インタビュー
開発と運営へのインタビューから「ナイトエイジ」の今後が見えてきた。いまだ未実装の陣形システムとそれに関わる新コンテンツに期待
未知のベールに包まれていた「陣形」システムの詳細を聞く
現在は未実装である陣形システムについて詳しくお聞きしたいと思います。
Hur Joe-Sung氏:
企画段階では,馬に乗ってランスを携えた騎士団が広大な大地を駆けるイメージがありました。個人レベルでの騎乗戦闘自体はほかのMMORPGでも行えることですが,それを集団で行えるのがナイトエイジの陣形システムです。現在開発を急いでおりますので,もうすぐプレイヤーの皆様にお見せできると思います。将来的にはこの陣形システムを使った攻城戦や騎士団同士の大規模戦闘といったものも考えています。
4Gamer:
もう少し具体的にどういったシステムなのか教えてください。陣形を発動するための「型」があって,その型通りに味方が並ぶことで陣形が成立するのでしょうか。
Hur Joe-Sung氏:
そうですね。攻撃型や防御型,移動が早くなる機動型といった陣形があり,それぞれ陣形を発動するための型が決まっています。それに合致するように味方が並ぶとBuffの恩恵を得られる仕組みです。基本的にリーダーの動きに合わせてほかのメンバーが自動的に動くようなものを考えていますが,もう少し自由度を高くできるように,また操作にストレスを感じないようスムーズに動けるように調整を行っています。
藤山拓也氏:
陣形発動時の移動のスムーズさは課題の一つでして,大きなテコ入れが必要となってしまって時間が掛かっています。現状ではまだ皆さんにお届けする段階ではないかなとも思います。また,先ほどインスタンスダンジョンの難度が高いと話しましたが,この陣形はダンジョン内でも使えますので,陣形のBuff効果や今後追加されるコンテンツやシステムなどを勘案してバランスが取られています。これらを加味しますと,ゲームの完成度が上がれば必然的に難度が下がるのではないかと考えています。
4Gamer:
操作性の向上が課題ということですが,具体的にどのような作業を行っているのですか。
Hur Joe-Sung氏:
陣形の発動は自動で行えるのですが,陣形発動後どうすれば陣形が解除されるのか,また陣形の型を維持するにはどうするのか,といったところを詰めている段階です。陣形で得られるBuffの発生条件と解除条件を,簡易的で分かりやすくしたいとの考えです。
4Gamer:
リーダーの指示で自動で陣形が組まれ,陣形の前列は直接攻撃をし,後列からは弓や魔法などの遠隔攻撃を行うといったイメージでしょうか。
リーダーの指示で陣形が組まれますが,リーダー以外のメンバーにとっては,射程の問題もあり不便になってしまいますよね。一時的に陣形を離れて敵と戦い,また陣形の所定位置に戻るといった仕組みも考えています。
4Gamer:
チームワークがよいほど強さが際立つような仕組みになるといいですね。ちなみに,プレイヤーが陣形システムを試せるのはいつ頃になるでしょうか。
Hur Joe-Sung氏:
開発自体はほぼ完了していて,操作性の問題さえクリアできればすぐにでも実装は可能です。目安ですが,7月頃に試作段階のものをプレイヤーの皆様に試していただき,本実装は8月頃でしょうか。同時に乗り物限定のスキルや育成要素も見せたいですね。
4Gamer:
陣形システムを使った攻城戦なども考えているとのことでしたが,大規模戦闘まで想定して陣形システムを調整しているのでしょうか。
そうです。インスタンスダンジョンと大規模戦闘で使われることを前提として開発しています。大規模戦闘では,サッカーやバスケットボールのフォーメーションの確認などで活用される戦術板のように,作戦を練って戦えるような仕組みを考えています。前方に防御力に優れた陣形を配置し,両翼から機動力のある陣が攻め上がる……といった作戦を立案し,それを確認しながら戦えるわけです。
4Gamer:
フィールド上に陣形を組んだパーティを複数配置し,戦術を持ってそれらの陣形が各個に動いて戦うわけですね。それはすごく楽しそうですね。
Hur Joe-Sung氏:
陣形は,攻撃/防御/バランス/遠距離/機動というった5種類の型があるので,それらをどのように配置するのか,またどのように動くのかといったところで,戦術性の高い戦闘が楽しめると思います。
4Gamer:
