史上最大の収録曲数で，3D立体視にも対応した「初音ミク -Project DIVA- ドリーミーシアター2nd」のインプレッションを掲載

　2011年8月4日，セガのPS3用ソフト「初音ミク -Project DIVA- ドリーミーシアター 2nd」（以下「ドリーミーシアター 2nd」）が，PlayStation Storeで配信開始となった。ここでは，本作をプレイしたインプレッションをお伝えしていこう。


　本作は，PSP用ソフト「初音ミク -Project DIVA-」（以下，Project DIVA」）の楽曲をHD解像度で楽しめた前作「初音ミク -Project DIVA- ドリーミーシアター」（以下「ドリーミーシアター」）の続編にあたるタイトルだ。
　本作をプレイするにはPSP用ソフト「初音ミク -Project DIVA- 2nd」（以下，Project DIVA 2nd）とPSP本体が必要な“拡張ソフト”という前提は前作同様だが，3D立体視対応や接続認証の簡素化など，さまざまな部分がパワーアップしている。



　ゲームをプレイするには，最初に「Project DIVA 2nd」のシステムデータをPS3にコピーする必要がある。そのため，「ドリーミーシアター 2nd」で使用できる楽曲/モジュールは，「Project DIVA 2nd」でアンロックされたものに限定される。
　「ドリーミーシアター2nd」でのプレイ実績を「Project DIVA 2nd」に書き戻すことはできないため，「ドリーミーシアター 2nd」で使用できる楽曲やモジュールを増やしたいときは，PSPの「Project DIVA 2nd」でアンロックしたシステムデータを，PS3にその都度コピーする必要がある。
　また，「Project DIVA 2nd」のハイスコア/MAXコンボ/クリア回数/クリア情報の★印/パーフェクトクリア（王冠）は，「ドリーミーシアター 2nd」には反映されないのでご注意を。


　なお，「ドリーミーシアター 2nd」では，接続認証が大幅に簡素化された。前作では，ゲームをプレイするときに，その都度PSP本体とPS3を接続しておく必要があったが，「ドリーミーシアター 2nd」では，接続認証を行うのは，データコピー時のみ。初回起動時に一度接続してデータをPS3に保存すれば，以後はPS3単体で起動可能となっている。

　楽曲については，「Project DIVA 2nd」の楽曲だけでなく，前作「ドリーミーシアター」でプレイできた楽曲がすべて収録されている。さらに，「Project DIVA 2nd」の追加ダウンロードコンテンツとして配信されている楽曲やモジュール，エディット曲にも対応している（※「アイドルマスターSP」とのコラボDLCを除く）。
　ちなみに，「Project DIVA」の追加楽曲は「Project DIVA 2nd」でエディット曲としてコンバートが可能だ。つまり，「ドリーミーシアター1st」と「Project DIVA 2nd」の収録楽曲，「Project DIVA」と「Project DIVA 2nd」の追加楽曲，さらにはエディット曲がプレイできる本作は，シリーズで最大のボリュームと言っても過言ではないわけだ。


　少々前置きが長くなったが，リズムゲームを実際にプレイした印象をお伝えしよう。
　基本となる楽曲・流れるメロディアイコンの“リズムゲーム譜面”はPSP版と同様であるものの，解像度が段違いに高いため画面が見やすく，PS3のコントローラでプレイできるのでボタンもより押しやすくなった。そのため，同じ楽曲であってもプレイしやすさは「ドリーミーシアター2nd」のほうが上に感じられる。
　参考までに，使用する液晶ディスプレイによっては，ディスプレイ側の反応速度によって遅延が気になる可能性もあるが，「ドリーミーシアター2nd」では，オプションでボタンタイミングを細かく調整できるので，自分の感覚に合うように調節するといいだろう。
　また，選曲画面・モジュール選択画面では，L1/R1ボタンでカテゴリの切り替えが可能になっており，難度ごとのクリアマークや，各モジュールのサムネイルが表示されるなど，「ドリーミーシアター」や「Project DIVA 2nd」からの細かい改良点が確認できた。

選曲画面では難度ごとにクリアマークが表示されるため，未クリア/クリア済の判別が一目瞭然になった

選曲画面同様，モジュール選択画面でも画面右上にサムネイルが表示されており，モジュール選びもより分かりやすくなった

　せっかくHD解像度で快適にプレイできるということで，PSP版で苦戦……というか，クリアできていない「初音ミクの激唱（アーティスト：Storyteller）」（EXTREME）に挑戦してみた。「ドリーミーシアター2nd」でも最後までクリアできなかったのだが，PSP版よりは良いスコアを出せたので，そのうちクリアできる……かもしれない。うん，がんばろう。

3D立体視の奥行きと飛び出しの度合いについては，−3〜＋3の範囲で個々に設定できる。3D立体視を存分に楽しみたいなら，ともに＋3に設定するのがオススメだ

　「ドリーミーシアター2nd」で忘れてはいけないのが，3D立体視への対応だ。PV鑑賞機能限定で，リズムゲームのプレイには残念ながら対応していないが，筆者の場合，もともとリズムゲームのプレイ中はゲームプレイだけで手一杯なので，PV鑑賞機能のみの対応でも十分である。
　実際に，HD解像度によって大幅に向上している映像を3D立体視で観ると，臨場感が何倍にも跳ね上がる。ありふれた言い回しになってしまうが，初音ミクがカメラ目線で手を伸ばすカットなど，本当にテレビから飛び出してくるような迫力を味わえるのだ。
　たとえば，「こっち向いて Baby（アーティスト：ryo）」や「ハジメテノオト（アーティスト：malo）」といった曲のように，画面内にオブジェクトが多く配置されたPVなら，3D立体視の効果をたっぷりと実感できるだろう。
　なお，本作では好きな楽曲/モジュールの組み合わせでプレイリストを作成し，PVの鑑賞を行える。自分にとってベストなプレイリストを3D立体視で鑑賞すれば，最高のひと時が味わえることだろう。3D立体視対応の液晶ディスプレイが必要になるが，ミク達が臨場感たっぷりに踊るPVは一見の価値ありだと断言していい。

　「初音ミク -Project DIVA- ドリーミーシアター2nd」では，リズムゲームを遊ぶときも，PVの鑑賞を楽しむときも，HD画質による魅力が存分に味わえるはずだ。「Project DIVA 2nd」とPS3を持っている人は，ぜひプレイしてほしい。

「初音ミク -Project DIVA- ドリーミーシアター 2nd」公式サイト