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【PR】低背Cherry軸を採用したCorsair製キーボード「K70 RGB MK.2 LOW PROFILE」は高速入力重視のゲーマー向け新定番だ
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印刷2018/12/15 12:00

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【PR】低背Cherry軸を採用したCorsair製キーボード「K70 RGB MK.2 LOW PROFILE」は高速入力重視のゲーマー向け新定番だ

画像集 No.002のサムネイル画像 / 【PR】低背Cherry軸を採用したCorsair製キーボード「K70 RGB MK.2 LOW PROFILE」は高速入力重視のゲーマー向け新定番だ

 いわゆる“Cherry軸”と呼ばれるCherry MXシリーズは,これまで数多くのゲーマー向けキーボードに採用されてきた,最も名高いメカニカルキースイッチである。その品質は折り紙付きと言ってもいいが,近年では競合他社がCherry MXと似た軸形状や特性を有する独自のメカニカルキースイッチ投入しており,ある意味では代り映えのないCherry MXシリーズが,やや没個性に感じることもあるだろう。
 しかし,Cherry MXシリーズは代わり映えがしないという印象を覆す製品が,Corsairから登場した。同社が展開するゲーマー向け製品ブランド「Corsair Gaming」の新型キーボード「K70 RGB MK.2 LOW PROFILE Mechanical Gaming Keyboard」(以下,K70 RGB MK.2 LP)がそれだ。

K70 RGB MK.2 LOW PROFILE RAPIDFIRE mechanical gaming keyboard
メーカー:Corsair
問い合わせ先:リンクスインターナショナル(販売代理店)
実勢価格:2万5000円前後(※2018年12月15日現在)
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 K70 RGB MK.2 LPは,旧来のCherry製キースイッチの形状――基板から立ち上がった背の高いハウジング部分に,十字型のキー軸(ステム)が載ったもの――とは異なる形状の新型メカニカルキースイッチ「Cherry MX Low Profile RGB」(以下,MX Low Profile RGB)を採用した製品となる。さっそく,その特徴をチェックしていこう。


国内市場向けは“背の低いCherry銀軸”モデルが登場


こちらはCherryが公開した低背Cherry赤軸の製品イメージ。台座のような半透明のハウジング上に円筒の軸部分が載っている
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 K70 RGB MK.2 LPには,「Cherry MX Low Profile RGB Red」(以下,低背Cherry赤軸)を採用するモデルと,「Cherry MX Low Profile RGB Speed」(以下,低背Cherry銀軸)を採用するモデル「K70 RGB MK.2 LOW PROFILE RAPIDFIRE mechanical gaming keyboard」(以下,K70 RGB MK.2 LP RAPIDFIRE)の2種類がラインナップされている。ただ,現時点で国内市場向けに販売中なのは低背Cherry銀軸モデルのみであり,本稿で紹介するのもこちらとなる。

K70 RGB MK.2 LP RAPIDFIREのキートップを外したところ。十字の軸部分を円筒が囲んだ形が特徴的だ。写真のキースイッチは“Cherry銀軸”なので,カラーも銀色である
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 さて,このMX Low Profile RGBだが,「Low Profile」(低背)という名前そのままに,キートップまでの高さが旧来のCherry軸よりもかなり低くなっているのが特徴だ。
 少しタイピングしてみたところ,キートップの低いことで押し込む力も小さくて済むためか,打鍵感覚はメカニカル系というよりもメンブレンのそれに近いものを感じた。また,一般的なメカニカルキースイッチを使ったゲーマー向けキーボードに比べると,キートップが低く,指を高く持ち上げる必要がない分,より気楽に自然な指の動きでタイピングできる印象がある。

 スペック上では既存のCherry MXキースイッチとの間でどの程度の違いがあるのだろうか。
 今回は従来からある“Cherry銀軸”こと「Cherry MX Speed RGB」と,定番の“Cherry赤軸”である「Cherry MX RGB Red」と比較すべく主なスペックをにまとめてみたが,まずキーを底打ちするまでの距離を示すキーストローク(Key stroke,Key travelとも言う)は3.2mmと,Cherry MX Speed RGB比では0.2mm,Cherry MX RGB Red比では0.8mmも短くなっている。さらにキーの入力がオンになるアクチュエーションポイントだと低背Cherry銀軸はついに1.0mmまで短くなった。低背Cherry赤軸でも1.2mmで,Cherry MX Speed RGBと同じレベルだ。

