「ブレイズ・ユニオン」発売記念イベントにはメデューテ役の田中理恵さんも出演。イベントレポート＆出演者ショートインタビューを掲載

　アトラスから2010年5月27日に発売されたPSP用ソフト，「ブレイズ・ユニオン」の発売記念イベントが，AKIHABARA ゲーマーズ本店にあるイベントスペースで5月28日に開催された。
　本作は，スティングが企画・開発し，ゲームボーイアドバンス/PSPで発売された「ユグドラ・ユニオン」の世界観とゲームシステムを受け継いだ，完全新作のタクティカル・ファンタジーRPGだ。

※初出時の日付が間違っていたため修正しました。


　「ブレイズ・ユニオン」は，「ユグドラ・ユニオン」で登場した“新生ブロンキア帝国”の前身となるブロンキア帝国の時代を舞台にした作品。主人公ガーロットとその仲間達が，腐敗した帝国や世の中の理不尽さに立ち向かい，傷つきながらも未来をつかみ取ろうとする姿を描いている。
　また，ターン制のシミュレーションをベースにしながらも，ユニットの移動や攻撃力を司る“タクティクスカード”，複数のユニットが連携して戦う“ユニオンシステム”といった，独創的なゲームシステムが特徴だ。

ガーロット（声：鳥海浩輔） 本編の主人公。ブレイズ義賊団（後の私兵団グラムブレイズ）のリーダー。帝国の圧制により虐げられる民を守るために、強い力が欲しいと思っている。

シスキア（声：堀江由衣） ブレイズ義賊団のメンバーでガーロットの幼馴染。ガーロットの少年時代を知る数少ない人物で、幼少の彼に『義賊団ごっこ』を持ちかけた張本人。

メデューテ（声：田中理恵） 放蕩の旅人から仲間になった女性。巨大な戦斧を軽々と扱う戦士。ガーロットの、あまりにも力に頼った無謀さを指摘し、私兵団結成のきっかけを作る。

ジェノン（声：川田紳司） ブレイズ義賊団のメンバーでガーロットの幼なじみ。剣の腕も確かだが、主に参謀としてガーロットをさまざまな面でサポートする。

ソルティエ（声：加藤将之） 現ブロンキア帝国皇帝にして、魔竜ブロンガとの契約者。帝国の国政を省みずに軍拡を繰り返し、武力による領土拡大を目論んでいる。

ラピス（声：茅原実里） ブロンキア帝国の皇帝親衛隊隊長。無口で感情を表に出さないが、ソルティエに忠誠を誓った女性。

　イベントには，プロデューサーの安井 光氏，スティング広報の冨田佳寿氏，キャラクターデザインを手がけたイラストレーターの光崎瑠衣さん，そして本作でメデューテ役を演じた，声優の田中理恵さんが出演。「ブレイズ・ユニオン」にまつわるトークに花を咲かせた。本稿では，イベントの様子をお伝えしていこう。

「ブレイズ・ユニオン」公式サイト

　最初に，安井氏と冨田氏がステージに上がり，「こんなにも大勢の方の前で『ブレイズ・ユニオン』を発表できたことを嬉しく思います」（安井氏），「今日はお集まりいただきありがとうございます。楽しんでいってください」（冨田氏）と，それぞれが挨拶した。

プロデューサーの安井 光氏

広報の冨田佳寿氏

　続いて両氏は，本作の独特な戦闘システムや魅力的なキャラクターなど，「ブレイズ・ユニオン」の魅力を語った。その中で冨田氏は，「ブレイズ・ユニオン」は「ユグドラ・ユニオン」より過去の話を描いているため，「ユグドラ・ユニオン」をプレイしていなくても，すんなりストーリーに入り込める，と自信たっぷりにアピールしていた。