騎士団同士の戦闘は,お互いに走りあいながら同条件で戦うことになると思うのですが,攻城戦はどのような戦いになるのでしょう。
Hur Joe-Sung氏:
城を攻める側と守る側があって,両軍が死力を尽くして戦うのは従来のMMORPGと同様です。ただ,ナイトエイジならではの味付けとして,NPCを戦闘に参加させることができます。突撃兵や傭兵といった装備が異なるNPCがいて,陣形と共にそられも活用して戦うのが特徴ですね。
攻城戦というと,装備が整った高レベル向けというイメージがあるのではないでしょうか。しかし,ナイトエイジでは低レベルのプレイヤーでも参加できるようなシステムを考えています。NPCを活用するのもそうですし,戦闘に必要な物資を集めるといったこともできるよう開発を進めています。
4Gamer:
直接戦闘をするのではなく,いわゆる裏方のような仕事もあるわけですね。
Hur Joe-Sung氏:
低レベルから参加でき,さらに楽しめる大規模戦闘が目標です。ちなみに現在は30人対30人を想定して開発していますが,通信性の問題などが改善されれば,もっと参加人数を増やしたいと考えています。
4Gamer:
現在はキャラクターとプパの育成,そしてインスタンスダンジョンの攻略が主ですが,いずれは大規模戦闘もメインコンテンツになりえそうですね。
Hur Joe-Sung氏:
まずはキャラクターとプパの育成から入ってもらい,陣形,騎士団同士の戦闘というように段階を追って楽しんでもらいたいですね。
藤山拓也氏:
現状あるシステムもこらから改良していきますので,そちらのほうも期待してください。まだ企画段階ですが,インスタンスダンジョンの新しい仕掛けですとか,プパの合成やコレクションシステムなども考えています。
新規コンテンツの内容と今後の展開
4Gamer:
これまでのところ,プレイヤーからの意見や要望はどのようなものが多いですか。
藤山拓也氏:
バランス面の意見が多いでしょうか。とくに「レベルが上がりにくい」という声が多かったですね。こちらは第2次オープンβテスト開始時に経験値テーブルを見直し,「レベルが上がりやすくなった」との声も聞かれるようになりました。あとはW/A/S/Dキーでの操作やTABキーによる敵のターゲット方式についての意見も多く,それらも対応させていただきました。また,先日GMがゲーム内でイベントを行いまして,そこで生の声を聞きますと,新しい乗り物に対する期待度の高さを感じました。こちらの意見も,早速開発へ伝えました。
Hur Joe-Sung氏:
前向きに検討します。
藤山拓也氏:
プレイヤーの声は,こうしてすぐに開発へと伝えていきます。日本先行ということもあり,意見は通りやすい環境ですので,今後とも意見や要望はどんどんお送りいただけるとありがたいです。
4Gamer:
乗り物は種類によって,見た目以外にも異なる部分があるのでしょうか。
藤山拓也氏:
先日は速度の違う複数のロバを実装したところです。また,まだ企画段階ですが,複数人が乗れる乗り物もシステムとして入れていこうと考えています。単純に種類を増やすだけでなく,楽しみが増えるような方向で開発と協議していきたいですね。
Hur Joe-Sung氏:
乗り物によって所持スキルが異なっているので,選択する楽しみもあると思います。
4Gamer:
PvPを想定されているシステムで速度の違いは致命的な気もするのですが,その辺りはいかがお考えでしょうか。
Hur Joe-Sung氏:
ロバと馬が同じ速度というのもどうかと思います(笑)。乗り物を育成していくと速度も上昇しますので,育成を頑張ってもらってPvPに備えていただければと思います。
4Gamer:
速度も成長するんですね。陣形を組むときに速度が異なるとどうなるのかも気になります。
Hur Joe-Sung氏:
陣形中は,基本的にはリーダーが基準になります。
4Gamer:
それはありがたいですね。ロバのプレイヤーはお断りとか言われずにパーティに参加できそうです(笑)。
それでは,プパに関しても詳しくお聞きします。先ほど合成もできるようになるというお話がありましたが。
プパは近接/遠距離/魔法といったタイプがあり,それぞれ成長率が異なっていて差別化されています。合成を行いますと,外見も性能も違うプパが生まれる仕組みです。まだデザインしている段階ではありますが,同属性のプパ同士の組み合わせで合成を行えるようになっています。今後はさまざまな組み合わせで,色々な種類のプパを誕生させられるようにしたいですね。
