ProArt StudioBook One
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米国時間2019年9月4日,NVIDIAとASUSTeK Computer(以下,ASUS)は,
Quadro RTXシリーズのGPU「
Quadro RTX 6000」を搭載するASUS製の新型クリエイター向けノートPC「
ProArt StudioBook One」が,NVIDIAが推進するクリエイター向けPCプログラム「
RTX Studio」認定済みPCに加わったと発表した。
ProArt StudioBook Oneは,デスクトップPC型のワークステーションと,ノートPC型のワークステーションの性能面におけるギャップを縮めるべくNVIDIAが開発したノートPCのリファレンスデザイン「
NVIDIA “ACE” Reference Design Program」(以下,ACEデザイン)をベースとした世界最速のノートPC型ワークステーションであるという。
ゲーマーに向けた製品ではないのだが,発表内容について簡単に紹介していこう。
Quadro RTX 6000
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ProArt StudioBook Oneは,Quadro RTX 6000を採用するACE Reference Design ProgramベースのPCである
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NVIDIAによると,Quadro RTX 6000を搭載するデスクトップ型ワークステーションと,Quadro RTX 5000を搭載する現行のノート型ワークステーションには大きな性能差があり,そのギャップを縮めるのがACEデザインの目標であるという。
デスクトップ型ワークステーションとノート型ワークステーションの性能ギャップを縮めるのがACEデザインの目標だ
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ProArt StudioBook Oneの主なスペック
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そんなACEデザインのPCは,以下に示す要素を含む。
- 24GBのグラフィックスメモリを有するTuring世代のGPU(Quadro RTX 6000)
- 300W級の消費電力を想定したシステムを冷却でき,厚さ25mmの筐体に内蔵可能なサイズのチタン合金製ベイパーチャンバー付きクーラー
- NVIDIA製GPUとCPU側の統合型グラフィックス機能を自動で切り替える「Enhanced Optimus Technology」への対応
- 出力300Wで高効率,一般的なものと比べてサイズが半分程度のACアダプター
- 4K解像度で垂直リフレッシュレート120Hz以上,Adobe RGBカバー率100%,米Pantoneによる色認証プログラム「Pantone Validated」をパスしたディスプレイパネル
ACEデザインを構成する要素。チタン合金製ベイパーチャンバーを使い,厚さ25mmの筐体の内蔵できる冷却システムにより,手が触れる部分の温度を抑える
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単体GPUと統合型グラフィックス機能を切り替える「Optimus Technology」の改良版「Enhanced Optimus Technology」に対応するGPUと,出力300WでスリムなACアダプターもACEデザインに必要な要素だ
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NVIDIAは,ProArt StudioBook OneとQuadro RTX 6000搭載のハイエンドデスクトップPC型ワークステーションで,コンテンツ制作用アプリケーションやAI処理を用いるツールにおける性能を比較した情報を公開し,ノートPCでも同等の性能を実現できるとアピールしている。
NVIDIAによるProArt StudioBook OneとQuadro RTX 6000搭載デスクトップPC型ワークステーションの性能比較グラフ。ほぼ同等の性能を実現できているというアピールである
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なお,今回の発表は,9月6日からドイツ・ベルリンで行われる大規模家電見本市「IFA 2019」に合わせて行われたもので,NVIDIAによるとRTX Studio認定システムの数は39種類に増えたとのこと。IFA 2019ではASUS以外にも,AcerやHP,MSIからRTX Studio認定済みPCが発表となる予定だ。
今回,RTX Studio認定システムに加わった新PCは,ノートPCが6機種,デスクトップPCが6機種の計12機種もある
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