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歴史をテーマにした博覧会「志国高知 幕末維新博 第二幕」が高知県で開幕。DeNA Games Tokyoも参加表明を行ったイベントをレポート
現在は高知県がある場所に存在していた土佐藩は,幕末から明治にかけて,坂本龍馬をはじめ中岡慎太郎,岩崎弥太郎,後藤象二郎,板垣退助ら数多くの志士を輩出している。彼等が成し遂げた偉業を,高知県の自然や食などと交えあらためて発信し,地域活性ならびに観光地として盛り上げるというのが幕末維新博の基本コンセプトだ。
「志国高知 幕末維新博」公式サイト
2017年3月から翌年4月まで開催された幕末維新博の第一幕では,期間中の高知県における総来場客数が440万人を突破。この数字は高知県で過去最多とのことである。
今回開幕した第二幕では,高知県内全域における計25か所の各会場で,さまざまなイベントや企画展などが2019年1月末まで行われる。それらのなかでも,桂浜のすぐ近くにある坂本龍馬記念館は,新館が建てられ総面積が約2倍になったほか,本館も大々的にリニューアルされ最大の見どころとなっている。
新たにお披露目された坂本龍馬記念館の新館 |
こちらはリニューアルされた本館 |
DeNA Games Tokyoによる県知事への表敬訪問が実施
“平成の海援隊”の一員として8月にコラボを予定
幕末維新博 第二幕では新たな試みとして,県外の民間企業や団体などとの連携を行う,“平成の海援隊”と題した取り組みが行われる。ゲームやファッションそして飲食など,さまざまな業種とのコラボを行い,高知にまつわる新たな価値を生み出すというのが主な狙いだ。そのなかの一社に,DeNA Games Tokyoが含まれているという関係で,このたび4Gamerが取材を行うことになった次第。
DeNA Games Tokyoは,2015年4月に設立された,DeNA(Mobage)が配信するタイトルの運営業務を中心に行うメーカーである。同社によると,長期運営のタイトルにまつわるノウハウに長けており,今週末の4月27日には「数百万人超のプレイヤーを抱えるゲーム運営ノウハウを大公開!」と題されたトークイベントも開催予定だ。
説明によると,DeNA Games Tokyoが運営を行う,DeNA(Mobage)の5タイトル「怪盗ロワイヤル」「農園ホッコリーナ」「戦国ロワイヤル」「アクアスクエア」「スペースデブリーズ」で,幕末維新博にちなんだキャンペーンを実施するという。現在は詳細を調整中と前置きしたうえで,坂本龍馬らの志士にちなんだキャラや,高知県の名産品にちなんだアイテムなどをゲーム内に実装する予定だそうだ。
また,DeNA Games Tokyoが維新博へブースを出展し,たとえば会場内のQRコードを読み込むことで楽しめたり,会場を訪れたプレイヤーが全国のユーザーと一緒に遊べたりするイベントも企画中とのこと。そのほかにも,Mobage内で使えるオリジナルのアバターアイテムの配布や,関連メーカーであるDeNAトラベルとの連動企画なども検討しているそうだ。これらのイベント2018年8月の実施が予定されている。
尾﨑知事は,これらの施策が高知県の地域活性化に結びつくものとして,大きく頷きながら話を聞いていた。8月といえば,高知県では「よさこい祭り」が8月10日・11日に開催予定で,このタイミングでの相乗効果にも期待しているようだ。また,自らが設立した“平成の海援隊”が,早くも具体的な成果を見せつつあることにも,大きな手応えを得ていたご様子。
表敬訪問の終了後,この意外性のあるコラボを行った経緯について,尾﨑知事に直接聞いてみた。すると,「むしろ意外性があるからこそ価値がある」との回答が得られた。高知県が持つ歴史コンテンツの魅力を,若い世代の人達に伝えるべくチャレンジングなアプローチを常に模索しており,その想いが“平成の海援隊”の実現に結びついたのだそうだ。今後,DeNA Games Tokyo以外の各社から,どのようなキャンペーンが発表されるかにも期待したい。
幕末維新博の第二幕は来年1月31日まで開催
