1月26日,
「CAPCOM Title Premiere for Xbox 360」 が,東京・表参道ヒルズ イベントスペース SPACE Oにて開催された。このイベントは,2010年に発売される予定のカプコンのXbox 360向けタイトルに関するプレス向けの発表会で,会場では「
ロスト プラネット 2 」「
DEAD RISING 2 」「
スーパーストリートファイターIV 」,そして「
モンスターハンター フロンティア オンライン 」(以下,MHF)の4本が,それぞれのプロデューサーによって紹介された。なお,各タイトルについて本発表会で明らかにされたニュースは,以下に別途記事を掲載しているので,併せてご覧あれ。
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最初に登壇したのは,マイクロソフト 執行役 常務 ホーム&エンターテイメント事業本部長
泉水 敬氏 と,カプコン 代表取締役社長 COO
辻本春弘氏 。泉水氏は,これから行われるカプコンからの発表は,今後のXbox 360にとって非常に重要な内容になるだろうと述べ,辻本氏とガッチリ握手を交わした。
写真左が辻本春弘氏,写真右が泉水 敬氏
辻本氏は,カプコンがこれまで「ワンコンテンツマルチユース」「グローバル展開」を戦略目標としてきたことをあらためて説明し,2010年はさらに「オンラインネットワーク」を追加して事業の推進を図っていくと宣言した。
具体的には,カプコンのゲームを購入した人が,1日でも長く楽しめるよう,ダウンロードコンテンツやネットワークサービスを強化していくとのことで,会場で紹介するタイトルには,いずれもそうした機能が生かされていると説明した。また,すでに確立しているマイクロソフトのXbox LIVEの機能を利用することで,より便利かつ魅力的な遊びを提供できるだろうと展望を述べた。
プレイヤー4人にNPCも加わって
協力プレイでさらなる幅が生まれる「ロスト プラネット 2」
カプコン 編成室 部長
竹内 潤氏 は,ロスト プラネット 2の開発状況を「お待たせしているが,いよいよ完成が近づいてきました」と,簡潔に説明。トレーラーの上映後,今回デモを行う新ステージ「EPISODE 5」は,これまで紹介したものと少々雰囲気が異なると紹介した。
※ムービーファイルへのリンク
竹内 潤氏
大黒健二氏
Episode 5は砂漠を舞台にしており,スピーダーバイクのようなマシンに乗った雪族が,巨大移動要塞をのっとるという内容。4人のプレイヤー以外にも,数多くのNPCが味方として参戦する。会場では,ディレクターを務める
大黒健二氏 が,開発スタッフ3人とともに4人でのオンライン協力プレイを披露。大黒氏ら4人の役割は,移動要塞に乗り込み,多くの味方を内部に進入させるため,ギミックを解除して倉庫の扉を開くというもの。
竹内氏は,シールドなどを駆使した連携で,お互いをフォローしながらプレイしないとクリアは難しいと説明した。また,会場では「宝箱」や「火炎放射器」,「Good Jobシステム」といった新要素が存在することも明らかとなった。
また竹内氏は,Xbox LIVEの連動要素として,Webサービス「Command Colony」を紹介。これはクランをベースにしたコミュニティサービスで,ゲームにログインしなくとも,メッセージのやりとりやクラン情報のチェックをできるようにするもの。まずは2月上旬から,「ロスト プラネット コロニーズ」のランキング情報が公開される予定だ。
そのほか,すでにお伝えしたとおり,ロスト プラネット 2の日本での発売日が5月20日であることや,Xbox 360版限定コラボ「Gears of War × LOST PLANET 2」の情報が,竹内氏によって公開された。
「DEAD RISING 2」は“コンボ武器”をデモプレイ
あたりにあるものを組み合わることで攻撃方法は幅広く
稲船敬二氏
「DEAD RISING 2」のプレゼンを行ったのは,カプコン 常務執行役員 開発統括兼オンライン事業統括
稲船敬二氏 。稲船氏は,本作の魅力について,既存のホラー系ゲームのように「ゾンビに襲われるから受身的に攻撃する」のではなく,「積極的にゾンビを見つけてやっつけるところが面白い」と述べる。
今回,紹介された「コンボ武器」は,発見した「コンボカード」のレシピに沿ってアイテムを組み合わせ,武器を作り出していくというもの。これについては「そのへんにあるものを,ガムテープでくっつけて新しい武器にする」という,実に北米らしいノリとセンスに基づいたものであると説明した。
デモプレイでは,チェーンソーとカヌーのパドルを組み合わせた「パドルソー」や,水鉄砲とガソリンタンクを使った「火炎放射器」,オーソドックス(?)だが効果の高い「釘バット」,芝刈機と角材を組み合わせてゾンビを頭から粉砕してしまう「PORTA-MOWER」などが披露された。
武器はいずれも“殴り心地”や使い心地にはこだわっているとのこと。デモプレイは北米版のため,画面上にはゾンビの血飛沫が乱れ飛んでいた。稲船氏は,日本で発売できるか心配だと冗談めいて話しつつ,日本でも可能な限り仕様を変更することなくリリースしたいと展望を述べる。
