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海外ゲーム四天王 / 第19回:「Mini Ninjas」
ミミミンジャ……いて,舌噛んだ! という,ちょっと言いにくいタイトルのアクションゲームが,「Mini Ninjas」だが,どうも最近,歳のせいか滑舌が悪いのよね。
カートゥーンタッチの可愛いキャラクターが活躍する三人称視点のアクションゲームだが,これを制作したのがヒットマンシリーズでおなじみのIO Interactiveというところがポイントだ。ということは,首すじにバーコードの描かれた禿頭の忍者が,任務遂行のために冷酷に人を殺していく……わけではなくて,いたってファミリー向けな仕上がり。意外である。
そんなMini Ninjasを,“家族の中では最も忍者が好きなんです”と主張されても,どう判断していいのかさっぱり分からないUHAUHA氏が紹介する。忍法,今日は都合で早退しますの術を使ってプレイしたそうだ。
カートゥーンタッチの愛くるしい忍者が登場するアクションゲーム「Mini Ninjas」。ヒットマンシリーズや「ケイン&リンチ: デッドメン」など,一癖も二癖もありそうなオジサン達がデカダンスなムードの中で血まみれで殺し合うゲームを,ずっとリリースしてきたデンマークのデベロッパ,IO Interactiveが開発しているところがビックリポイントその1だ(その2はない)。というわけで,家族の中で一番くノ一忍者が好きな筆者としては,プレイしておかなければならないタイトルだったのである。
少年忍者“Hiro”が忍術(Kuji Magic)を操作して,仲間とともに人々(含動物)を苦しめる悪大名を懲らしめるという,時代劇やハリウッド映画にありがちな勧善懲悪ストーリーが展開される。物語は随所に挿入されるカットシーンで説明されるのだが,音声はもちろん英語……,とはいうものの,ややこしい話ではないので,黙って見ていれば分かるだろう。
ジャパンテイストを十分に混ぜ込んだ作りで,登場するキャラ達は忍術を発動するときだけ「変わり身の術!」とかなんとか日本語を流暢にしゃべる。もちろん日本にはパンダがいるし,お城の屋根には飲み屋のような赤い提灯がいくつもぶら下がっているしって,やっぱりちょっと変。そういえば「ヒットマン2 サイレントアサシン」に出てきた日本もそうとうすごかった。
ゲームはステージクリア形式。ストーリーの分岐はなくリニアな一本道でゲームが展開されていく。とはいえ行動できる範囲は広く,道からそれてさまざまな場所を探索し,アイテムや,なぜか100体いる地蔵を,これまたなぜか回収することなどもやれる。
次々に襲いかかってくるのは悪大名の魔術(忍術?)によって鎧武者にされてしまった動物達。ヤツらを倒すと経験値が入り,ゲージが溜まるとレベルアップする。弱攻撃と強攻撃の基本攻撃を中心に戦っていき,三段階までの連続攻撃が使える。また,草むらに隠れたり,壁走りで離れた地点に移動したり,三角飛びで絶壁を登ったり,綱渡りで移動したりと,忍者なので忍者らしいアクションも堪能できる。
鎧武者が放つ弓矢は,川を渡るときには舟としても使える笠(もちろん,忍者は笠をかぶるのだ)でガードできる。とはいえ,ガードよりも攻撃をかわしながら強烈な攻撃ができるジャンプのほうが使い勝手がいいので多用しがちだ。手裏剣だって投げられるよ。
だが,忍者といえばやはり忍術だ。最初はなんの忍術も使えないが,マップにあるAnemone(アネモネ)を拾って,Kuji Shrine(神宮)にお供えすると忍術の書かれた巻物が手に入るという仕組みだ。ステージごとに獲得できる忍術が決まっており,取りこぼしがないようにしたい。ちなみに,一度クリアしたステージは自分のレベル,所有アイテムなどが引き継がれた状態で再挑戦することができるので,取り忘れた巻物や地蔵などをあとから回収することができて嬉しい。というか,そのためのシステムだ。
キャラクターは最初はHiroのみが使用でき,ゲームが進むにつれて“Futo”“Suzume”“Shun”“Tora”“Kunoichi”の5人が仲間になる。怪力で強烈な攻撃を放つハゲ頭のFuto,弓矢で遠距離攻撃ができるShunなど,それぞれに使える忍術が特徴が異なっており,気分や状況次第で操作するキャラクターを簡単に切り替えられるのだ。とはいえ,オールマイティに使えるHiroを中心に,中ボスを倒すときにFuto,気分転換に弓矢を放てるShunを使うくらいで,個人的には切り替えの重要性はさほど感じられなかった
もっとも,それぞれのキャラクターごとに異なる「必殺技」(Power Attack)があり,複数のターゲットをロックオンして,一瞬で掃討するHiroの必殺技は強すぎるほど強烈。さすが忍者。これらの必殺技は“Power Attackクレジット”の分だけしか使えず,敵を倒すとタマに出現する“赤いタマ”を回収することでクレジットが貯まっていく仕掛けだ。
というわけで,全体的にカジュアルな作りで,お子様でも楽しめる味付けだ。Hiroがターゲットの背後にコッソリ忍び寄ってナイロンワイヤーで首を絞めたり,くノ一忍者がお色気作戦で情報を収集したりすることは絶対にないので,読者の皆さんも安心したり残念がったりしよう。忍者ファンには非常に取っつきやすいゲームだと思うので,興味のある人やIO Interactiveのファンは,まず4Gamerに掲載した体験版からプレイしてみるのがいいかもしれない。
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