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[SIGGRAPH]AMD,コンテンツ制作向けの青いグラフィックスカード「Radeon Pro」立ち上げ。容量1TBのSSDフレームバッファを持つ特別版「SSG」を予告
AMDは,Radeon Proを冠する製品として,すでに「Radeon Pro Duo」をリリース済みなのだが,今回同社はRadeon Proを,新しいコンテンツ制作向けグラフィックスカードシリーズとして位置づけ直し,さらにシリーズのコンセプトカラーとして青を採用しているのがポイントだ。
発表時点のラインナップは,オンボードで容量1TBのM.2接続型SSDを搭載する最上位モデル「Radeon Pro Solid State Graphics」(以下,Radeon Pro SSG)と,安価なワークステーション用グラフィックスカードとして訴求される通常モデルとしてのRadeon Pro WXシリーズ3製品「Radeon Pro WX 7100」「Radeon Pro WX 5100」「Radeon Pro WX 4100」となっている。
注目の新モデルとなるRadeon Pro SSGは,PCI Exressのボトルネックなしで利用できる大容量SSDを専用のフレームバッファとして使うことで,8K映像のような極めて大きなデータを扱うアプリケーションの高速化を果たすものだという。
イベントでは「今日(こんにち)の最速ワークステーション」とKoduri氏が呼ぶシステムと,Radeon Pro SSG搭載機の比較デモを行い,後者が圧倒的に高いフレームレートを実現することを示していた。
ちなみにRadeon Pro SSGの価格は9999ドル(税別)。2017年の出荷を予定しているという。
通常モデルとなるRadeon Pro WXの概要は以下のとおり。いずれも2016年第4四半期の出荷予定となっている。
●Radeon Pro WX 7100
「VRコンテンツ制作向けとして,最もコストパフォーマンスの高い選択肢」として訴求される,1スロット仕様のグラフィックスカード。演算ユニット「Compute Unit」数は32基で,理論演算性能値となる単精度浮動小数点演算性能は約5 TFLOPSだ。メモリインタフェースは128bit,グラフィックスメモリ容量は8GBで,DisplayPort 1.3により最大で5K解像度をサポートするという。
●Radeon Pro WX 5100
Radeon Pro WX 7100の下位モデルとして,28基のCompute Unitを搭載し,理論演算性能値4 TFLOPSがターゲットとなる製品だ。メモリ周りや外部出力インタフェースの仕様は上位モデルと変わらない。
●Radeon Pro WX 4100
Low Profileに対応し,いわゆるSFF(Small Form Factor)のワークステーションに対応できるのが特徴のエントリーモデル。16基のCompute Unitを搭載し,理論演算性能値は約2 TFLOPSとなる。メモリインタフェースは128bit,グラフィックスメモリ容量は4GBと,上位2モデル比で半分となるが,外部出力周りの仕様は同じだ。
オンボードSSD搭載モデルも含め,いずれも大多数の4Gamer読者にはそれほど身近な話ではないかもしれないが,今後AMDが,コンテンツ制作向けの青いRadeonを展開予定ということは,押さえておくといいかもしれない。
Radeon Proの立ち上げに関するRadeon.comのポスト(英語)
Radeon Pro WXに関するRadeon.comのポスト(英語)
Radeon Pro SSGに関するRadeon.comのポスト(英語)
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