また,本作はカナダのゲームデベロッパBlue Castle Gamesとカプコンが共同開発しているのだが,スタッフとのやりとりは難しいものの,最近では通訳を通さずともお互いの考えていることが分かり合えるようになったと,稲船氏は述べる。加えて,言葉は通じなくとも,お互いに分かりあっていれば十分に深いゲーム作りは可能だと述べ,稲船氏及びカプコンは,今後もこうしたグローバル戦略を推し進めていきたいと,強い意気込みを見せた。
続いて会場では,稲船氏の第一回監督作品になる長編映画
「屍病汚染 DEAD RISING」 が制作中であると発表された。この映画は,Webなどで2010年に日本公開予定であり,Xbox LIVEでの先行配信が決定している。
※ムービーファイルへのリンク
“A級”以外のホラー映画が大好きという稲船氏は,以前からB級テイストの映画を撮ってみたかったそうで,「映画とゲームそれぞれの面白さの違いを理解できた」「映画を楽しんだあとで,ゲームをプレイしたいと思えるような内容にしたい」と所感を述べた。撮影はすべて終わっているとのことで,今後のDEAD RISING 2の開発進捗には影響がなさそうだ。なお,稲船氏は,ロスト プラネット 2の発売日からそう遠くないうちにDEAD RISING 2を発売したいとコメントした。
「スーパーストリートファイターIV」は
四つの新モードでストレスのないプレイを実現
「スーパーストリートファイターIV」のプレゼンを行ったのは,カプコン オンライン 開発部 部長
小野義徳氏 。まずは本作のプロモーションムービーが上映された。
※ムービーファイルへのリンク
小野義徳氏
会場では,これまでに公開されている31人以外にも,追加キャラクターが登場することが発表されたが,詳細は発売に合わせて随時発表していくのでもう少し待ってほしいとのこと。
また本作には,四つの新モードが登場するとのことで,プロモーションムービーで紹介された「ボーナスステージ」以外の三つについて,具体的な内容が紹介された。
まず「リプレイチャンネル」は,世界中で繰り広げられるバトルの動画が,Xbox 360本体にカテゴリ別に自動的に記録/保存され,プレイヤーがそれらを任意に再生できるというもの。この機能はXbox LIVEに接続している間なら,ほかのゲームをプレイしていても利用可能だ。
「エンドレスバトル」は,対戦で勝ち残ったプレイヤーに次々とほかのプレイヤーが挑んでいくという組み手形式のバトルモードだ。小野氏の説明によれば,かつてアーケード版で100円玉を積み上げて皆でプレイしていた感覚をそのままに,プレイしやすいよう少しカジュアルに落とし込んでいるという。
「チームバトル」は,格闘ゲームのチーム戦が世界的に広く行われるようになったことを踏まえたもので,最大4対4のオートマッチングを行うというもの。いわばチーム戦版の“アーケード待ち受け”である。プレイヤー各自は事前にチームを組んでおかなくとも,予約を入れておくことで,自動的に見知らぬプレイヤーと組んでチーム戦を楽しめる。無論,チーム戦のメンバーが揃うまでは,各自CPU戦をプレイしながら待機することができる。会場ではデモプレイを通じて実際のオートマッチングの流れが紹介された。
そのほか会場では,既報のとおり,Xbox 360版の特典として完全オリジナルアニメーションを制作中であることや,パッケージの価格(通常版:4990円,コレクターズ・パッケージ:5990円),日本での発売日が4月28日であることなどが発表された。会場で上映された,オリジナルアニメのダイジェスト版のプロモーションムービーを以下に掲載しておこう。
※ムービーファイルへのリンク
「モンスターハンター フロンティア オンライン」は
Xbox LIVE上で最良のオンラインサービスを実現
稲船氏と小野氏によって,最後に紹介されたのがXbox 360版のMHFだ。これは発表会の冒頭で辻本氏が述べたとおり,今後,カプコンがオンラインに注力していく姿勢の端的な現れであるとのこと。というのもMHFは,オンライン要素のみでオフラインではプレイできないゲームだからである。
稲船氏は「すべてのゲームプラットフォームにモンスターハンターを」という意気込みを見せる一方で,オンラインゲームを運営することについての大変さについて言及した。それを受けて小野氏はこれまでのPC版MHFの運営を振り返り,「二年半かけて,よちよち歩きから,やっと少し立てるようになった」と感想を述べた。Xbox 360版MHFに関しては,開発に着手したばかりということで,先程お伝えした以上の情報はないのだが,小野氏はマイクロソフトの協力により,Xbox LIVEのインフラを使った最良のサービスにできると確信したとコメントしていた。
※ムービーファイルへのリンク
最後に再び登場した泉水氏は,各タイトルに関していずれもXbox 360を代表するフランチャイズとなるだろうと述べ,とくにMHFに関してはコンシューマ機のモンスターハンターでは初めて高解像度表示に対応していることに触れ,個人的にも期待を寄せていると発言。また,会場で発表されたXbox 360ならではの展開が,ひいてはXbox 360本体の普及を牽引するであろうことに期待を寄せているとまとめ,発表会を締めくくった。