スクウェア・エニックスは2015年8月22日,同社が展開するアーケードTCG
「LORD of VERMILION III Chain-Gene」(以下,LoVIII)の全国大会
「OVER the LORD 〜第7章 顯現せし次元の大聖〜」を,舞浜アンフィシアターで開催した。
会場となった千葉県の舞浜アンフィシアター。2014年,2013年に引き続き,同じ場所での開催となった
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初代「LORD of VERMILION」(以下,LoV)の稼働から,ほぼ毎年のように開かれているこの「OVER the LORD」は,今回で7度目の開催。シリーズのファンにとっては,まさに恒例のイベントと言って良いだろう。
トーナメントに出場するのは,事前に行われた地区予選を勝ち上がった全16チーム。会場には選手達のほか,彼らトッププレイヤー達の戦いを一目見ようと多くのLoVファン達が駆けつけ,大きな盛り上がりとなった。
本稿では,激戦が繰り広げられたトーナメントの模様をお伝えすると共に,次回作
「LORD of VERMILION Re:3」の発表が行われた大会後の
新情報発表ステージの模様を紹介していこう。先に掲載した速報と合わせて確認してほしい。
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会場限定のオリジナルグッズや,スクウェア・エニックス e-STORE限定販売の「ブースターパック」の物販も行われていた
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毎回用意されるオリジナルフードも今回はパワーアップ。ついにお弁当までラインナップされ,会場外にはフードコートも設置されていた
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熾烈を極めた決勝トーナメント。優勝は「poyboys ☆組」チームの手に
舞台のセリや照明,チームごとに趣向を凝らした入場BGMといった,舞浜アンフィシアターの会場設備をフル活用した入場演出で幕を開けた決勝トーナメント。「OVER the LORD」の恒例となった選手達のパフォーマンスは健在で,時折入る“天の声”(CV:杉田智和さん)のチームいじりもあって,開幕から大きな盛り上がりを見せた。
選手入場後,LoVシリーズのプロデューサーにして大会委員長の柴 貴正氏による開会宣言をはさんで,くじ引きによるトーナメント表の確定が行われ,さっそくトーナメントが開始された。
司会進行を担当したのは,LoVシリーズにおけるシステムボイス(通称,筐体さん)の主である野引香里さん。対戦中の解説は,ラムザ役の声優である立花慎之介さんと,開発チームのノイ氏,プレイヤーのたつを氏が担当した
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今大会における注目は,強力なアーツを持つ「オメガ」を中心として,攻撃力に特化した神族のディフェンダー「ブラフマー」を組み込んだ
“神族デッキ”と,圧倒的な殲滅力を持つ「コノハナサクヤ」「魔海侯フォルネウス」を軸にした
“海種デッキ”の2種類だ。
いずれも中盤のタワー戦がカギを握るデッキとなっていて,30から40コスト帯の使い魔を用いた競り合いでは,さまざまな場面で熱い戦いが繰り広げられた。
決勝に至るまでの試合で最も大きな注目を集めたのは,5試合目の
「脳内ヴァミS勝利厨(邪念編)」対
「キャプテン・ヘビー・れが☆りあ」の一戦。序盤は「キャプテン・ヘビー・れが☆りあ」チームがタワー戦を制し,一時は盤面の全タワーを完全制圧してしまったが,「脳内ヴァミS勝利厨(邪念編)」は最後まで諦めずに抵抗し,最後にはTankMan選手の「ガレアード」が相手の間隙を突いてアルカナストーンを破壊。絶望的な状況を巻き返し,逆転勝利を収めた。勝利が決まった瞬間は,会場は歓声と拍手に包まれた。
TankMan選手のガレアード。序盤は盤面を制圧されたものの,タイムアウト直前の残り十数カウントというところで相手アルカナストーンに到着し,ギリギリの逆転勝利をもぎ取った
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デッキには多様な使い魔が採用されており,珍しい戦略を採用したチームもちらほらと見ることができた
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激戦を経て決勝戦にコマを進めたのは,同じゲームセンターを本拠地とする2チーム
「poyboys ☆組」と
「poyboys 城組」だ。両チームはギルド演習も頻繁に行っている間柄ということもあってか,ほかの対戦とは少し違った雰囲気の,じりじりとした試合展開となった。
「poyboys 城組」が先に中央マナタワーを占領し,長射程の射撃が可能な「コノハナサクヤ」を起点として攻め上がる。だが,「poyboys ☆組」の
馬龍☆選手が“タイプ<海皇>デッキ”の育成を完了したタイミングで戦況は変化し,少しずつ戦線が押し戻されていく。