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 このMX Low Profile RGBにおける背の低い形状と極端に高速入力に特化したスペックが,実際のタイピングにどのような影響を及ぼすのかについては後段で検証していくとして,続く段落では先にキースイッチ以外の部分を見ていくとしよう。


基本仕様を確認。スペックはK70 RGB MK.2とあまり変わらないが,高さは明白に違う


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 名称からも分かるように,K70 RGB MK.2 LPシリーズは筆者が以前紹介した既存のゲーマー向けキーボードシリーズ「K70 RGB MK.2 Mechanical Gaming Keyboard」(以下,K70 RGB MK.2)をベースにした製品だ。そのため,採用キースイッチを除いた多くの要素は,K70 RGB MK.2と共通である。
 この点を踏まえたうえで,今回評価するK70 RGB MK.2 LP RAPIDFIREのスペックを示しておこう。

●K70 RGB MK.2 LP RAPIDFIREの主なスペック
  • 接続インタフェース:USB
  • キースイッチ:メカニカル(Cherry MX Low Profile Speed RGB)
  • 基本キー数:108キー(日本語配列)
  • キーピッチ:未公開
  • キーストローク:3.2mm
  • アクチュエーションポイント:1mm
  • 押下特性:45g
  • ロールオーバー:Nキー(全キー)
  • 複数キー同時押し対応:未公開
  • キー耐久性:5000万回
  • ポーリングレート(USBレポートレート):125/250/500/1000Hz
  • オンボードフラッシュメモリ:搭載(容量8MB)
  • マクロ機能:対応
  • LEDイルミネーション:あり(※約1677万色,iCUE対応)
  • 実測本体サイズ:438(W)×168(D)×28(H)mm
  • 公称本体重量:約1080g(※ケーブルの有無は未公開)
  • パームレスト(リストレスト):付属
  • 実測ケーブル長:約2.2m
  • 対応OS:Windows 10,8.x,7
  • 保証期間:2年間

 ぱっと見て,K70 RGB MK.2からの違いが明らかなのは,本体サイズの高さと重量くらいだろうか。K70 RGB MK.2は,実測での高さが約37mmだったのが,K70 RGB MK.2 LP RAPIDFIREでは実測で約28mmと,9mmほど低くなっている。
 本体重量も同様で,K70 RGB MK.2の実測本体重量が約1240gだったのに対して,K70 RGB MK.2 LP RAPIDFIREは公称本体重量で1080gと,おおむね160gほど軽くなっているのだ(※公称本体重量におけるケーブルの有無は未公開)。

 公式には,「複数キー同時押し対応」の状況が明らかになっていないので,K70 RGB MK.2と同様に,キーの同時押し状況をチェックできるソフトウェア「Aqua’s KeyTest」で確認してみた。
 手のひら全体を使って押下してみたところ,少なくとも30キー以上の同時押しに対応していることが分かる。この数値以上にキーを同時押しする必要がある場面は考えにくいので,K70 RGB MK.2と同じく事実上の全キー同時押し対応と考えて問題ない。

30キーを同時に認識できている
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“Low Profile”なコンセプトを重視したゆえの違いもある


 それでは,キースイッチやサイズ以外にK70 RGB MK.2からの変更点がないかというと,筆者の見るところそうではない。Low Profileというコンセプトに重きを置いたゆえに,筐体の設計にも違いが現れているのだ。

 違いが明白に分かる点の1つが重量である。本体を手に取ってみると,K70 RGB MK.2 LP RAPIDFIREが想像以上に軽いことに気付く。
 先述したとおり,K70 RGB MK.2 LP RAPIDFIREは,K70 RGB MK.2と比べて公称値で約160gほど軽くなっている。だが,いかにも重量感がありそうな黒いボディカラーと金属製の天板からなる見た目の印象からすると,意外なほどに軽く感じるのだ。

 重量が軽くなったのは,K70 RGB MK.2と比べて高さを抑えたデザインによるものだろう。幅と奥行こそ変わらないものの,側面から見比べるとK70 RGB MK.2 LP RAPIDFIREの高さは,K70 RGB MK.2よりもかなり低いことが分かる。キースイッチだけでなく,それを乗せる土台からして,明らかに背が低くなっているのだ。

