MMORPG「
DEKARON 」,オンラインFPS「
サドンアタック 」の開発元である韓国
GameHi は9月23日,ソウル市内にあるJWマリオットホテルにて,
次期新作発表会 を実施し,新作4タイトルおよびパブリッシング2タイトルを発表した。
同ホテル内の広いイベントホールには,韓国の多数のメディアや業界関係者,さらに日本など海外からのメディアを含め,およそ300人あまりが参加。これだけの規模の発表会を行うGameHiの気概と,6タイトルを一気に発表するGameHiへの,韓国メディアの期待が感じられるものとなった。
バイオリン奏者による派手な演出で始まった発表会。まず最初にGameHi会長 キム・ゴンイル氏の挨拶が行われたあと,各タイトルのムービーを交えた紹介が行われた。
GameHi会長 キム・ゴンイル氏(左)
発表された新作タイトルは,ロボットによる戦いが繰り広げられるオンラインTPS「
METALRAGE 」(仮称),やや低年齢層をターゲットにした学習的な要素を持つオンライン横スクロールMMORPG
「プロジェクトL」 (仮),シナリオベースのミッションが特徴というオンラインTPSRPG
「プロジェクトE」 (仮),そして詳細がほとんど明かされなかったMMORPG
「プロジェクトA」 (仮)の4タイトル。
続いて,アトミック・スタジオ一作目の開発となるオンライン横スクロールアクションRPG
「プロジェクトD」 (仮)が公開されると同時に,本日の発表会にてGameHiがパブリッシング契約を結ぶ調印式が行われた。また同じく,Freechal(JCRソフト開発)のオンラインアクションRPG
「カルカス オンライン」 が発表され,GameHiとの韓国でのサービスおよび日本や北米,ヨーロッパ地域へのサービス契約が締結された。これにより,これまで開発会社として事業展開を行っていたGameHiは,パブリッシャとしても進んでいくことになる。
では今回,これら6タイトルの中から,GameHiが開発する4タイトルについての概要を紹介しよう。
METALRAGE(仮称)
2008年12月頃に韓国でクローズドβテストが予定されているオンラインTPSである本作は,2070年の世界を舞台に,三つの勢力が利権と支配力をめぐり,ロボット兵器による武力衝突を繰り広げているという背景を持ったタイトルだ。会場では,ほかのタイトルに比べ大きな喚声や拍手が送られるなど,期待の新作といった感じである。
プロジェクトマネージャ キム・テフン氏によると,METALRAGEはFPSに近いタイトルであり,三勢力が争っているという設定から想像できる,よくありがちなPvP主体のMMORPG……というわけではないようだ。戦いの中で得られる各プレイヤーのポイントによって陣地を奪い合うといったゲームルールになるらしく,30人規模の多人数でチームを組んでのプレイが可能(実際は7〜8人で組んでプレイするのが最適とのことだ)なほか,シングルプレイも用意されており,PC vs. CPUといった戦いも楽しめるという。
プレイヤーが選択できる機体は8種類用意されており,それぞれに特徴を持たせている。前衛で突撃していく重装タイプや,遠距離から狙撃する遠距離支援タイプ,シールドを展開して防御を固めたり地雷を設置できたりするエンジニアタイプ,修理を行える整備支援タイプなどがあり,つまり8種類のクラスが存在すると考えてよさそうだ。
なお,サービス形態はアイテム課金が予定されており,有料アイテムとして武器などを考えているとのこと。またお金で購入するものとは別の,ポイントをためて幻の機体(?)を入手できるといったものも考えているようだ。
METALRAGEはもともと日本での展開を視野に入れて制作されたタイトルとのことで,キム会長のコメントでも,現在日本でサービスに向けて準備が進められているカジュアルレースゲーム「
トランスピー 」の“次”として考えているとのことで,そう遠くはない時期になんらかの発表があるかもしれない。メカ好きの読者は注目しておこう。なお,メカ好きにはたまらない戦闘場面が繰り広げられるプロモーション&プレイムービーを4Gamerに掲載したので,そちらもご覧いただきたい。
※ムービーファイルへのリンク
※ムービーファイルへのリンク
プロジェクトL(仮)
