KETI選手を獲得。腕前はもちろんのこと,大舞台に物怖じしない胆力を合わせ持つ
2巡目でも3監督がNAYU選手を指名。Ryu☆監督がじゃんけんに勝利し,チームBLUEが獲得
gahouさん曰く,1巡目に選ばれてもまったく不思議ではなかったというNAYU選手
UN-LIM選手も再入札で被り,じゃんけんの結果,チームWHITEに加入
チームREDに加入したYOSHIMIZ選手。大規模大会で安定した成績を残しており,メンタルの強さも折り紙付き
3巡目のPO選手,MSKNP選手,SHIZU選手は全員の入札が分かれる形に
PO選手は10th KACの女性部門優勝者。譜面研究が得意で,ギミックやリズムの難しい譜面を得意とする
MSKNP選手。10th KACの女性部門で準優勝という結果を残した
SHIZU選手も10th KACのファイナリスト。大舞台に立ったことが少なく緊張しているとは本人の弁だが果たして
総当たりによるリーグ戦でファイナリストが決定
11日の午前には,前日に決まった3チームによる総当たりのリーグ戦を開催。上位2チームがファイナルに進出し,直接対決で優勝チームが決定するというルールのもと,大会が実施された。
2日目は荒木さんに代わり,Kawaiiconic Aliさん(写真右)が登壇。実況を務めた
試合はポイント制で決着が決まるルール。3マッチそれぞれ2曲ずつ戦い,勝敗や順位に応じたポイントが与えられる
選曲は規定のカテゴリとレベルの中から3曲選び,そのなかから対戦相手がプレーする1曲を選択。それぞれが選択した楽曲で計2回試合を行う形式だ
●チームBLUE VS. チームRED
オープニングマッチとなったチームBLUEとチームREDの対決。1stマッチをPO選手が2連勝しチームBLUEが先制するも,2ndマッチはNAYU選手とHO4-KETI選手選手がそれぞれ2ptずつ分け合い,決着はタッグ戦の3rdマッチへ。
決着の3rdマッチは,チームBLUEのNAYU選手が1位を2回奪取。初戦のアドバンテージを守り切ることに成功し,貴重な1勝をチームBLUEにもたらした。
●チームRED VS. チームWHITE
負けた時点で敗退が決まるチームREDは背水の陣で試合に挑むことに。絶対に負けられない試合で魅せたのはMSKNP選手。自選曲,他選曲ともに「Get Your Wish」が選ばれるイレギュラーが起きたものの,しっかりと2連勝を決め,2ptのアドバンテージを獲得することに成功する。
2ndマッチの対決は,YOSHIMIZ選手とO4MA.選手の試合に。お互いに大舞台の経験豊富で,どちらが勝ってもおかしくない勝負となったが,初戦をO4MA.選手がわずか2点差で勝利すると,そのまま自選曲でも勝利をもぎ取り,4ptを獲得し,逆転に成功した。
3rdマッチで逆転を狙うチームREDだったが,この試合でもO4MA.選手が圧倒的な強さを見せる。2試合共に1位を獲得し,トータルで10pt――チームの全ptを稼ぎ出し,チームWHITEがFINALへの切符を獲得した。
●チームBLUE VS. チームWHITE
チームREDの敗退が決まったため,第3試合は実質的にFINALの前哨戦となった。1stマッチでは初戦の試合に続き,PO選手が2連勝で勝利。10th KAC覇者の力をいかんなく発揮し,2ptを獲得した。
続く2ndマッチは,本日絶好調のNAYU選手とO4MA.選手の対決に。O4MA.選手が自選曲を危なげなく勝利すると,NAYU選手の自選曲「We're so Happy」でもほぼミスなく踊り切り,わずか5点差という接戦をものにした。
FINALに向けての調子を占う1戦となった3rdマッチ。先ほどO4MA.選手に惜しくも敗れたNAYU選手がここでリベンジに成功する。2曲連続で1位を獲得し,チームBLUEをリーグ戦1位通過に導いた。
●BEMANI PRO LEAGUE ZERO FINAL
休憩を挟んで実施されたFINALは,リーグの最終戦を行ったチームBLUEとチームWHITEの組み合わせ。先ほどの試合はNAYU選手の大活躍でチームBLUEが勝利したが,その差は2pt(10-8)の僅差だったため,実力は拮抗している印象だ。
チームBLUE
チームWHITE
1stマッチは先ほどと変わらず,PO選手とSHIZU選手の対決に。先ほどはPO選手が2連勝で勝利したが,この試合も安定感のあるプレイを見せ,PO選手が2連勝を飾る。本日PO選手は負けなしの6連勝。先鋒のポイントゲッターとして獅子奮迅の活躍ぶりを見せた。
2ndマッチでは,チームWHITEが本日シングル戦では負けなしのO4MA.選手を投入。一方,チームBLUEは先ほどとは変わって,HIBIKI選手を送り出す。選ばれた楽曲はHIBIKI選手が「ENDYMION」,O4MA.選手が「S!ck」。いずれも高難度なうえに一癖も二癖もある曲で,2ndマッチはお互いが自選曲でptを取り合う展開となった。
優勝チームの決まる3rdマッチは,チームBLUEからはNAYU選手とHIBIKI選手が,チームWHITEからはO4MA.選手とUN-LIM選手が参戦。「New Era」と「最小三倍完全数」の2曲が選ばれ,試合はスタートした。
「New Era」の終了時点で,チームBLUEが7pt,チームWHITEが6ptという僅差になった3rdマッチ。ここまでなかなか結果が出ていなかったUN-LIM選手が最終戦の「最小三倍完全数」で,値千金の2位をもぎ取ることに成功する。O4MA.選手と1,2フィニッシュを決め,
チームWHITEに優勝の栄冠 をもたらした。
第1制作本部 eスポーツ推進室 室長の植松氏よりトロフィーが授与された
大舞台の経験が少なくいつもの力を発揮できなかったと話すSHIZU選手。この経験を生かし,さらに強くなると抱負を語った
苦しい試合が続くも最終戦でチームに貢献できてよかったと話すUN-LIM選手
終始安定した実力を発揮したO4MA.選手。士気を上げてくれたSHIZU選手,最後にptを獲得してくれたUN-LIM選手に感謝を述べていた
昨日チームを組んで,今日解散してしまうのが寂しいと話すdj TAKA監督。またこの場で会いたいと出場選手に伝えていた
今回実施された「BEMANI PRO LEAGUE ZERO」はあくまでもエキシビションマッチに相当する大会であり,本番となる「BEMANI PRO LEAGUE」シーズン2は,これからドラフト会議を経てチームが決まり,リーグ戦が行われる。「BEMANI PRO LEAGUE」もシーズン2では「beatmania IIDX」「SOUND VOLTEX」「DanceDanceRevolution」という3タイトルに拡大した。リーグ戦の模様はすべて配信される予定なので,世界最高峰クラスの戦いをこの目で見たい人はぜひ追いかけてみてほしい。