iPhone版や，その他の名作タイトルの移植も検討中!?　サウンドノベルファンはAndroid端末版「かまいたちの夜」を買うしかない

　「こちら」の記事でも紹介したように，チュンソフトはKDDIが運営するAndroid au one Marketにて，同社初のAndroid搭載スマートフォン用アプリ「かまいたちの夜」のミステリー編を，11月1日より配信している。価格は1ダウンロード350円（税込）だが，11月30日まではキャンペーン価格の100円（税込）で購入可能だ。

　「かまいたちの夜」は，チュンソフトの「弟切草」に続くサウンドノベルの第2弾として，1994年に発売されたスーパーファミコン用ソフトだ。さまざまなプラットフォームに移植され，累計約120万本のセールスを記録した，ミステリーアドベンチャーゲームの金字塔ともいえるタイトルである。


　主人公の透と，大学の同級生である真理が，休みを利用して叔父の経営するペンション「シュプール」に訪れたところから本作のストーリーは始まる。「こんや，12じ，だれかがしぬ」という不気味なメッセージと，それに関連しているとしか思えない第一の悲劇。そして，その後も止まらぬ連続殺人……。ペンションという密室に閉じ込められた13人の登場人物はどうなるのか。そして犯人は誰なのか。そんなミステリーの王道ともいえる展開と，インパクトのある効果的な音楽で，プレイヤーを物語の世界にグイグイと引っ張っていく本作は，発売当時，ゲームファンだけではなく，ミステリー好きの大人にも高い評価を受けた。


　Android端末向け「かまいたちの夜」では，端末のキーによる操作に加え，タッチパネル操作にも対応している。筆者も実際にプレイしてみたのだが，やはり，タッチパネルとサウンドノベルは相性がよく，物語をスムースに進めることができた。また，当初は心配していた選択肢の決定も，行間スペースがやや広めに調整されているため，押し間違いをすることもなかった。

　熱心なファンなら画面写真を見ただけで分かるかもしれないが，VGA画質（Windows版基準）のグラフィックスは，スーパーファミコン版，ゲームボーイアドバンス版，モバイル版などと比べるまでもなくクオリティが高く，過去に本作をプレイした人にも新たな驚きを与えてくれるだろう。
　また，モバイル版に実装されていた「人物紹介」機能も搭載されており，初めて本作をプレイする人でも，すんなりと物語に入り込めるはずだ。

懐かしのスーパーファミコン版パッケージ

　個人的な話で恐縮だが，筆者はスーパーファミコン版からプレイし，すでに「やり尽くした」と自負しているほどの「かまいたちの夜」ファンなのだが，そんな筆者でもAndroid版は，かなり新鮮な感覚でプレイできた。「428〜封鎖された渋谷で〜」で初めてサウンドノベルをプレイしたという若い世代も，この機会にぜひ「かまいたちの夜」をプレイしてもらいたい。サウンドノベル初期の名作として，今なお根強い人気を誇る「かまいたちの夜」の魅力が分かってもらえるはずだ。

　「かまいたちの夜」をプレイするにはうってつけと言えるこの季節。IS01およびIS03を所持している人は，ぜひキャンペーン期間中にミステリー編を購入してみよう。

ついに「鎌井編」の配信もスタート！

　なお，メインシナリオであるミステリー編以外にも，追加シナリオである「スパイ編」「悪霊編」「A Novel」「探偵編」「迷宮編」「喜劇編」（それぞれ税込み230円）が11月19日より配信されており，11月26日には，弟切草が登場する（？）「鎌井編」，雪山で道に迷うプレイヤーが続出した「迷路編」，ピンクのしおりにならないとプレイできない幻のシナリオ「暗号編」（それぞれ税込み115円）の配信もスタートした。

「暗号編」（左）と「迷路編」（右）も好評配信中だ

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　サウンドノベルファンが気になるのは，Android端末版「かまいたちの夜」が，ほかの機種やプラットフォームでもプレイできるようになるのかというところだろう。当初はシャープのIS01にしか対応していなかったが，チュンソフトによると，ほかのAndroid端末やiPhone（！）の対応についても，順次検討するとのこと。11月26日にはIS03でミステリー編が遊べるようになっているので，その他の機種やプラットフォームに関しても期待が持てそうだ。

　さらにチュンソフトは，「かまいたちの夜」の評判がよければ，その他の有名なサウンドノベルに関しても，移植を検討したいとコメントしていた。サウンドノベルに関してはトップクラスの実績を誇るチュンソフトの，Android端末/iPhoneでの展開からは，しばらく目が離せそうにない。