2009年上半期に韓国でのクローズドβテストが予定されているオンライン横スクロールMMORPGで,日本でも放送を予定しているという3Dアニメーション「ヴィキ・アンド・ジョニー」のキャラクターが登場する冒険ストーリーものだ。有名な童話や“マチュピチュ”などの世界遺産が舞台になるとのこと。
プロジェクトマネージャーのカン・ドンジェ氏によると,本作は「メイプルストーリー」や「ラテール」のようなビジュアルを持っているが,ジャンプをしたときに綱を使って元の場所に戻ったりといった,アクション性を強めた内容になるという。移動用のアイテムであるスプリングで,敵を踏みつけて攻撃するといったこともできるようだ。
また,男女によって役割を分担したり共同作業を行ったりする「カップルシステム」や,「たばこは身体に良くない」といったことを注意する社会的機能が搭載されるという。このほか,リンゴが出たときに“Apple”という単語が表示され,そのあとにどこかで入力する機会があるので,“Apple”と入力すると何かアイテムが入手できたりといった,ゲーム内で反復学習ができるといった要素も含まれるらしい。
ゲームを楽しむことに重点を置いているのはもちろんだが,教育的な視点にも重点が置かれた本作。世間の目からはマイナスイメージばかりピックアップされがちな最近のオンラインゲーム事情だが,オンラインゲームで楽しみながら勉強や社会常識を身に付けられる。そんなタイトルになるのかもしれない。
なお,企画段階から海外進出を考慮して開発が進められており,ハングルはもちろん,日本語,英語,中国語などでプレイ可能になるとのこと。
プロジェクトE(仮)
2009年中にクローズドβテストが予定されている,TPSに成長要素を持たせたオンラインアクションRPGで,宇宙からのウイルスによってモンスターへと変貌した人間との,生き残りを賭けた戦いを描いたタイトルだ。このウイルスは人間だけではなく,動物や植物にも感染するという。公開されたムービーには巨大なモンスターとなった動物の姿が映し出されている。
「シナリオ・ミッション・プレイ」という,GameHiいわくオンラインFPS/TPSでは初の試みが成された最新タイトルだ。シナリオ,ストーリーが楽しめるFPS/TPSといえば,シングル用ゲームやコンシューマ機で発売される「Halo」「Gears of War」「ハーフライフ2」などが有名なわけだが,オンライン環境でもこういったストーリー重視のミッションが楽しめるようになるほか,キャラクター育成要素や,素材などアイテムの収集要素も用意されるとのこと。
集めた素材は,組み合わせて別の素材を作り出したり,新しい装備を作り出したりできるなど,カプコンの「モンスターハンター」シリーズを彷彿とさせる要素となっているようだ。また,プレイヤー同士が協力してモンスターと戦うだけではなく,対人戦も楽しめるとのこと。
内容はライトなものになるとのことで,本作のプロジェクトマネージャー キム・チョンヨン氏は,寝る前に5〜10分ほどPvPを楽しむといった形式のものだと話していた。
なおサービス形態はアイテム課金となる予定だが,どのような有料アイテムが販売されるのかは,まだ検討中とのことだ。
プロジェクトA(仮)
2009年中にクローズドβテストが予定されている,GameHiの「DEKARON」に続くMMORPGタイトルだ。ムービーでは,廃墟となった都市の高速道路にたたずむ,一人の武装した屈強な男の姿が映し出されるだけで,詳細な情報はまったく語られていない。近未来もしくは遠い未来を舞台としたMMORPGなのか,それともまったく違った世界の物語なのか,新情報を待ちたい。
以上の4タイトルが,現在GameHiで開発中のものだ。もちろん,これら以外にも開発中のタイトルはあるとのことだが,それらが発表されるのは,もう少し先になるだろう。これに加え,3D描画による迫力あるアクションがウリの「プロジェクトD」,プレイヤーが自らマップを作ってゲームに適用できるという「ワールド・メイキング・システム」を持つアクションRPG「カルカス オンライン」と,デベロッパとしてもパブリッシャとしてもこれから大きくなっていくであろうGameHi。当然,日本で同社の作品のサービスを行っていくゲームヤロウもまた大きくなっていくことだろう。今後のGameHiとゲームヤロウに動向に注視したい。まずは「METALRAGE」の続報に期待だ。