「水滸伝」の看板はどれも実写ベースのもの。ブースには出演者別の看板がいくつも設置されていた
![画像集#001のサムネイル/[CJ 2011]実写ドラマをそのままゲーム化? 麒麟遊戯のMMORPG「水滸伝」は,想像以上に大規模な作品だった](/games/137/G013793/20110731004/TN/001.jpg) |
ChinaJoy 2011に出展している麒麟遊戯のブースでもっとも目立っていたタイトルは,MMORPG「
水滸伝」だった。同作は,中国の実写ドラマを原作とする2.5Dグラフィックスの新作MMORPGなのだが,原作ドラマとの大がかりな連係により,現地のゲーマーから注目を集めている。
本作に関して,麒麟遊戯のVice PresidentであるZhu Yanchen氏(以下,Zhu氏)に話を聞くことができた。氏によると,中国では2011年8月2日から,ドラマ「水滸伝」の放映が開始される予定で,麒麟遊戯はこのドラマの版権を購入し,MMORPGを制作していたのだという。
購入した版権はかなり高額だったようだが,水滸伝という物語は中国では誰もが知っている。間違いなく話題になるし,人気も集まるので,高い買い物ながら大きなリターンが期待できるはずだと,Zhu氏は話していた。
麒麟遊戯 Vice President
Zhu Yanchen氏
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ゲームにはドラマと同じ主題歌が使われており,声優に関しても,ドラマに出演している有名俳優が担当。ドラマ内で使われているセリフなども盛り込んでいるそうだが,ゲーム専用の用語が絡むものに関しては,新たに収録を行っているという。
中国では,ゲームのキャラクターに声をあてるということがそれほど一般的ではないらしいのだが,本作ではドラマに出演している有名俳優が声優を務めているわけで,ここでも大きな出費をすることになったと,Zhu氏は苦笑していた。
そのほか,ドラマで使われている実写シーンがゲーム中で使われていたりもしており,ドラマの安易なゲーム化や,コラボ企画レベルの話では終わっていない印象だ。
ドラマ版の素材が贅沢に使われているMMORPG「水滸伝」
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実際のゲーム画面は,中国でお馴染みの2.5Dグラフィックスで描かれている
![画像集#007のサムネイル/[CJ 2011]実写ドラマをそのままゲーム化? 麒麟遊戯のMMORPG「水滸伝」は,想像以上に大規模な作品だった](/games/137/G013793/20110731004/TN/007.jpg) |
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Zhu氏によると,これまでも水滸伝をテーマにしたゲームは作られているが,内容的にもグラフィックス的にも,デフォルメされたものがほとんどだったという。しかし本作は,「ドラマそのものをMMORPG化している」のだそうだ。普通こうしたゲームは,ドラマ制作とはまったく関係のないゲームメーカーが制作するわけだが,同社に関しては,ドラマのプロデュースも行っている。
これは日本で言えば,ゲームメーカーがNHKの大河ドラマの版権を購入し,大河ドラマの制作に関わりつつゲーム版も作っている……という感じになるだろうか。
なお,本作のサービスは,ドラマ版がちょうど盛り上がっているであろう,2011年9月9日にスタートする予定となっており,中国の動画サイトでドラマ「水滸伝」を配信するときには,そこにゲーム版の広告を表示するとのこと。ドラマの視聴者,ネットユーザー,ゲームファンと,あらゆる層に向けたアピールを大々的に行っていく形だ。
ちなみにゲーム版では,プレイヤーキャラクターは梁山泊の108人になれるわけではなく,彼らの弟子としてゲームを楽しむことになるという。ゲームスタート時に選べるキャラクタークラスは6種類あり,8つの陣営のうちいずれかに所属して,中国全土を舞台に冒険を繰り広げることになる。
ミッション内容は,ドラマの内容に則したものになっているのだが,プレイヤーキャラクターの能力によっては,ドラマとは異なる結果にたどり着くこともあるという。本作のキャッチコピーに「108人の運命を変える」という言葉が確認できたのだが,具体的にどのように運命を変えられるのかは,現時点では公開できないとのこと。ドラマ版では死んでしまうキャラクターを,ゲーム版では助けられたりするのだろうか。ちょっと気になる。
このほか同社は,水滸伝のWebゲームやスマートフォン向けゲームの版権も持っており,今後はそれらの制作も本格化させるという。ドラマ「水滸伝」が絶対に大ヒットするという確信にもとづいて,思い切った投資を行った麒麟遊戯。同時にMMORPG「水滸伝」も大ヒットとなるのか否かに注目したい。