東京ゲームショウ2011の一般公開初日となった2011年9月17日,KONAMIブースで,PSP用RPG「
FRONTIER GATE」(フロンティアゲート)の紹介ステージが開催された。
「幻想水滸伝」の最新作が電撃的に発表されるなど,会場を沸かせたステージの模様をお伝えしていこう。
「幻想水滸伝」の最新作がPSP向けに開発中
今回行われたステージのメインは,新作であるFRONTIER GATEの紹介だったが,会場を最もどよめかせたのは,ステージ終了直前のタイミングで明らかになった「幻想水滸伝」シリーズ最新作「
幻想水滸伝 紡がれし百年の時」(PSP)の存在だ。ここであらためて,会場で流されたものと同内容のトレイラーを掲載しておきたい。
さてこのトレイラー,美麗なアニメーションや豪華声優(詳しい人なら聞けば分かるだろう)に注意が行きがちだが,実のところ最も注目すべきは,再生開始後20秒過ぎに表示される
「新たなる百万世界の物語」というキーワードのほうだ。
百万世界は,2008年に発売された「
幻想水滸伝 ティアクライス」(NDS)の舞台となった世界。おそらく「紡がれし百年の時」は,「ティアクライス」の世界観を何らかの形で受け継いだ作品になるのだろう。
小牟田 修氏
![画像集#004のサムネイル/[TGS 2011]「幻想水滸伝」のサプライズもあった「FRONTIER GATE」のスペシャルステージをレポート。アメリカザリガニがどたばたマルチプレイ?](/games/132/G013230/20110917042/TN/004.jpg) |
そんな幻想水滸伝シリーズ最新作の存在を明らかにしたのは,開発を手掛けているKONAMIの小牟田 修氏。氏は,今回のステージのメインであったFRONTIER GATEのディレクターであり,幻想水滸伝 ティアクライスの制作の中枢を担った人物でもある。
発表後,小牟田氏は「前作から3年ぶりとなる新たな幻想水滸伝を,このTGS 2011で発表できたことを嬉しく思います。現在,鋭意制作中ですのでもう少しだけお待ちください。それから,驚かせてしまってごめんなさい」と笑顔混じりに話した。
まだまだその全貌が見えない「紡がれし百年の時」。続報が入り次第4Gamerでもお伝えしていくので,お楽しみに。
アメリカザリガニが「FRONTIER GATE」でマルチプレイ
向峠慎吾氏(左)と小牟田 修氏(右)
![画像集#005のサムネイル/[TGS 2011]「幻想水滸伝」のサプライズもあった「FRONTIER GATE」のスペシャルステージをレポート。アメリカザリガニがどたばたマルチプレイ?](/games/132/G013230/20110917042/TN/005.jpg) |
さて,イベントのメインとなったFRONTIER GATEの紹介では,お笑いコンビのアメリカザリガニを交えての,どたばたのマルチプレイが一番の見どころとなった。
イベントではまず,プロデューサーの向峠慎吾氏と,前出の小牟田氏が登壇。両氏は,FRONTIER GATEの特徴や魅力について下記のように説明している。
●ストーリー
舞台は未開の大陸フロンティア。プレイヤーは15人の仲間(うち3名は非公開)から好きなキャラクターを一人選んでパートナーにし,二人一組でこの地を開拓していく。持っている武器やスタイルなどが全員異なり,それぞれ個性を持つパートナーには個々のストーリーが用意されているので,何度も新鮮な気持ちで楽しめる。
●戦闘
シングルプレイでも楽しめるコマンドバトル制だが,一番の魅力はマルチプレイ。最大3パーティ6キャラクターで戦うときのコンボはめちゃくちゃ気持ちいい。
ここで両氏が語ったポイントは,
7月23日に掲載したインタビューに詳しいので,興味が湧いたという人は参照してみてほしい。
一通りゲームの概要が説明されたあとは,いよいよアメリカザリガニの二人を交えてマルチプレイでボスを倒すことに。この日のためにゲームを練習してきたという二人はギャグも冴え渡り,パートナーをテーマに小ネタを披露して会場を沸かせた。
肝心のマルチプレイでは,小牟田氏あらため「こむたん隊長」指示のもと,アメリカザリガニの「やなたん」(柳原哲也さん)と「ひらたん」(平井善之さん)が共闘。プレイに際してアメリカザリガニの二人は「みんながやりたくなるようなプレイを」とか,「ボケずに素晴らしい世界観を見せる」とか言ってやる気満々だったが,こむたん隊長が猫の着ぐるみのアバターで登場すると「えー!」「猫についていくのいややな……」などとこぼしていた。
ともあれ,いきなりボスに行くのもなんなので,一度小手調べに雑魚と戦うことになった一行。戦闘になると「猫(=こむたん)が犬(=敵)と戦っているやんけ!」とかぶーぶー言いながらも楽々敵を倒した。
一行がプレイ中にも向峠氏はポイントを解説していく。いわく,戦闘では戦意を上げながら戦っていくことが大事。戦意を上げることで,行動するためのAPが増え,より多くのコマンドを入力できるようになるのだという。
ちなみにマルチプレイ時,フィールドでは3人ともばらばらに動くことができる。一人が戦闘に入ったら助けてもいいし,ほうっておいてほかの敵を倒しにいってもいい。ステージでは,実際に2か所で戦闘が起きる様子が見られた。まぁこれ,実は段取りにはない不慮の事故だったのだが。
色々と紆余曲折はあったが,ボスのイエティと戦うことになった一行。ここではこむたん指示の下,統率の取れた華麗なコンボが見られた。「ひらたんが敵の戦意を下げる青い攻撃を!」「やなたんは引き続き戦意を上げて!」「私は回復します!」といったように,こむたんは明確な指示を出していく。
解説の向峠氏によると,戦意を上げる技の威力は高くないので,ときには,自分の戦意を消費して放つ強力な技を選択することも大事なのだとか。
役割分担が固まってからは,巨大なイエティ相手でも余裕を持って立ち回れるようになった。最終的には行動回数を増やすブーストAPを使って連続コンボを放ち,イエティを葬る。
ひらたんは戦闘終了後,「簡単で入って行きやすいゲームですね。指示できる人が分かっていると,誰でもすぐにプレイできる」と話すと,向峠氏は「それが一つのポイントですが,いろいろ組み合わせてコンボを考える玄人向けの楽しみもあるんですよ」と,戦闘の奥深さをアピールした。
なお,FRONTIER GATEは現在,PlayStation Storeにて体験版配信中だ。マルチプレイも可能で,さらにデータを製品版に引き継ぐことで,赤の英雄の装備が手に入るとのこと。体験版からのフィードバックを反映するためのアンケートも実施されているので,プレイした人はぜひその感想をKONAMIの元へ届けよう。
ちなみに,FRONTIER GATEはTGS 2011のKONAMIブースで,もちろんプレイ可能。ぜひ足を運んでみてほしい。