手前がK70 RGB MK.2 LP RAPIDFIREで,奥側がK70 RGB MK.2。見てわかるように,K70 RGB MK.2 LP RAPIDFIREの高さはかなり低い
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左にK70 RGB MK.2 LP RAPIDFIRE,右にK70 RGB MK.2を並べたところ。K70 RGB MK.2 LP RAPIDFIREの高さは,K70 RGB MK.2の奥側よりも低いのが分かる
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 打鍵感の印象でも述べたように,キートップまでの高さが低いと,タイピング時に指を高く持ち上げる必要がなくなり,結果として余計な力を入れることなく指を動かせるので入力も速くなるという利点がある。
 ゲーマーの中には,あえてキートップが高めの製品を選択して,指を常時持ち上げた状態――つまり指を常に緊張状態にして――から下ろすだけの操作によって,入力までの反応を速くしようとする人もいるので,キートップまでの高低はどちらが良いというものではなく,あくまでも好みの問題だ。ただ,K70 RGB MK.2 LPシリーズの「キートップを低くして,アクチュエーションポイントも短く,本体自体の高さもなるべく抑える」というコンセプトは徹底しており,一方の選択肢としてほぼベストと言えるのではなかろうか。

 低背性の追求は,本体底面のチルトスタンドにも現れている。
 K70 RGB MK.2でチルトスタンドを閉じた状態におけるファンクションキー列の高さは実測で約37mm,チルトスタンドを立てると約47mmで,その差は約10mmだった。
 これがK70 RGB MK.2 LP RAPIDFIREになると,同じ列での計測でチルトスタンドを閉じた状態は実測約28mm,立てると約33mmとなり,その差は約5mmしかないのだ。

チルトスタンドを閉じた状態(左)と開いて立てた状態(右)
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 勘違いされがちだが,ゲーム用途におけるチルトスタンドの役割は,高さの調節ではなく,本体に適度な傾斜をかけることである。それによってキーごとに高低差が生まれ,指先でキーを識別しやすくなり,ミスタイプを減らす結果につながるのだ。
 そう考えると,K70 RGB MK.2 LPシリーズがK70 RGB MK.2のスタンド部を流用せず,サイズに合わせたスタンドを用意しているのは,さすがのこだわりといえるだろう。

チルトスタンドを立てた状態のK70 RGB MK.2 LP RAPIDFIRE(左)とK70 RGB MK.2を比較。傾斜や高さの違いは一目瞭然だ
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 K70 RGB MK.2 LP RAPIDFIREの底面には,キーボードの高さに絡む変更点がもう1つあった。K70 RGB MK.2 LP RAPIDFIREをひっくり返して底面を見ると,K70 RGB MK.2において特徴的だった「X字状の溝」がなくなっていたのだ。

左がK70 RGB MK.2 LP RAPIDFIRE,右はK70 RGB MK.2の底面。K70 RGB MK.2にあるX字状の溝が,K70 RGB MK.2 LP RAPIDFIREにはないのが見てとれる。四隅に大型の滑り止めがある点は変わっておらず,容易にキーボードが動かない安心感は健在だ
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 K70 RGB MK.2におけるX字状の溝は,背面のUSB 2.0 Type-Aパススルーポートに差したデバイスのケーブルを引き回すのに利用できるというものだった(関連記事)。K70 RGB MK.2 LP RAPIDFIREの背面にも同じパススルーポートはあるので,どうしてデザイン変更に至ったのかと考えてみたが,おそらくは「薄型化によって,内部構造に溝を設けるための余裕がなくなったから」であろうか。

 溝を省略した一方で,K70 RGB MK.2 LP RAPIDFIREでは,USB 2.0 Type-Aパススルーポートの位置が背面中央にあるケーブルを挟んで左側から右側に移動していた。どうやら,右利きのユーザーがマウスをパススルーポートにつなげた場合,キーボード本体のケーブルが邪魔にならないようにという配慮のようだ。
 K70 RGB MK.2の「溝」は確かに便利だったが,ケーブルアンカー的機能は,ほかの手段でも代用できる。筆者としては,他のアクセサリーで代用できる底面の溝よりも,高さの抑制を優先した判断を好ましく感じる。

