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アイオワから放たれるセガへの愛! メガドライブ用同人ゲーム「Pier Solar」のHDリメイク企画がKickstarterで目標金額を達成。日本語化も確定
「Pier Solar HD」プロジェクト(Kickstarter)
セガの据え置き型ゲーム機メガドライブが日本国内でリリースされたのは,1988年のこと。アメリカでは,商標の問題から「セガ・ジェネシス」の名で1989年にリリースされたが,海外での評価は日本以上に高い(ワールドワイドでは4000万台ほどを販売)。1995年にセガが本体の生産を中止してからも,その後2年ほどはMajesco Gamesがライセンス契約を行い,北米で販売が行われていたほどの“名機”である。
「Pier Solar」は,そんな北米での生産中止から5年以上も経った2004年に,「Eidolon's Inn」というゲーマー達の集うWebサイトで企画がスタートしたファンメイドRPGで,アメリカでは「ホームブルー」(Homebrew)と呼ばれる,非公式な同人ゲームである。しかも,開発途中でメンバー達の野望も膨らみ,CD-ROMベースではなく,旧来のゲームのようなカートリッジを使ったゲームとして企画が練り直され,それでもコンテンツのボリュームが落ちないよう64メガバイトのカートリッジを採用。もちろん公式に認められたわけではないが,このことからメガドライブでは史上最大容量のゲームとなった。
その後,開発に携わっていたメンバー達は,アイオワ州でWaterMelonを発足し,数々のボランティアに支えられながら,2010年12月になってようやくPier Solarをリリース。初期生産予定分は予約で売り切れてしまったうえに,第2発注のカートリッジも12日で完売するほどの人気を博した。多くの日本人ゲーマーが知らないところで,こうした海外のセガマニア達が,現在も16ビットゲームの――古き良き――伝統を受け継ぐゲームを楽しんでいるのである。
HDリメイク作品となる「Pier Solar HD」では,Hoston,Alina,Eddosotの3人の仲間達が「究極のハーブ」を探して旅に出るという作品。50時間を超えるプレイボリュームや,濃密なストーリー,ゲームシステムはそのままに,テクスチャを高解像度化させることで,PCやXbox 360で楽しめるようにしたものだ。ドリームキャスト版の開発も決まったことにより,640×480ドットの解像度に対応させるだけでなく,VMU(バーチャルメモリーユニット)など,ドリームキャストの特性を活かしたさまざまなオプションが加えられることになるという。
次なる目標は16万ドルで,資金が集まれば,2〜4人で楽しめるミニゲームや,10種類以上のサイドクエストなどが追加される予定。その後は,投資額が増えるにつれて「OUYA」(関連記事)でも楽しめるAndroid版や,Wii U版への移植が検討される予定。15ドル以上を投資した人は完成時にデジタルコピーをもらえるそうだ。
「Pier Solar HD」プロジェクト(Kickstarter)
- 関連タイトル:
Pier Solar and the Great Architects
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