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セカイカメラ 新ビジョン発表会レポート:“セカイ初”のオンラインRPG「セカイユウシャ」のプレゼンも実施
「セカイカメラ」は,iPhone/iPadやAndoroidなどの携帯端末を中心に提供されている,拡張現実(AR)を利用したサービス。携帯端末のカメラ機能を介し,リアル世界の位置情報とリンクされた「エアタグ」をやり取りするというものだ。
2009年9月のリリース直後から大ヒットを飛ばし,2010年3月には,「一般消費者にARという概念を認知させた」という功績が高く評価され,「デジタル・コンテンツ・オブ・ジ・イヤー'09/第15回AMDアワード」において,大賞/総務大臣賞を受賞している(関連記事)。
先日発表された,アンビションの“拡張現実RPG”「セカイユウシャ」についてのプレゼンテーションも行われた,本発表会のレポートをお伝えしよう。
発表会は,頓智ドット CEOの井口尊仁氏のプレゼンテーションから始まった。
井口氏は,セカイカメラのコンセプトを前進させて,キャッチコピーをこれまでの「Tagging the World」から「BEYOND REALITY」に変えると宣言。
続けて,セカイカメラ最新版v2.4.xのアップデートで大きく使い勝手が向上した要素について,説明を行った。
一つめは,位置情報の修正に対応したこと。従来はあえて入れていなかった機能だが,場所によってはどうしてもエアタグを入れられないことがあるため,投稿時に限って,エアタグの位置情報をGoogle Mapを使って微調整できるとのことだ。
二つめは,セカイカメラを持っているユーザー同士のコミュニケーションに関わる機能の改善で,従来はセカイカメラを起動しないと分からなかった新しい情報が,立ち上げなくても告知されるようにした,というものだ。
さらに,ユーザーインタフェースも見直され,ポップアップメニューが分かりやすくなったり,フィルタリングの改善が行われている。
今後は,クラウド側に保存する,エアタグにタップできる,コメントを返せる,その人のプロフィールを見られるといった,ダイナミックな展開ができるよう構想しているそうだ。
これは,セカイカメラと連動したソーシャルゲームといえるもので,例として挙げられたのが,ソーシャルボミング「ばくはつカブーン!」。これは,セカイカメラを使っているユーザー達が,現実世界のいろいろな場所に“ボム”を置いたり,またそれを除去したりしてスコアを競い合うものである。プロトタイプながら,すでに2万個以上の“ボム”がARの世界中に設置されているそうだ。
井口氏は,セカイアプリを“現実の向こうにある新しいエンターテインメント体験”である「BEYOND REALITY」を形にした,新しいアプリケーションのプラットフォームであると表現。
井口氏は,ゲームに限らず,これまでのデジタルのエンターテインメントは画面の上で展開されるものだったが,セカイカメラのAR体験で,現実空間で“自然に・透明に”遊ぶ,そういう体験性を開拓していくべく,日々頑張っていると述べた。
そのセカイアプリのコンセプトは,「SoLAR」であると井口氏は述べる。SoLARとは(Social+Location+AR)の略で,ARを利用して,人と人が出会ってつながるという特性を持ったアプリケーションとのこと。純然たるゲーム以外にも,いろいろな展開の可能性があるのではないかと,井口氏は付け加えた。
また井口氏は,「ばくはつカブーン!」に続くアプリとして,世界中を花で埋め尽くす「Flower Generation」,Twitterと連動してハトと遊ぶ「COO KOO」などが控えていると話した。
奥村氏は,「セカイユウシャ」は外で遊ぶゲームで,セカイカメラ初のオンラインRPGで,ARとRPGが融合したARRPG……では長いので,“ARPG”であると説明。
どんなゲームかというと,現実の空間に現れるモンスターを,多くの勇者(=プレイヤー)達が協力して倒すというもの。モンスターをタップして戦闘を行ったり,日本各地に配置されている宝箱を探したりといったことができる。ボスキャラとして魔王も存在するほか,ある場所にしか現れないレアな敵,隠された宝,さまざまな謎などが用意される模様だ。
また,全国各地を訪れると,地域ごとに“メダル”がもらえ,全国制覇するといいことが起こる(かもしれない)そうだ。
セカイユウシャは,リアルとのつながりを追求したゲームになるとのことで,ゲームを登録した場所(都道府県)がプレイヤーキャラクターの出身地になるのをはじめ,活躍に応じて出身地ごとの“MVP勇者”が選出される。
また,全国505か所に“勇者が集まる酒場”が存在し,一緒に冒険する仲間を集められるという。
そのほか,Twitterクライアントとの連動で,「セカイユウシャ」からTwitterを見ると,「セカイユウシャ」(かつTwitterアカウントを持っている)プレイヤーは「勇者○○」と表示名で判別できるようになっている。Twitterを使っての仲間集めもできるわけだ。
さらに今後は,エアタグでプレイヤー自身のショップを開設できる露店機能,地域限定のものを含むクエストの配信,転職機能,友人同士のメッセージ機能,GoogleMapと連携した特殊エリアの設置といった要素の実装を予定しているそうだ。
なお,プレゼンテーション後の質疑応答で奥村氏が述べていたが,本作はアイテム課金やタイアップなどの広告収入を収入源として考えているとのことだ。
また,発表会の終了後に奥村氏に聞いたところ,本作のαテストを8月の早い時期に実施できるように準備をしているそうだ。
「セカイユウシャ」のプレゼンテーションのあとには,井口氏が今後の展開についての抱負を語った。
井口氏は,セカイアプリのプラットフォームでは,ゲームの最新アップデートの提供,ゲームを遊びたい仲間を探してのコミュニケーションといった機能を強化して,SoLARを拡張していく,また,APiの拡充をさらに進め,サードパーティに参画してもらうと話していた。
そのほか,現在はアプリケーションをメニューから選んでアクセスするという手順をどうしても踏まなければならないが,エアタグやソーシャルグラフの告知からゲーム体験に誘導するといった,導線に取り組んでいきたいと,井口氏は話した。
頓智ドット公式サイト
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