背面のUSB 2.0 Type-Aパススルーポート。K70 RGB MK.2では,これがケーブルを挟んで左側にあった(左)。右写真は,K70 RGB MK.2 LP RAPIDFIREの背面にマウスをつなげた状態。右利きが前提ではあるが,パススルーポートが右側にあるほうが,マウスのケーブルが引っかからず,引き回ししやすい
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 ちなみに,付属の着脱式リストレストも,キーボード本体の高さに合わせたものに変わっていた。横から見ると,K70 RGB MK.2付属のものよりも肉厚になっている印象だ。使用感は変わらず快適で,表面のエンボス加工のグリップ感も良好だった。

リストレストを装着した状態(左)と,外した状態(右)
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上はK70 RGB MK.2の,下はK70 RGB MK.2 LP RAPIDFIREのケーブルだ。USBコネクタの形状が違う
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 低背化とは関係ないだろうが,キーボード本体から伸びるケーブルにも,ささやかな違いがあった。
 ケーブル自体は,K70 RGB MK.2のそれと同じく強靭なメッシュ加工の布巻ケーブルとなっているが,USB Type-Aコネクタ周りの形状が異なり,少し痩せたスマートなものに変わっている。隣り合ったUSBポートに他のUSB機器を接続しようとしたときに,コネクタ周りがぶつかって差し込みにくいという問題を避けやすくなったはずだ


全体のデザインやキーレイアウト,付属の交換用キーキャップはK70 RGB MK.2と変わらない


 低背化によって高さは変わったものの,天板のデザインやキーレイアウト,追加ボタンといった要素は,K70 RGB MK.2から変わっていない。正面向かって手前と奥が隆起して,キースイッチ部分が一段低い独特のフローティングデザインは健在だ。アルミ合金製筐体のベースプレートに加えて,キー列の手前と奥で隆起した壁の部分がキースイッチに組み込まれたLEDの光を反射するので,LEDの光がより派手に見え,色の変化もはっきりと視認できる効果がある。

本体を斜めに傾けて撮影したカット。本体の手前と奥で隆起した壁に,LEDの光が反射しているのが分かるだろう
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 追加の操作系を含めた本体上のキーやボタン配置も,K70 RGB MK.2とまったく違いがない。正面向かって右奥には,音量調整ダイヤルとサウンド出力のミュート有効/切り替えボタン,それらと10キー部に挟まれた隙間にメディアコントロール用の4ボタンを並べる仕様はそのままだ。
 各ボタンの機能については,K70 RGB MK.2のレビュー記事を参照してほしい。

K70 RGB MK.2 LP RAPIDFIREにおける追加の操作系。本体奥側のやや左寄りに3ボタン,右側には銀色の音量調整ダイヤルと,メディアコントロール関連のボタンが配置されていた。K70 RGB MK.2とまったく違いはないが,これ以上何が必要かという気もするので妥当なところか
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交換用のキーキャップ。中央のキーキャップリムーバーを挟んで左の[W/A/S/D]キーキャップがFPSおよびTPS用,右の[Q/W/E/R/D/F]キーキャップがMOBA用だ
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 K70 RGB MK.2は,FPSおよびTPS用とMOBA用に計10個の交換用キーキャップが付属していることも特徴であったが,K70 RGB MK.2 LP RAPIDFIREもこの点はそのまま継承している。
 すべての交換用キーキャップに,キーの位置に合わせて内側を向いた傾斜が付けてあるので,標準のキーキャップと交換すると,指先の感触による判別が付けやくなるわけだ。小物ながら,ありがたいアクセサリーと言えよう。

左の写真はFPSおよびTPS用,右はMOBA用キーキャップを取り付けた状態だ
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左写真は,FPS&TPS用とMOBA用とで被っている[W]キーと[D]キーを並べたもの。左側に並べた[W]キーの傾斜は変わらないように見えるが,右側の[D]キーは傾斜の向きが逆になっている。右写真は,K70 RGB MK.2 LP RAPIDFIREとK70 RGB MK.2の交換用キーキャップを並べたところ。右写真の左側はFPS&TPS用[W]キー,右側はMOBA用[D]キーで,高さの違いがよく分かる
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「iCUE」はver違いによる変化のみ。多彩な設定が楽しめる懐の深さはそのまま