4Gamer:
先ほどお聞きしたコレクションシステムを併せて考えると,やり応えのある要素になりそうですね。
Hur Joe-Sung氏:
日本をターゲットにしたかわいいイメージのビジュアルと操作性,シナリオに関わるクエストとインスタンスダンジョン,これらはナイトエイジのウリであり,また開発時に苦労した部分でもあります。今後もプレイヤーの皆様の意見を参考にしながら,開発を進めていきたいですね。
4Gamer:
バランスという観点でみると,スキルのバランスも難しそうですね。プレイヤーからの意見も多かったとお聞きしました。
藤山拓也氏:
これは今後に追加される要素との兼ね合いもありますので,必然的にバランシングは難しくなってきますが,プレイヤーの声を耳を傾け,調整すべき点は継続して改善していきます。
4Gamer:
スキル振りの問題もありますから,プレイヤーとしては意見したくなる部分ですよね。
藤山拓也氏:
スキルバランスが調整されたこともあり,実は第2次オープンβテスト開始時点でスキルリセットをさせていただきました。もちろん今後も何らかの対応を考えていきます。
第1次オープンβテストはかなり長期間にわたって行っていましたが,アクティブプレイヤー数の推移も気になります。真面目にテストを行うというのは分かるのですが,プレイヤーがその間に飽きてしまうこともありますし。
藤山拓也氏:
第1次オープンβテスト開始直後の障害が発生した時点で,アクティブ数は少し低下してしまいました。そのときは開発に注力していたので,フォローできない部分もあったのですが,第2次オープンβテストの開始と同時にプロモーションにも力を入れまして,多くのプレイヤーに戻ってきていただきました。その後も毎日イベントを行うなどで,ゲーム内はお祭りのような活気ある状態になっていました。アクティブ数もそれに応じて増えてきていますが,これで満足せず,さまざまな仕掛けでプレイヤーの皆様を楽しませていきたいと思います。
4Gamer:
運営としては,このナイトエイジというタイトルをどういった形でアピールしていきますか?
藤山拓也氏:
ナイトエイジは日本先行サービスということもあり,コンテンツの量は不足していると思います。しかし,だからこそ今後の可能性のあるタイトルだとも思っています。「期待度の高いMMORPG」として推していきたいですね。今までお話ししたように,多くのコンテンツが実装される予定ですので,プレイヤーの皆様には上質の楽しさを提供できるはずです。
4Gamer:
最後に,ナイトエイジを楽しんでいるプレイヤーの皆様に向けてメッセージをお願いします。
Hur Joe-Sung氏:
ナイトエイジは,最初から日本にターゲットを合わせて制作してきたタイトルで,現在も日本のプレイヤーの皆様に合わせて,本当に楽しんでいただけるよう日々開発を行っています。プレイヤーの皆様からの「面白い」という言葉が聞ければ,今まで開発に費やしてきた3年という月日も報われると思います。そのためにも,今まで以上に努力していきますのでナイトエイジをどうぞよろしくお願い致します。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
日本向けカスタマイズを運営力に定評のあるアエリアが担当し,実績のある開発のGnisoftがプレイヤーの声に柔軟に対応する。そうした両社の協力体制から生まれる「安定感」は,長くプレイしても楽しめる要因の1つだろう。ほかにも不思議な魅力の要因となる部分があると思うのだが,上手く言葉で伝えられそうにない。そういった魅力を持っていることは事実なので,ぜひ実際にプレイして,感じてもらえると幸いだ。
制作側も運営側も,今年は拡充の年と位置付けているようで,今回のインタビューで聞いた追加要素は今年中にはすべて実装されるらしい。また,今回は聞き出せなかった,まったく新しいシステムも企画しているということで,「可能性のあるMMORPG」であることは間違いなさそうだ。その可能性に応えられるか否か,今後のナイトエイジの動向に注目していきたい。
「ナイトエイジ」公式サイト
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