100人を軽く越える多彩な登場キャラが魅力。「無双OROCHI2」は，初心者から上級者まで，年末年始にじっくりと楽しめる極上のエンターテイメント作品だ

　コーエーテクモゲームスは本日（2011年12月22日），同社のタクティカルアクション最新作「無双OROCHI2」（PlayStation 3 / Xbox 360）を発売する。本作は，「OROCHI」シリーズとしては「無双OROCHI Z」（PlayStation 3）以来約2年半ぶりの正当な続編となる。


　「OROCHI」シリーズといえば，「真・三國無双」シリーズや「戦国無双」シリーズのキャラクターが一堂に会して戦うという，夢の競演が話題となった作品。今作では最終的にキャラクター総数が120人を超える大ボリュームとなっており，ことキャラクターに関しては過去最高の人数を誇っている。また「真・合体技」や「スイッチコンボ」など，新たなシステムも多数搭載されており，アクションゲームとしての完成度にもより磨きがかかっている。本稿ではその魅力を伝えていこう。

「無双OROCHI2」公式サイト

シンプル操作ながらも奥深いアクション性

　魔王・遠呂智との戦いから数年――突如出現した8つの首を持つ大蛇のような巨大な怪物は，その圧倒的な力を持って国を次々に滅ぼしていく。英傑達は，この強大な力を持つ怪物に立ち向かって行くも，まったく歯が立たない。そんな時，かぐやと名乗る一人の女性が姿を現し，「人の力で，あの怪物を倒す事はできない」と告げる。そして彼女は，「時を渡り，過去を変える力」を英傑達に示す――というのが本作の導入ストーリーだ。

世界の英傑達を異世界へと導くかぐや

　過去に戻り，仲間の死を未然に食い止めるという，タイムトラベルの要素を強く打ち出したストーリー性が特徴の本作。お祭り的な意味合いの強い「OROCHI」シリーズだからこそ許される世界観は，「真・三國無双」や「戦国無双」では味わえない魅力に満ちている。かぐやや孫悟空など，架空の有名人物を惜しげもなく登場させているあたりにも，「OROCHI」シリーズの突き抜けたテーマが見え隠れしているようで面白い。

「真・三國無双」の孫尚香と「戦国無双」の甲斐姫が同じ戦場を駆ける

仙界軍の長である素戔嗚（スサノオ）

　ゲーム内容は，基本的に従来の「OROCHI」シリーズを踏襲したお馴染みの3人一組のチームバトルであるが，アクション性の幅を広げる数々の要素が上手く作用して，爽快感の向上に繋がっている印象だ。シンプルな操作や爽快感溢れるアクションのおかげで，実に楽しくプレイできる。
　とくに，キャラクターを瞬時に切り替えて攻撃できる「スイッチコンボ」は，組み合わせるキャラクターによって，さまざまな連続技を繰り出せるため，いろいろと研究しがいのあるシステムだと感じた。また，専用ゲージを費やし，チーム3人で同時に技を繰り出す「真・合体技」は，多用こそできないが発動したときの圧倒的な破壊力とド派手な演出に，思わず見とれてしまうだろう。高度な操作を要求されることなく，手軽に一騎当千の爽快感を楽しめる作品となっているので，これまで無双シリーズをプレイしてなかった人にも安心してオススメできる。

さまざまな世界観のキャラクターが登場する「OROCHI」シリーズ。コラボ参戦ながら，無双の世界にしっかりと溶け込んだキャラクター達に注目

　かぐやを始め，孫悟空や酒呑童子など，架空のキャラクターが多数参戦する「OROCHI」シリーズ。本作ではそれらに加え，「NINJA GAIDEN」シリーズのリュウ・ハヤブサ，「DEAD OR ALIVE」シリーズのあやね，「ジルオール」シリーズのネメア，「BLADESTORM 百年戦争」のジャンヌ・ダルク，さらに「TROY無双」のアキレウスなど，コーエーテクモゲームスの人気キャラクターが多数コラボ参戦している。筆者は最初，これらのコラボキャラクター達がどのような形で登場するのか気になっていたのだが，思っていた以上に彼らが無双の世界に溶け込んでいることに驚いた。アクションに関しても，原作の雰囲気を忠実に再現しつつ，その上で無双のフォーマットにマッチした調整が施されているのだ。
　原作ファンも納得の仕上がりになっているので，無双シリーズでリュウ・ハヤブサやジャンヌ・ダルクがどのような活躍をしているのか，その目でぜひ確かめていただきたい。

2章の姉川の戦いでは，「NINJA GAIDEN」シリーズのリュウ・ハヤブサが登場する

何かを恐れるようなジャンヌ・ダルク。そこに現れたのは？

「DEAD OR ALIVE」シリーズのあやねや「ジルオール」シリーズのネメアも登場

　そのほかにも本作では，一度クリアした「ストーリーモード」「フリーモード」のセリフやBGMを自分好みに編集して，ネットワーク上にアップロードできる「無双の戦場」や，仲間の会話やアクション，新シナリオの発生，「真・合体技」の強化，「絆」を上げることでさまざまな効果が発生する「絆システム」，敵を倒すことによってスキルの効果が上がっていく「成長要素」など，モード/システムはかなり充実している。当然，離れた人と協力プレイが楽しめる「オンラインプレイ」も可能だ。


　すべての要素を遊び尽くすには，数百時間はかかりそうな，圧倒的ボリュームを誇る「無双OROCHI2」。この年末年始は，家族や友達と，気軽にワイワイ楽しむには最適の一本なので，ファンはもとより，本稿を読んで興味をもった人は，ぜひ購入を検討してみよう。

「無双OROCHI2」公式サイト