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[GDC2008#40]8000万人以上の登録者数を誇る「Habbo Hotel」。成功の秘密はKaizen(改善)の心
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印刷2008/02/23 23:13

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[GDC2008#40]8000万人以上の登録者数を誇る「Habbo Hotel」。成功の秘密はKaizen(改善)の心

リードデザイナーSulka Haro氏
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 「Second Life」に代表されるオンラインの仮想世界での生活を楽しむサービスに,SNS的な要素を加えたサービスを8年前から提供しているのが,フィンランドのSulakeが開発した「Habbo Hotel」だ。
 Habbo Hotelは日本も含め,世界31か国で運営されており,登録者数は8000万人という途方もない数を記録しており,今も伸び続けている。そんな巨大なサービスをいかに運営してきたのかが,本作を開発したSulakeのリードデザイナー,Sulka Haro氏の講演で明らかにされた。

さまざまな仮想の社会活動がHabbo Hotelで行なわれている
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 無料で遊べるHabbo Hotelは,登録するとアバターと部屋が与えられ,プレイヤーはそのアバターを使い,ほかのプレイヤーとコミュニケーションをとって楽しむ。アバターの衣装や家具などは有料で販売されており,プレイヤーはそれらを購入して,着飾ったり,部屋をデコレートしたりできる。今聞くとまったく珍しさはないが,本作は8年前にアイテム課金式のサービスを実践していたのである。
 ゲーム的な要素はないものの,プレイヤー達は単にチャットするだけではなく,さまざまな“ロールプレイ”を楽しんでいるという。例えばファーストフード店風の部屋を作り,そこで店員を演じてお客となるほかのプレイヤーを接客したり,病院を作り,そこで医者と患者を演じたり,といった具合だ。
 これは作り手側も想像していなかったという遊び方だが,まだ現実の世界で働いたことがない13歳〜16歳の子供達にとっては,働くという行為に楽しみを見出していると考えているようだ。日本でも,子供達がさまざまな社会体験を楽しめる「KidZania」が人気を集めていることを考えると,子供達の純粋な欲求なのかもしれない。

Habbo Hotelには現在19のホテルがあり,それぞれ国の特色が出ている
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 Habbo Hotelのスタートは8年前だが,サービスイン当初からわざとレトロ調のグラフィックスにしていたのだという。今見ても古めかしいグラフィックスだが,8年前もそうだったのである。これは長期間サービスすることを想定した戦略で,あえてレトロ感覚をウリにしたそうだ。また,この戦略のおかげで,ロースペックのPCで遊べるので,プレイ開始時のハードルを低くできるという効果も生まれたのである。

 13歳にもなってくると,親に隠れて何かをしたいという欲求が出てくるが,親の知らないところで友達を持てるという感覚がティーンを刺激しているのだという。また,ある程度歳を取ってくれば,それまで自分がやってきたことや,仕事内容などで自分自身の説明ができるようになるが,10代の頃は自分が何者であるのかをうまく表現できない。子供達はHabbo Hotelを利用した仮想の社会活動を通し,いわゆる自分探しをしており,その感覚が楽しいのだろうと,Haro氏は考えていた。

年に一度,かなり大規模なアンケートが実施される
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 楽しみ方は基本的にプレイヤー任せなのだが,Sulakeはプレイヤーに対しさまざまなアンケートを行い,その結果を常に反映してきたという(このステップをHaro氏はKaizen(改善)と呼んでいた)。また,基本的にはサービスを行なう国の言語にローカライズし,その国の文化や特色が出るように工夫しているのだ。
 ただ,70%のプレイヤーが海外へのなんらかの憧れを持っており,プレイヤー達はHabbo Hotel内で他国の人達との交流も楽しんでいるという。とはいえ,そうなってくると言語の問題が出てくるせいか,日本人プレイヤーの中には,日本の名前を持っている人以外は自分の部屋に入れないという,“バーチャル引きこもり”も誕生しているのだとか。

 プレイヤーの求めることに応えていくというのは,ものすごく当たり前のことだ。だが,これだけ会員数が伸び続けているということは,その対応が適切かつ迅速であり,プレイヤー達の期待を裏切ることが少ないのだろう。また基本的には,口コミで登録者数を増やしているということなので,サービスクオリティの高さが評価されているようだ。日本での知名度は決して高いとはいえないが,世界に認められているサービスクオリティを一度体験してみてはいかがだろうか。

「Habbo Hotel」日本語公式サイト

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