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 K70 RGB MK.2 LP RAPIDFIREは,各種設定にCorsairの統合設定ソフトウェア「iCUE」(アイキュー)をカスタマイズに用いるが,この点もK70 RGB MK.2と変わっていない。
 iCUEは,LEDイルミネーションの発光パターンをレイヤー(layer,層)として何重にも重ねることができるなど,多彩なカスタマイズを行える柔軟性を特徴とする設定ソフトだ。合計3種類の設定プロファイルを,キーボード側の内蔵フラッシュメモリに保存できる要素もそのまま受け継がれている。

プリセットの発光色で,キーの色を左から赤,橙,緑,水,青,紫,白と変えてみた。Cherry RGBの発色と変わらず,LEDの発光は鮮やかなものだ
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本体奥側の[LED輝度切り換え]ボタンを押して,LEDイルミネーションの明るさを4段階に切り替えた例。左が消灯状態で,一番右は最も明るい状態だ
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「照明リンク」の項目に「スタティックカラー」が追加されていた
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 今回テストに使ったバージョンと,K70 RGB MK.2のレビュー時点におけるiCUEとの違いを強いて挙げれば,左ペインの「照明効果」にある「照明リンク」の項目に,「スタティックカラー」という設定が追加されたくらいだろうか。
 照明リンクとは,K70 RGB MK.2 LPの照明効果を他のiCUE対応デバイスのLEDイルミネーションと同期させる設定である。スタティックカラーで設定できる照明効果自体は,「カスタム」という別の項目に用意されていた同名の設定と同じだった。

キーの無効化設定で,「ロックボタンがオンの場合キーを無効化する」にチェックを入れると,[WinLock]ボタンと紐付けて,ワンプッシュでまとめて有効/無効を切り換えられるようになる
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 iCUEの詳細は,K70 RGB MK.2のレビューで取り上げているので,ここでは簡単に紹介するに留めるが,単にゲーム用途で便利な機能だけでもいろいろと備えている。
 たとえば,任意のキーを単体で無効化できる機能は当然として,そのキーを[Windows]キーなどの有効/無効を切り替える[WinLock]ボタンと紐づけて,複数のキーをまとめて無効化できる機能はなかなかに便利だ。


Cherryの低背軸キースイッチはいかなる特性を有するのか


4Gamer Keyboard Delay Checker Ver.2(β1)
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 それではお待ちかね,K70 RGB MK.2 LP RAPIDFIREのタイピングテストを進めていこう。
 キースイッチのテストには,恒例の4Gamer独自ツール「4Gamer Keyboard Checker Ver.2」(β1)を使う。筆者が実際に複数のFPSやTPSタイトルをプレイしたときに使うキーの割合に基づいて出現頻度を設定した,実用的なタイピングテストツールで,「画面上に表示されたキーを被験者が押し,表示からキーが押されるまでの時間とミスの数をCSVファイルに記録する」という,入力遅延と入力ミスの数を測定する実用的でシンプルなツールである。

 計測方法は,筆者によるキースイッチ一斉検証記事と同じなので,テスト方法の詳細はそちらを参照してほしい。簡単に説明すると,1回の計測時間は2分間で,15回分試行して「『押下すべきキー』が画面に表示されてからキーが押くだされるまでの遅延時間」の平均値と,「試行1回(=2分)あたりのタイプミス数」の平均値を計測するというものだ。

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 比較対象としては,これまでに筆者が計測した累計データを用意した。試行回数が増えることでタイピング技術やテスト時におけるコンディションの変化によってスコアが影響されたりすることもあるので,過去の具体的なデータと直接比較することに意味はないことから,累計のデータを用いている。この点はあらかじめお断りしておきたい。

 さて,同じCherry MXで低背タイプではないCherry MX Speed RGBを採用したK70 RGB MK.2 RAPIDFIREは,以前のレビュー記事における検証テストで「過去テストしたすべてのメカニカルキースイッチよりも高速で,メンブレンスイッチ搭載モデルの平均値より速い」という結果が出た。そこで今回は,低背Cherry銀軸とCherry MX Speed RGBの違いを評価できるよう,K70 RGB MK.2 LP RAPIDFIREだけでなく,K70 RGB MK.2 RAPIDFIREでも再度タイピングテストを行うことにした。