光崎瑠衣さん

田中理恵さん

　ここで，光崎さんと田中さんが登場し，トークセッションが行われた。
　安井氏はキャラクターデザインを光崎さんに依頼した理由について，「デザインが艶やかで，女の子キャラクターは可愛いくて男の子キャラクターはカッコイイ。今作のテーマにマッチしている思いました」と，その理由を述べた。それを受け光崎さんは，「まさかお声がかかるとは思ってなかったので，驚きました」と恐縮気味に返していた。
　光崎さんは，自身が手がけたキャラクターについて，ファンからの賛否両論を懸念したものの，新しいキャラを生み出すために，あえて「ユグドラ・ユニオン」とは異なるタッチのキャラクターデザインに挑戦したと話していた。
　田中さん演じるメデューテについては，“姉御的な強さ”と“スタイルのセクシーさ”の両方を出せるよう，意識してデザインしたそうだ。
　またイラストについて光崎さんは，「色々なキャラクターを描いたので，時間的に大変だった」と振り返りつつ，「自分が描いたキャラクターの声を聞いたり，ゲームのシナリオを読んだりしているうちになんだか不思議な感覚になりました。がんばった甲斐があったと思います」とコメントしていた。

　安井氏からは，担当声優を決める際のエピソードも明らかにされた。
　本作は“ダブルヒロイン”というコンセプトがあったため，当初からシスキア役の堀江由衣さんと，メデューテ役の田中さんの配役は決めていたとのこと。
　また，田中さんは安井氏が過去に手がけた「エクシズ・フォルス」にも出演している。安井氏はその時から，田中さんに「かっこいい女性といえば田中さん」との印象を持っており，それも配役決定の理由の一つに挙げていた。

　田中さんによると，アフレコが行われたのは暑い時期だったものの，スタジオ内にエアコンがないという，厳しい環境での収録だったとのこと。そこでスタッフが扇風機と大きな氷を用意して，冷たい風を田中さんに当てていたと，アフレコ時の裏話を話してくれた。
　また，本作ではバトル中のかけ声や魔法攻撃の詠唱ボイスが数多く収録されているのだが，田中さんは，これらのボイスがどこで使われているのか分からないまま収録に臨んだそうだ。あとでバトルで使われることを知り，「熱血に演じておけばよかった？」と，苦笑混じりに後悔していたことを話していた。


　トークセッションのあとは，会場に集まったファンを交えたジャンケン大会が行われた。勝者には，出演した声優陣の寄せ書きサインや「ユグドラ・ユニオン」の特製ポスターなどがプレゼントされた。


　最後に，イベント出演者達のショートインタビューを掲載して，本稿の締めとしよう。

――イベントの感想をお願いします。

安井氏：
　今日は皆さんに集まっていただけて嬉しかったです。「ブレイズ・ユニオン」は足かけ3年で作ってきたタイトルです。非常に戦略性があるタイトルに仕上がっているので，皆さんぜひよろしくお願いします。

田中さん：
　メデューテは，本当に熱く演じさせていただきました。イベントでは，皆さんに笑顔をいただけたのですごく嬉しかったです。

光崎さん：
　「ブレイズ・ユニオン」は，私がフリーになってから初めて携わった大きなタイトルです。参加させていただいて非常に感謝しています。皆さん，ぜひともよろしくお願いします。

冨田氏：
　メデューテに「体が熱い」という台詞があったり，また，イラストを見てもらえれば分かると思いますが，本作は“炎”イメージになっています。炎に込められている主人公達の思いを感じ取ってほしいですね。

――メデューテのイメージを聞かせてください。

田中さん：
　メデューテはほかのキャラクターよりも戦闘経験があるので，どこか姉御肌なキャラなんですよね。
　序盤はどんどん前線に出ていってほしいキャラでもあります。あと，キャラクター達が1頭身とか2頭身くらいの小っちゃいデフォルメキャラになるときがあるんですけど，その時にメデューテだけツンってしているんですよ。そこは大きなポイントですね（笑）。

――田中さんが一番気に入ってるセリフはなんですか？

田中さん：
　温泉イベントでお色気シーンがあるんですけど，そこでのセリフがなかなかいい感じなので，プレイヤーさんは楽しんでいただけるんじゃないでしょうか。期待していてください（笑）。

――光崎さんは，田中さんが演じたメデューテの声を聞いた印象はいかがでしたか？

光崎さん：
　メデューテはもちろん，どのキャラもイメージどおりでしたね。私も「ブレイズ・ユニオン」をプレイしてるんですけど，シナリオに声がつくと感情移入がこうも違うのかと，しみじみ感じました。

――ありがとうございました。