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[インタビュー]「マインクラフト/ザ・ムービー」公開迫る。監督曰く「人生詰んじゃっている4人が,ありえないハードルを乗り越えていく映画です」
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印刷2025/04/14 00:00

インタビュー

[インタビュー]「マインクラフト/ザ・ムービー」公開迫る。監督曰く「人生詰んじゃっている4人が,ありえないハードルを乗り越えていく映画です」

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 日本では2025年4月25日に全国公開となる映画「マインクラフト/ザ・ムービー」。待望の公開に先がけて,本作の監督であり,映画「ナポレオン・ダイナマイト」「ナチョ・リブレ 覆面の神様」などのオフビートな笑いのある作品で知られるジャレッド・ヘス監督,「マインクラフト」のシニアクリエイティブディレクターを務め,映画にはプロデューサーとして参加したMojangのトルフィ・フランス・オラフソン氏の合同取材が行われた。

 映画版のストーリーは,アメリカで暮らす人々が四角形でできた異世界「マイクラワールド」に迷い込むという,わりとスタンダードな設定だ。しかし,その顔ぶれはあまりスタンダードとは言えない(キャストは豪華だ)。
 30年前のゲームチャンピオン,だけど今は冴えないおじさんのギャレット(演:ジェイソン・モモア)。夢は発明家だが,学校では浮きがちな少年・ヘンリー(演:セバスチャン・ハンセン)。ヘンリーの姉で,若くして母親代わりでもあるナタリー(演:エマ・マイヤーズ)。不動産管理から移動動物園の園長まで,15もの副業をして暮らすドーン(演:ダニエル・ブルックス)。そんな4人が謎のキューブの力で「マイクラワールド」に転送され,スティーブ(演:ジャック・ブラック)の力を借りてサバイバルしていく。
 はたして,彼らはこの世界で何を見つけるのだろうか……。

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 現実世界では「ちょっと冴えない人たち」が,思いもよらない活躍を見せる「マインクラフト/ザ・ムービー」はどのように生み出され,どんな見どころがある映画なのか。制作陣に訊いてみた。

ロンドンプレミアより,ジャレッド・ヘス監督
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映画「マインクラフト/ザ・ムービー」公式サイト



──この映画は,何よりも「マインクラフト」ファンのために作られた映画だと感じました。ゲームについてのリサーチはどのように行ったのでしょうか。

ジャレッド・ヘス監督:
 私はもともと,子どもたちと一緒に「マインクラフト」を遊んでいて,家族の時間の中で親しんでいたんです。映画を制作するにあたっては,常にMojangと協業しながら,すべてのディテールやシーケンスはゲームのそれに沿っています。
 ゲームのルールが映画の中でも機能するようにしつつ,同時にファンやプレイヤーがこれまでに体験したことのないものを提供したかったのです。

トルフィ・F・オラフソン氏:
 (オファー時点で)監督はすでに知識が豊富でした。さらに我々,Mojangからもゲームプレイの動画を送るなどして協力しています。例えば「マイクラの世界では,別々の次元を行き来するのにどんな手段がふさわしいか」と相談されたら,「こんな手がいいのでは」と提案するわけです。
 監督と2人の脚本家は,我々の提案の中から最も面白いもの,映画に最適なものを選んでくれました。また,人気YouTuberのMumbo Jumbo氏がレッドストーンを使ったトラップ作りに多大な協力をしています。ただ残念なことに,彼が作ってくれたすべてを盛り込むことはできませんでしたが。

──すべての「マイクラ」ファンにとって,印象的な「最初の夜」の描き方も素晴らしかったです。

ジャレッド・ヘス監督:
 初めてゲームをプレイしたとき,この世界はとても幸せな場所のように見えます。でも,日が沈むとすべてが狂い始めます。恐ろしいクリーパーやゾンビがあふれる中で,どうやって生き延びればいいのか。
 この映画の「最初の夜」では,創意工夫をしながらサバイバルしていく「マインクラフト」の世界におけるルールを観客に伝えると同時に,転送された4人がいわゆる“キャラ立ち”することを狙っています。

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 創造的なヘンリーは,このピンチを世界について学ぶチャンスだと捉えました。そして避難するためのタワーを作ります。でもギャレットは襲われて叫びながら,ただただ逃げ回ります。強くてタフそうな男が突然,最も弱い存在になってしまうのです(笑)。
 最終的にはスティーブが来て彼らを救いますが,そのあいだ,ギャレットは隅っこで叫んでいるだけです。この最高に楽しいシークエンスは制作の初期に撮影されたもので,ストーリーボード(絵コンテ)作りにも2年半以上かけ,いくつもの案を出してじっくり練り込んでいきました。

──全体としてはゲームに寄せている一方で,キャラクターたちのゲーム離れした創造的な活躍が印象深い映画でもあります。とくにギャレットとスティーブの人間サンドイッチは最高にバカバカしく,同時に感動的でもありました! 

