いよいよ日本語版が発売された「グランド・セフト・オートIV」のプロモーションムービー2本を掲載

　東欧のとある国からアメリカンドリームを求めてリバティーシティにやってきた男，ニコライ・ベリック。だが，そこに待っていたのは厳しい現実だった。金と暴力がすべてを支配するこの街を舞台に，頂点を目指すニコの孤独で過激な戦いが始まるのだった……。


　Rockstar Gamesが制作する人気シリーズの最新作，「グランド・セフト・オートIV」（原題，Grand Theft Auto IV。以下，GTA4）の待望の日本語版が2008年10月30日，ついにカプコンからリリースされた。対応機種はXbox 360とPLAYSTATION 3で，価格は8390円（税込）。レーティングはCERO Z（18歳以上のみ対象）となっている。

　欧米で2008年4月に発売されたGTA4だが，発売初日の売上本数が360万本，一週間で世界累計600万本，8月に行われたTake-Two Interactiveの発表では世界で1000万本以上売り上げたと，文字どおり桁違いの快進撃を続けている。日本市場抜きでこれ，ってのはすごいというか困るというかだが，約半年遅れながら今日から安心して日本語でプレイできるわけだ。
　またPCゲーマーにとっては，11月中旬に予定されているPC版の発売も楽しみであるはず。PC版では高解像度モードの使用が可能になるだけでなく，いくつかの追加機能が実装される予定になっており，MOD制作が盛んなシリーズだけに，手ぐすねを引いて待っているPCゲーマーが全世界にわんさかいるだろう。
　Rockstarの広報担当者の話によれば，「（PC版発売に）遅れはない」とのこと。

　というわけで，そんなGTA4のムービーを掲載してみよう。ムービーの内容は，カプコンの公式サイトで公開されていたものと同じだが，新しくなったリバティーシティや，一癖も二癖もありまくる登場人物，そしてたたみ込むようなアクションシーンがよく分かるはずだ。



　2001年に登場した「グランド・セフト・オート III」（原題，Grand Theft Auto III）でブレイクしたGTAシリーズは，2002年の「グランド・セフト・オート・バイスシティ」（原題，Grand Theft Auto: Vice City），2004年の「Grand Theft Auto: San Andreas」と順調にフランチャイズを拡大し，リリースされるごとに販売記録を塗り替えてきたが，いささかマンネリ化しつつあったのも事実。
　ナンバーを新しくし，従来作のメインプラットフォームであったプレイステーション2とは比べものにならない表現力を持つXbox 360とPLAYSTATION 3に対応機種をスイッチしたGTA4は，シリーズ過去作との関係を絶ち，新たなGTAとして制作されたのである。
　舞台となるのはGTA3と同じ名前の街だが，中身はまったく違う。広さは前作であるGTA:San Andreasとほぼ同じであるものの，より細かく描き込まれ，ディテール豊かになった。モデルとなったニューヨークの雰囲気を再現するため，タイムズスクエアやマンハッタンの高層ビル群など数多くのランドマークが作られ，その間を人々が歩き車が行き交う。ムービーを見てもらえばすぐに分かるが，それらのグラフィックスは従来作を遙かにしのぐのだ。



　また，ゲームシステムにも見直しがされている。シリーズが進むにつれて，あれもこれもと詰め込みすぎた「やりすぎ」感が出ていたのは間違いなく，例えば前作の主人公であるCarl“CJ”Johnsonは，ゲーム終盤になると空を飛ぶジェットパックを背負ったり，アメリカ空軍の垂直離着陸機を乗り回したりするようになる。
　まあ，それはそれで面白く，GTA:San Andreasは従来シリーズの最高傑作とも評価されているのだが，GTA4ではよりリアリティのあるゲーム性が追求されており，ストーリーとあまり関係のないサブミッションのいくつかがオミットされるなど，プレイヤーが「ニコ・ベリックの物語」により集中できるようになった。
　もっとも，パトカーなどを奪って警察の代わりに犯人逮捕をする“Vigilante”や，車を集めるミッション，そしてカーレースなど，お小遣い稼ぎのアクティビティは依然として用意されているので，かなり長時間，リバティーシティの暮らしを満喫できるだろう。

　詳しくはいずれまとめて紹介する予定だが，いずれにしろ世界中で大ヒットし，メディアの評価もやたらと高いGTA4がついに日本語で遊べるのは嬉しい話。このゲームがどうしてそんなに人気なのか，ぜひ自分の目で調べてみよう。