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AMD,非売品のオーバークロッカー向けCPU「Phenom II X4 42 Black Edition TWKR」発表。国内限定7個で,ユーザーに入手のチャンスあり
これは,「Phenom II X4 955 Black Edition/3.2GHz」(以下,X4 955)となり得るCPUパッケージの中から,オーバークロック耐性の高さを基準に選別されたエンジニアリングサンプルで,非売品。「TWKR」は「Tweaker」の略で,オーバークロッカーのためだけに用意された,ごく少量の特別なCPUとなる。
実際,その数は「おそらく全世界で100個弱」(土居氏)。国内の割り当てはわずか7個で,事前テスト中に1個壊れたため,動作する個体は,今や6個しかないそうだ。
モデルナンバーの「42」は,それぞれ4コア,2GHzを示しており,ひとまずは2GHzで動作するようになっているとのこと。ただし公式には,動作クロック,HyperTransport Linkスペックともに決められてはおらず,オーバークロッカー側で自由に設定可能となっている。
特別なレギュレーションで少数のみ存在するX4 42 TWKRを,日本AMDは「CPUのF1」と位置づける |
X4 42 TWKRの概要を示したスライド。エンジニアリングサンプルなので,非売品,というわけだ |
要するに,X4 955を持ってさえいればOKなので,エントリーのハードルは決して高くない。X4 42 TWKRを触ってみたいという人は,一度,大会概要ページをチェックしてみるといいだろう。
→TWKR CoDEオーバークロック大会 大会概要告知ページ
なお発表会では,秋葉原のオーバークロッカー向けPCショップ,「OVERCLOCK WORKS」による動作デモも行われたので,その模様をお伝えしておきたい。
OVERCLOCK WORKSの渡辺光比呂氏は,「AMDのCPUは,冷やせば冷やすほどパフォーマンスを引き出せる」と述べたうえで,空冷だとX4 955と変わらない耐性しか示さないものの,液体窒素や液体ヘリウムを冷却剤として用いることで,X4 955を大きく超えるパフォーマンスを引き出せるとX4 42 TWKRを紹介。国内にある7個すべてを検証した結果として,「X4 955だと,4コアすべてが6GHzで動作するような個体は,10個以上試して1個か2個だが,X4 42 TWKRは,すべてが4コアとも6GHz動作した」と,その耐性の高さをアピールした。6GHzを実現するCPUコア電圧が,X4 955より0.1V程度低い点にも驚かされたという。
事前検証では,CPUコア電圧を1.73V与えた状態で,動作クロック6.6GHzを実現したそうで,液体ヘリウムを利用すれば,さらに高いクロックを狙えるようだ。
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Phenom II
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