ジャレッド・ヘス監督:
 まさに,かなりこだわった場面であり,楽しくて,誰も見たこともないようなチェイス・シークエンスを作りたかったんです。ここも撮影の2年半前からストーリーボードを準備し,練りに練った部分です。
 構想としては,映画「ネバーエンディング・ストーリー」のバスティアン少年がファルコンに乗って空を飛ぶように,ジャック・ブラックがジェイソン・モモアに乗ったらクレイジーだろうと。そんなことを考えながら作り上げていきました。

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 ジェイソン・モモアもいろいろなアイデアを出してくれました。そして,ジャック・ブラックの演技も信じられないものでした。彼のことは史上最高のアスリートのトップ5だと思っています(笑)。
 プロレス技をかけている姿はとても面白く,今回の映画ではチキンジョッキー(ニワトリに乗った子どもソンビ)からジェイソン・モモアを救ったりと,以前の映画とは違う「変化球」のような場面を一緒に作れたと思います。本当に楽しかったし,僕自身も納得のいく仕上がりになりました。

トルフィ・F・オラフソン氏:
 ピグリンが魔法の薬を飲んで,地上に出てくるのはゲームから離れた部分だったのですが,「ガストで空を飛ぶ」アイデアは以前から温めていたものでした。アップデートに先がけて映画に入れてもらいましたが,ぜひゲームでもガストに乗ってみてください!

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──ゲームにはたくさんの要素が存在しますが,映画の制作ではどのように取捨選択したのでしょうか。

ジャレッド・ヘス監督:
 素晴らしい質問です。プロデューサー,監督である私,各クルーの部門トップ,プロダクションデザイナー,視覚効果スーパーバイザーなど,すべてのスタッフにお気に入りの要素があって,各々と相談して選んでいます。
 「マインクラフト」は無限の世界です。たくさんの木,さまざまな生き物やキャラクター,村人が存在します。そうしたやりとりの中で,最も重要な課題は「誰をヴィラン(悪者)にするか」でした。

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 もちろん,素直にエンダードラゴンでも悪くはなかったでしょう。ただ,それだと少しありきたりかもしれない。そこで着目したのが,ピグリンたちでした。かつて実在した,街道沿いの洞窟に住んで旅人を襲うバーバリアンのように不快な連中ですが,そこがいいんです(笑)。
 彼らは本当に楽しそうでもあります。マイクラワールドの脅威としてふさわしく,悪役に選びました。そのほかでも,なるべく「マイクラ」にしかないものを選ぶように心がけていました。

トルフィ・F・オラフソン氏:
 我々からは「できるだけ,プレイヤーがゲームの中で実現したいことを優先してほしい」と提案しました。例えば,森を駆け抜けてみたい,鉱山に入りたい,森の洋館を訪ねたい,そういったいろいろな願望です。
 また,ピグリンたちは悪者と言ってもいろいろなグラデーションがあります。最強最悪の魔女・マルゴシャをはじめ,傭兵のような者,本当はそんなに悪いヤツじゃないのに周りに従っている者,戦いからこっそり逃げようとしている者などもいて,根っからのワルではないようにしてもらいました。

 バトルシーンのアクションにも手加減は一切なく,見た目はCGですが,その動きはモーションアクターが担当しています。コーディネーターはジェイソン・モモアと一緒に仕事をしていたり,「ジョン・ウィック」シリーズに関わっていたりする人で,本当に驚くべき仕上がりになりました。

──映画のマイクラワールドは,独特の質感があって新鮮でした。ゲームに近いものもあれば,ゲームとは異なるものも出てきますね。

ジャレッド・ヘス監督:
 私が重視していたことは,すべてのものがブロック構造で,スクエアかつキューブの状態を維持することです。そのために膨大な時間をかけ,さまざまなコンセプトアートを準備し,「マインクラフト」の16bitな見た目を映画に落とし込んでいます。
 ちなみに,初期のクリーパーのスケッチには甲羅があり,亀のようで……とても不気味でした(笑)。そこからクリーパーのことをもう一度調べて,「マインクラフト」らしい表現に寄せていったのです。

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 ゲームに登場するキャラクターの腕はとても硬く(関節がなく曲がらない),体にくっついてさえいません。ゾンビも「どんな風に肉が付いているんだ?」と考えさせられるものでした。
 それでも,ゲームを象徴するものをなるべく残したいと考えました。スティーブのターコイズブルーのシャツ,ブルーのパンツ,スクエアなヘッド……。それらの解釈は無数にあって,そのものに寄せても正解であり,有機的に活き活きしたものにしても正解だと思います。もちろん,最終的な仕上がりには満足していますよ。
 いろいろな人がYouTubeなどで「マインクラフト」を映像化していますが,僕らの映画も1つのバージョンにしかすぎないので,原題を「A Minecraft Movie」としています。

トルフィ・F・オラフソン氏:
 例えば,この映画を知らない人が見たときにも,「ああ,マイクラの映画だね」と分かることが大切だと思うんです。現実の風景をブロックにするのではなく,「ブロックの世界をいかに映画にするのか」という考え方で取り組んでいただきました。
 物語はスタンダードな冒険ものですが,だからと言って「ロード・オブ・ザ・リング」に似てしまうのも良くない……(笑)。ちなみに,アートディレクターは映画「ロード・オブ・ザ・リング」3部作に参加していたグラント・メイジャーさんです。一緒に仕事ができて,夢のようでした。

──監督の作品は,冴えない人物が思わぬことで圧倒的に輝く瞬間を描いたものが多いです。そうした人を描くにあたって,心がけていることはありますか。

ジャレッド・ヘス監督:
 僕はどういうわけか,「忘れられし人々」に惹かれるんですね。彼らが旅路を経て,何かを得る映画に,1人の映画ファンとしても充実感を得られます。
 人生がイマイチ,詰んじゃっているような4人がチームワークによって,ありえないハードルを乗り越えていく。そんなストーリーを作りたかったんです。言わば,「The Fellowship of the Ring」(「指輪物語」の第一部「旅の仲間たち」の原題)ならぬ「The Fellowship of the Nerds」というわけです(笑)。

──まさにですね! 本日はありがとうございました。

映画「マインクラフト/ザ・ムービー」公式サイト


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