最終的には,総合ステータスで各アルカナストーンにおける競り合いに勝った
「poyboys ☆組」が決勝を制する形となった。
トーナメント終了後は,「poyboys ☆組」に優勝旗が手渡され,出場者全員への特別称号の贈呈が行われた。プレゼンターを務めた柴氏は,表彰後に「LORD of VERMILIONは色々な遊び方がありますが,その頂点としてOVER the LORDがあると思っています。この大会が,皆さんの頑張る活力になれば嬉しいです」とコメントし,今大会を締めくくった。
プレイヤーへの称号授与式。優勝チームの各プレイヤーにはそれぞれ「紅零大聖」「紫迅大聖」「碧双大聖」「黄鎖大聖」の称号が,決勝大会出場チームには「四剣爻えし次元の雄聖」の称号がプレゼントされた
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会場で投票が行われた,公式イラストコンテストの結果発表。コンテストは“4コマ部門”と“イラスト部門”に分かれており,それぞれ大賞受賞者に10万円が進呈された
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Ver.3.3R新カードの詳細情報が公開。次回作「LORD of VERMILION Re:3」の情報も明らかに
大会の後は,本作の新バージョン
「LORD of VERMILION III Chain-Gene Ver.3.3R」に登場する,新カードの情報公開が行われた。
こちらのステージでは,司会進行としてブリュンヒルデ役の三宅麻理恵さん,コノハナサクヤ役の荒川美穂さん,ラムザ役の立花慎之介さんが登壇。新情報の解説役は,LoV IIIプロデューサーの丹沢悠一氏と,メインゲームデザイナーの横山賢介氏,開発チームのノイ氏が務めた(写真左から順)
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ここでの発表内容については,8月22日に掲載した
速報記事でお伝えしているが,ここでは壇上でのトークから読み取れたより詳細な情報をお届けしよう。なお,新カードの能力などは現在調整中とのことで,実装時には数値などが異なる可能性があるとのこと。その点は注意しておいてほしい。
最初に発表されたのは,現在サービス中のPC用タイトル
「LORD of VERMILION ARENA」(以下,LoVA)とのコラボによるゲスト使い魔達だ。これは,LoVAに登場しているコラボ使い魔が,アーケード版LoVIIIにも登場するというもの。発表されたのは
「聖剣伝説3」から
リース,
「フロントミッション 1st」から
レイブン,
「サガ・フロンティア」から
アセルスの3枚で,それぞれかなり尖った性能の使い魔になるとのことだった。
リースの超覚醒アビリティ「旋風槍」は,ダッシュアタックの距離が大幅に増加する。効果自体はリヴァイが持つ「人類最強の兵士」に近いが,スロウアタックを受けた状態ではダッシュアタックが不可能になるようだ
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アーツ「ドレイクのウロコ」は,種族や対象の制限なくユニットの攻撃力を上げられる。会場で流れたムービーでは,超覚醒したリースが自身にアーツをかけることで,ATK110まで上昇していた
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レイブンの超覚醒アビリティ「レイブンクロー」は,自身が攻撃したユニットに追加ダメージを与える能力。追加ダメージの数値は固定なので,防衛戦に役立ちそうだ
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範囲内の味方ユニットの中で,最も召喚コストが高い使い魔を死滅させることで,自身の能力を強化できるアーツ「BD-6Kr」。死滅させた使い魔のコストに応じて上昇値が変わるので,状況に応じた使い分けが必要だろう。映像の中では,70コストのアポピスを死滅させた後,ATK240 / DEF240にまでステータスが上昇していた
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アセルスの超覚醒アビリティ「妖魔の剣」は,撃破した使い魔のジョブ応じた3種類の永続バフを得る能力。各バフは独立しており,すべての能力を上昇させられるが,同じバフの重ねがけはできない。会場の映像では,最大でATK240 / DEF230(+移動速度アップ)まで強化が可能なようだった
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続いては,前作
「LORD of VERMILION Re:2」(以下,Re:2)からの復活となる「ペルソナ4」シリーズからのゲスト使い魔達が発表に。
「ペルソナ4」からは
鳴上 悠が,
「ペルソナ4 ジ・アルティマックス ウルトラスープレックスホールド」からは
アイギスEXOと
エリザベスが参戦となる。