冒頭で述べたとおり,幕末維新博は高知県内の全域に点在した計25の会場で行われている。今回の滞在中では,時間が許す限り各会場を取材(というより観光)してきたので,写真多めで紹介しよう。
●「こうち旅広場」https://www.attaka.or.jp/tabihiroba/
土佐藩はNHKの大河ドラマでも何度かメインテーマに選ばれているが,そのなかでも「龍馬伝」(2010年に放送)の放映当時は高知県全域が大変な盛り上がりを見せたという。現在も高知駅前には,龍馬伝における坂本龍馬の生家セットが常設展示されているほか,PR隊“土佐おもてなし海援隊”のステージなどが行われる“こうち旅広場”が広く設けられている。
●「高知城」http://kochipark.jp/kochijyo/
NHK大河ドラマでは「功名が辻」(2006年に放送)でも大きく取り上げられた,関ヶ原の戦いのあとに転入した山内一豊が築城したお城。日本国内における城の多くは,明治政府の指示により取り壊されたが,この高知城は天守以外の大半を公園化とすることで免れたという。現在も,一般観光客が天守のてっぺんまで登ることが可能で,ここからの眺めは壮観の一言。
●「高知県歴史博物館」https://www.kochi-johaku.jp/
幕末維新博 第一幕の開幕に合わせて建てられた,高知県の歴史にまつわるさまざまな出展が行われている施設。幕末や明治にとどまらず,その前後の時代も網羅しており,歴史ファンにはたまらない施設といえそうだ。出展物の多くは入れ替わり制となっているので,訪れるさいは事前にチェックしておくとよいだろう。
●「坂本龍馬記念館」https://ryoma-kinenkan.jp/
新たに建てられた坂本龍馬記念館の新館では,龍馬が亡くなる5日前に書いたとされる手紙や,愛刀の陸奥守吉行,寺田屋で襲撃されたさいに用いたスミス&ウェッソンのピストルなど,ゆかりのある様々な品が展示(レプリカ含)。一方のリニューアルされた本館では,龍馬の脱藩,勝海舟との出会い,薩長同盟,海援隊などの時系列に沿って,当時の背景や関連人物の紹介などが行われている。
●「桂浜」http://www.city.kochi.kochi.jp/soshiki/39/katsurahama.html
坂本龍馬記念館から徒歩10数分の場所にある,月見の名所としても知られる海岸。傍らにある高台には,いまも太平洋を悠然と見渡す巨大な坂本龍馬像が建てられている。現在は,この龍馬像のすぐ横に足場が建てられており,同じ目線の高さで景色を眺められる“龍馬に大接近”が期間限定で開催中。
●「ひろめ市場」http://hirome.co.jp/
高知城から徒歩数分の場所にある,集合型の屋台村。朝から晩まで,地元の老若男女や観光客でひっきりなしに賑わっている人気スポットだ。高知の名物として知られ,この市場でも一番人気という鰹のたたき(藁焼き)は,たっぷりの刻みネギとニンニクが添えられており絶品。今回の滞在中は,暇さえあればこればかりをひたすら食べてしまった。
坂本龍馬や幕末のファンに対しては,幕末から明治時代にかけて土佐藩が担った役割の大きさについて,あらためて説明する必要はないだろう。しかし,尾﨑知事も述べていたとおり,当時からは150年も経過しているわけで,その偉業を後世に伝えなければ,世代が移り変わるなか,次第に忘れ去られるのは避けられない。
その点,高知県は幕末維新博をはじめさまざまなPRや,“平成の海援隊”による他業種とのコラボなどを積極的に行っている。こういった努力を惜しみなく行ってくれているというのは,今回の取材を通じて非常に心強く思えた。
本稿でも「ひろめ市場」を紹介しているとおり,幕末維新博では志士や歴史にちなんだ施設のみならず,食や自然などを交え観光地としてアピールされている。歴史ファンならずとも,観光地としても非常に魅力的な場所といえるだろう。高知県全域に点在しているため,一泊や二泊では到底回りきれないのが悩ましいところだが,興味を持ったらぜひこの機会に,公式サイトでを各出展内容をチェックしたうえで訪れてみよう。
「志国高知 幕末維新博」公式サイト
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