 それでは結果を見ていこう。グラフ1は平均遅延をまとめたもので,数値が低いほど高速に入力できるという理解でいい。
 低背Cherry銀軸を採用するK70 RGB MK.2 LP RAPIDFIREの入力遅延は,過去テストしたメカニカルキースイッチの中でも最速とまではいかないものの,最速値につぐ結果となった。
 メカニカルキースイッチの過去最速値を記録したのが過去の計測におけるK70 RGB MK.2 RAPIDFIREだというのは先述のとおりで,今回の計測値はそれより若干遅いものの,メカニカルキースイッチ採用モデルとしてはそれでもなおトップクラスだ。そして,K70 RGB MK.2 LP RAPIDFIREはそんなK70 RGB MK.2 RAPIDFIREよりわずかに速いので,メカニカルキースイッチ採用キーボードとしてトップクラスの入力遅延という理解でいいだろう。

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 一方,平均ミスをまとめたグラフ2を見ると,入力遅延相応にミスが多いのも分かる。K70 RGB MK.2 RAPIDFIREをテストしたときに筆者は,「メカニカルキースイッチ搭載製品の中では過去最もミスが多い」と述べたが,K70 RGB MK.2 LP RAPIDFIREもメカニカルキースイッチの平均を超え,過去最もミスが出やすいという結果となった。

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 キースイッチ一斉検証記事で,Cherry MX Speed RGB搭載キーボードには同様の傾向があることを示したように,入力速度と入力安定性は,おおむねトレードオフの関係にある。それを考慮すると,K70 RGB MK.2 LP RAPIDFIREの採用する低背Cherry銀軸は,Cherry MX Speed RGBの特徴をそのままより尖らせたような特徴を有していると評価していいのではないだろうか。

 今回は低背Cherry銀軸採用のK70 RGB MK.2 LP RAPIDFIREしかテストしていないが,国内で販売されていない低背Cherry赤軸採用モデルをテストした場合,どのような結果が得られるのかは興味深いところだ。
 過去行った検証で,赤軸系のキースイッチは入力遅延と平均ミスのバランスが良く,総じて扱いやすい優秀なキースイッチという傾向があった。そうしたデータから推測すると,低背Cherry赤軸は,おそらくCherry MX Speed RGBの特徴である高速入力を備えながら,入力ミスの増加を防ぐ打鍵感覚が両立しているのではないかと筆者は期待している。


新しくありつつも定番の良さもあるK70 RGB MK.2 LP RAPIDFIRE


K70 RGB MK.2 LP RAPIDFIREの製品ボックス
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 K70 RGB MK.2譲りの充実した仕様に,近年の流行となりつつある低背キースイッチをひっさげて現れたK70 RGB MK.2 LP RAPIDFIRE。機能に過不足はなく,統合設定ソフトウェアも充実しており,熱意を注げばいくらでも応えてくれるような懐の深さも健在だ。

 ゲーマー向けキーボードの新モデルというと,目新しいものを追求しすぎて,「本当に必要なのか」と思ってしまうような余計な機能が追加されてしまったりしがちだが,K70 RGB MK.2 LPにはそういう要素がなく,変わらない安定感を感じる。
 そして同時に,新要素となる低背キースイッチは期待どおりの性能を発揮し,新製品に「意味のある新しさ」という特徴を与えている。Cherryの低背キースイッチに期待してK70 RGB MK.2 LP RAPIDFIREを手にしたユーザーは,その期待どおりの性能を手に入れられるだろう。

 総じて,K70 RGB MK.2 LP RAPIDFIREは,近年の流行を取り入れつつも着地点を見失っていない,ゲーマー向けキーボードの新定番と言えるようなすべてが揃っている。近年の高速入力仕様に特化したカスタムキースイッチに興味を惹かれつつも,信頼性や安定性に不安を感じて手を出しあぐねていた人にこそ,Cherry軸の安心感と高速入力を両立したK70 RGB MK.2 LP RAPIDFIREをお勧めしたい。

CorsairのK70 RGB MK.2 LP RAPIDFIRE製品情報ページ

リンクスインターナショナルのCorsair製品情報ページ

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    Corsair Gaming(旧称:Vengeance Gaming)

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