この3名は,能力的には比較的シンプルな調整ようで,扱いやすい使い魔になりそう。ちなみにフレーバーテキストは書き下ろしで,ボイスも新録したものが使われているという。原作ファンは期待しておこう。
もともと高いDEFがさらに強化される鳴上 悠のアビリティ「防御の心得」。覚醒時点でのステータスはATK90 / DEF150。人獣の同コスト帯では現時点で最高のDEFを持ち,ディフェンダーが少ない人獣にとっては強力な選択肢となる
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スロウアタックの効果が上昇する「ジオダイン」。固定ダメージを追加で与えられるため,低めの攻撃力をカバーできる
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超覚醒で「EXオルギアモード」を発動すると,ATK210 / DEF210(+移動速度アップ)というかなりの高性能となるアイギスEXO。ただし,マナタワーの外で60カウント以上活動するとオーバーヒートを起こし,ステータスがATK1 / DEF1に下がったうえ,移動まで不可となる
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エリザベスの「本気で参ります」は,単純にステータスを向上させるアビリティだ。効果は大きく,覚醒時点でATK180 / DEF200に達する
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スプレッドショットの範囲が常に一定になるかわりに,攻撃間隔が長くなる「メギドラオン」。発動後のスプレッドショットは,マナタワーの約半分を覆い尽くすほどの範囲で強力だが,発動にはスマッシュ操作が必要
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新バージョンのカード情報に続いては,本作の続編となる
「LORD of VERMILION Re:3」(以下,LoV Re:3)の発表が行われた。丹沢氏曰く,タイトルの“Re:3”には“返信”や“答え”といった意味が含まれているとのことである。
シリーズファンとしては,過去作の
「LORD of VERMILION Re:2」(以下,Re:2)を想起してしまうタイトル名だが,同作独自のシステムであった
「降魔」が登場するあたり,内容的にもその流れをくんだものになるのかもしれない。ちなみにRe:2の「降魔」は,専用のゲージを溜めた状態でのみ追加召喚できる強力な使い魔で,高いステータスと2種類の特殊技(LoVIIIにおけるアーツ)を持っていた。一方でアルティメットスペルが使用できなくなるなどのデメリットもあったが,Re:3でどういった実装になるのかは,今のところ分かってない。
また,会場では初代LoVからRe:2までの男性主人公を努めた
ニドが描かれたイラストも公開された。丹沢氏によると「カードとして登場する」とのことだが,こちらも詳細は明かされなかった。稼働は2015年内とのことなので,「降魔」の詳細と合わせて,今後の情報公開に期待しよう。
ステージで公開された降魔カード「〜嘆きの竜皇〜」。LoVIIIに登場する“カルマ”のアイコンが表示されているが,どういった意味があるのだろうか
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Re:3ではカード枠のデザインが一新される。また,ゲームセンターに設置されるサテライトからは,旧カードが封入されたブースターパックも販売されるとのこと
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ゲームシステムはそのままに,UIが一新。詳細は不明だが,稼働後には“ギルドエンブレム”といった新要素の実装も予定されている
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こうした発表ステージを経て,予定されていたイベントはすべて終了。スクリーンにスタッフロールが流れ,来場者が帰り支度を始めようかというところで,丹沢氏が再びステージに登場。次のようなコメントを述べた。
「以前からやってみたいと思っていたことがありました。それに向けて,今まさに手を進めております。そこで,まずは会場にお集まりの皆さんに,ご感想をいただきたいと思います」
丹沢氏が去った後,スクリーンには,LoVIIIのストーリーを描く
アニメPVが上映されたが,その意図が深く語られることはなかった。素直に考えるなら,2015年春に放映された「ガンスリンガーストラトス」に続く,スクウェア・エニックスのアーケードゲームのアニメ化とも受け取れるが……。「LORD of VERMILION Re:3」ともども,続報を楽しみにしておこう。
来場者には,SPカード「チルル」「ルティア」「リリス」が配布された。3人の衣装は,イラストレーターの赤賀博隆氏による書き下ろしデザインが使用されている
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