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印刷2010/08/31 10:30

プレイレポート

シリーズ初の音声実況を搭載。「Winning Post 7 2010」のPC版を早速遊んでみた

画像集#002のサムネイル/シリーズ初の音声実況を搭載。「Winning Post 7 2010」のPC版を早速遊んでみた
 ウイニングポストシリーズ最新作「Winning Post 7 2010」(以下,WP7 2010)のPC版が,8月27日に発売された(PlayStation 3版PSP版は,9月22日発売予定)。
 Winning Post 7 2010は,タイトルから分かるように「Winning Post 7」(以下,WP7)の最新バージョンだ。基本システムはWP7を踏襲しつつも,音声実況を搭載したり,2010年のデータに対応したりといった新要素が多数盛り込まれている。なお,過去のWP7シリーズや「Winning Post World」PC/PS3/PS2/Wii)シリーズとのデータ連動機能があり,キャラクターやイベントが追加された状態で本作をプレイできるのだ。
 また発売後にもダウンロードコンテンツの配信が2回予定されており,秘書が1人と衣装が追加され,季節の変化に合わせた衣替えができるようになる。本稿では,そんな本作の概要を紹介しつつ,インプレッションをお伝えしていこう。なお,ゲームの基本システムに関しては,以前掲載したWP7のレビューと「Winning Post 7 MAXIMUM2008」のレビューが詳しいので,そちらを参照してほしい。

「Winning Post 7 2010」公式サイト


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音声実況の追加で迫力が増したレースシーン


画像集#004のサムネイル/シリーズ初の音声実況を搭載。「Winning Post 7 2010」のPC版を早速遊んでみた
馬主の冠名を音声設定から選ぶと,冠名にも音声がつく
 WP7 2010はシリーズ初の音声実況に対応しており,矢野吉彦アナウンサーの実況でレース観戦が楽しめる。これまでのレースシーンは流れるテキストを読むだけだったが,音声実況がついたことにより,テレビ中継を見ているかのような興奮が得られるようになったのだ。

 プレイヤーが所有する馬への音声割り当ては,2歳時の馬名をつけるタイミングで設定できる。ただし,すべての名前に音声が付けられるのではなく,馬名として前半と後半それぞれに用意されている音声を組み合わせることで,実況されるようになる。
 例えば前半を「フォー」,後半を「ゲーム」に設定すればで「フォーゲーム」と呼ばれるが,「ゲーマー」という単語は用意されていないため,「フォーゲーマー」という名前にした場合は,馬番などでしか呼んでもらえない。

画像集#005のサムネイル/シリーズ初の音声実況を搭載。「Winning Post 7 2010」のPC版を早速遊んでみた
実況で呼ばれる名前を馬番に設定しておくと,ほかの馬との違いが分かりにくいと感じるかもしれない

 実況される名前は1度決めたらずっとそのままということはなく,レースの準備画面で変更可能だ。プレイヤーの所有馬以外だと,実在する馬であれば音声が入り,架空馬は音声が入る馬と,入らない馬がいる。個人的には名前を呼んでもらいたかったので,選択できる音声に合わせて名前を付けるようにしていたが,このへんの好みは人それぞれだろう。ちなみに,騎手名やユアホース/私の馬などと呼んでもらうこともできるが,さすがにこれは違和感を感じた。

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レースシーンでは実況されている馬の上にスピーカーのマークがつく。また馬の上にマウスカーソルを置くと馬名や騎手名が表示される。右クリックでのレース早送りも便利だ


多種多様なプレイスタイルに合わせてタイプやモードを選択


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ゲーム初期は,明るく元気な安田と落ち着いた雰囲気の如月のどちらかを秘書として選べる。季節に応じて変わる服装が密かな楽しみ
 WP7 2010では,実在馬が登場する1984年と,架空馬のみで構成された2011年の2つから選んでゲームを開始する。1984年で開始すると,プレイヤーは「ノーマル」「大牧場」「大馬主」という3タイプからスタート時の状況を選択することになる。それぞれの特徴は下記のとおり。自分の楽しみたいプレイスタイルを選択しよう。なお,2011年開始はノーマルタイプに固定されている。

・「ノーマルタイプ」〜すべて自分自身で開拓したい人向け
 初期所持金は3億円(2011年開始シナリオは5億円)。プレイ内容に制限はなく,すべてのプレイが楽しめる。

