JCG(ジャパンコンペティティブゲーミング)は2014年1月26日,東京テレビセンター 浜町スタジオにおいて,
「JCG グランドチャンピオンシップ2014」を開催した。
JCGは,気軽に対戦を楽しめる「オープンクラス」,強くなることを目標に参加する「マスターリーグ」,トッププレイヤーが国内最強を目指す「プレミアリーグ」からなるアマチュアゲームリーグで,年間4つのSeasonで争われている。今回行われたJCG グランドチャンピオンシップ2014では,「
League of Legends」「
StarCraft II: Heart of the Swarm」のプレミアリーグにおける各Seasonの優勝チーム/選手が一堂に会し,王者を決定するために熱い戦いを繰り広げた。
マイルストーンのコンペティティブゲーミング促進事業部 部長 兼 JCGディレクター であり,グランドチャンピオンシップの大会委員長を務める松本順一氏
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オープニングセレモニーでは,マイルストーンのコンペティティブゲーミング促進事業部 部長 兼 JCGディレクター であり,グランドチャンピオンシップの大会委員長の
松本順一氏が登壇。「JCGは2013年4月に設立され,同年5月から大会がスタートしました。参加者の皆様やファンの方々に愛していただけたからこそ,この素晴らしい場が用意できたと考えています」と挨拶し,決勝戦のスタートを宣言した。
熱い駆け引きが展開された「StarCraft II: Heart of the Swarm」決勝戦
「StarCraft II: Heart of the Swarm」部門の決勝戦に駒を進めたのは,2013年プレミアリーグのSeason1で優勝した
kurOa選手と,同Season4で2位だった
TMjpg選手だ。kurOa選手は,この決勝戦のあとに「League of Legends」へ転向することを表明しており,最後の試合は勝利で飾りたいところである。そんなkurOa選手はProtossを,TMjpg選手はZergを選択し,5試合3本先取形式による決勝戦がスタートした。
試合に先立ち,固い握手を交わしたTMjpg選手(左)とkurOa選手(右)
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攻撃的なプレイに定評のあるkurOa選手は,1本目の開始直後,TMjpg選手の陣地近くにPhoton Cannonを建てるキャノンラッシュ戦法で揺さぶりを掛けた。その後も守りが薄いところに攻め込み,TMjpg選手の防衛部隊をSentryのフォースフィールドで分断するというプレイで電撃的な勝利を決めた。
しかしTMjpg選手も黙ってやられているわけではない。ペースを乱されることなく,2本目は内政重視のプレイを展開し,凄まじい数のZerglingを繰り出してkurOa選手の軍勢を蹂躙した。この猛攻をしのぎつつ,Zerglingに強いColossusで逆襲をかけようとするkurOa選手だが,TMjpg選手はそれを予想していたようで,Colossus対策のUltraliskで勝利をもぎ取った。
ここまでは両者互角,どちらが勝ってもおかしくない状況だったが,ここからkurOa選手が波に乗る。3本目ではSentryのフォースフィールドで敵軍の進路をさえぎり,ヒットアンドアウェイを繰り返す巧みなプレイで勝利を収めた。続く4本目では,TMjpg選手の隙をついて敵基地のギリギリ近くにPylonとGatewayを建設し,そこからZealotを送り込む激しい攻撃を展開。さらにTMjpg選手の攻撃を迎撃したあと,用意していた大軍で攻め込み,フォースフィールドで敵軍を分断し徹底的に叩くという,攻守共に秀でたプレイで優勝を掴んだ。
「League of Legends」の決勝戦は,互いに譲らぬ大激闘
「League of Legends」の決勝戦では,Season1とSeason3で優勝した強豪
Veckと,Season4のベスト4である
Rascal Jesterが激突した。
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 2013年プレミアリーグのSeason4のベスト4であるRascal Jester |
決勝戦に挑む,Veckの面々
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「League of Legends」の戦いは,ヒーローの選択時点から始まっている。互いに,相手チームが得意とするヒーローをBan(禁止)する権利を持っているのだ。1試合目のチーム編成はVeck側がEzreal(bonzin選手),Renekton(Promes選手),Lulu(Riosilva選手),Kha'Zix(Astarore選手),Yasuo(alleycats選手)。Rascal JesterはLucian(RJ Rkp選手),Thresh(RJ Lillebelt選手),Lee Sin(RJ Rainbrain選手),Rengar(RJ cogcog選手),Orianna(RJ apaMEN選手)となった。
RJ Rkp選手がAstarore選手を倒したのを皮切りに,RJ Rainbrain選手がalleycats選手とbonzin選手を,RJ Rkp選手がRiosilva選手をそれぞれキルし,さらにはドラゴンも倒してRascal Jesterは上々の立ち上がり。その後もRJ apaMEN選手が着実にゴールドを稼ぎ,他のメンバーも頻繁にWardを配置するなど安定したプレイを展開し,1ラウンド目を取った。
Rascal Jesterのメンバー達
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2試合目のチーム編成は,Veck側はVayne(bonzin選手),Ranger(Promes選手),Thresh(Riosilva選手),Vi(Astarore選手),Fizz(alleycats選手)。Rascal JesterはSivir(RJ Rkp選手),Lulu(RJ Lillebelt選手),Lee Sin(RJ Rainbrain選手),Gragas(RJ apaMEN選手)に決定した。
一気に優勝を決めたいRascal Jesterと,これを食い止めたいVeck。開幕と同時に5人揃ってのインベードを試みるもバレてしまうというハプニングがあったが,VeckのAstarore選手がファーストブラッドを取り,続けてRJ Rkp選手とRJ Rainbrain選手を倒すなど大活躍を見せた。しかしRascal Jesterも負けてはいない。4人揃ってボトムレーンで反撃を仕掛け,キル数を五分に持ち込む。その後,試合はシーソーゲームの様相を呈し,両チームが戦力を集中して激突する総力戦が繰り返された。肉を切らせて骨を断つどころか,お互いに骨を断ち合うかのような凄まじい展開だったが,Rascal Jesterの勢いがわずかに勝り,Veck側本拠地での大乱戦を制し,見事に優勝を掴み取った。
決勝の2ラウンド目は両チーム互角の戦いに
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■試合結果
「StarCraft II: Heart of the Swarm」
優勝:kurOa選手
準優勝:TMjpg選手
3位:Vaisravana選手
4位:Grinkers選手
「League of Legends」
優勝:Rascal Jester
準優勝:Veck
3位:Ozone Rampage
4位:Detonation FM
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 「StarCraft II: Heart of the Swarm」部門の優勝者kurOa選手(左)と,李 光耀氏(右)。kurOa選手には,賞金10万円と,副賞としてRazerTaipanなどが贈られた |
 前列右からMCのコーリー氏,プレゼンターとして登壇したRazerの伊達玄四郎氏,「League of Legends」部門準優勝のVeckのメンバー。後列右から,「StarCraft II: Heart of the Swarm」実況のharuno氏,「League of Legends」実況のpapulico氏。Veckには,賞金20万円と,副賞としてRazer Goliathus small speedなどが贈られた |
 李 光耀氏(左)と,「League of Legends」部門優勝のRascal Jesterのメンバー。賞金50万円に加え,副賞としてRazer Naga 2014とBenQのディスプレイXL2420TEが贈られた |
大会の最後に松本氏は,「2013年5月から大会を行ってきましたが,皆さんのご協力や参加者のモチベーションなど,いろいろなモノを糧にここまでやり続けることができました。JCGはこれで終わるわけではありません。2014年は,期待に120%応えるリーグを展開したいです」と,今後への意欲を語り,大会を締めくくった。