・「大牧場タイプ」〜自分が生産した馬で,実在馬に挑戦したい人向け
 初期所持金は100億円。施設の充実した牧場を所有している。実在の幼駒(1歳以下の馬)は所有できず,実在の繁殖牝馬はセールでの購入のみ可能。また,日本の牧場にいる繁殖牝馬に,海外の種牡馬を種付けできる。

・「大馬主タイプ」〜実在馬を多く所有したい人向け
 初期所持金は100億円。牧場の開設ができないため,競走馬の生産ができない。開始時から実在馬を購入可能となる「お守り」を金50/銀10/銅10/赤10個ずつ所有しており,実在馬を自分の所有馬とするプレイを,楽しみやすい。ただし2009年末でゲーム終了となる。

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強力な馬を購入するのに必要なお守りは,5個溜めると上位のお守りと交換可能だ

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ゲーム開始時点で死亡/種牡馬を引退していた牡馬を,スペシャル種牡馬として登場させられる
 各タイプは「Winning Post 7」「Winning Post 7 パワーアップキット」「Winning Post 7 MAX2008」「Winning Post 7 2010」のストーリーデータから牧場施設や所持金などを引き継いでプレイできる。また,1984年開始時は,実在馬の誕生年や引退が競馬史通りになるモードAか,ある程度ランダムで変化するモードBの選択が可能で,難度は4段階に分かれている。

 WP7 2010は競馬史を追体験しながら馬主として奮闘する以外にも,海外進出を目指したり,人脈を広げて理想の環境を整えていったりするのも面白い。
 また,実在馬を史実とは別のレースに出場させたり,その血統を繋げていったりするという競馬史の書き換えもできる。例えば近年屈指の強さを誇った牝馬「ウオッカ」を,引退後に“日本”で繁殖牝馬にしたり,宝塚記念の競走中止で途絶えた「ライスシャワー」の血統を繋いでいったりするといった遊び方もできるわけだ。


何年も引き継がれているゲームシステムは完成度の高さの証


 WP7 2010は,シリーズで培われたノウハウが凝縮されており,システムが充実している。これまでに挙げたほかにも,実在馬や騎手の能力を変化させたり,海外で活躍した実在馬を金のお守りで購入可能な「海外馬カード」を使用して育成したりと,遊びの幅はかなり広い。また,サイレンススズカやツインターボ,メジロパーマーなどの大逃げ馬同士による夢の対決を実現させるといった楽しみ方もできる。

 さらに1984年から開始すると,競馬史に名を残す名馬の重要シーンのムービーが流れ,説明が表示される場合もあるなど,ファンには嬉しいイベントが満載。これを発生させるには史実どおりにGIを制覇する以外にもさまざまな条件があるようだ。本作には30個以上のイベントが追加されているので,すべて見るのはなかなか大変。ストーリーデータを引き継ぎながら集めていくという方法もいいだろう。

画像集#010のサムネイル/シリーズ初の音声実況を搭載。「Winning Post 7 2010」のPC版を早速遊んでみた
基本画面上には競走馬などの簡易データを貼り付けることもできる。所有馬ならずとも注目している競走馬一覧をチェックできて便利

 ウイニングポストシリーズは,WP7が発売されてから6年近くの月日が流れているが,基本システムはそのままに,データを刷新+要素追加が繰り返されている。これは決して悪いことではなく,WP7のシステムがシリーズの集大成という形になっており,ほぼ完成を見ていると考えていいだろう。懐の深い作品なので,もうすぐ始まる秋のGI戦線を前に競馬熱を抑えきれない人,今から競馬を知りたいという人,それぞれの人に合った楽しみ方が見つかるはずだ。

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血統についての詳しい知識のない人でも,総合評価や牧場長の診断を参考にしながら生産を手軽に楽しめる
画像集#012のサムネイル/シリーズ初の音声実況を搭載。「Winning Post 7 2010」のPC版を早速遊んでみた
2010年までは,年頭に実際の競馬における出来事を示す「PLAYBACK HISTORY」が見られる。国内だけでなく国外の動向もチェックできるのだ
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オート進行だと人脈が育たないうえに,ムービーも見られないという制限がある。しかし,生産などをメインにサクサクとプレイしたい場合には重宝する

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