極私的コンシューマゲームセレクション：第27回「お姉チャンバラ vorteX 〜忌血を継ぐ者たち〜」

※このゲームは「CERO: Z 18才以上対象」です

　世の中には2種類の人間がいる。刀でバッサバッサ斬り屠っていくゲームをするとき，「呂布やガンダムや金城武がいい」と考える人と，「女の子がいい」と考える人である。できればビキニにウエスタンハットの女の子がいいなぁと考えるタイプの人も当然いるわけで，そういったニーズにお応えしてくれるゲームも当然ある。それがD3パブリッシャーの「お姉チャンバラ」シリーズである。

　D3パブリッシャーといえば，プレイステーション2のSIMPLEシリーズという低価格ソフトで有名な会社。このお姉チャンバラも，もともとはプレイステーション2のSIMPLE 2000の一つで，同社の看板タイトルといっていいほどの人気シリーズであった。
　2008年2月7日には，シリーズ最新作「お姉チャンバラ Revolution」（Wii）が発売されるわけだが，今回紹介するのはXbox 360版「お姉チャンバラ vorteX 〜忌血を継ぐ者たち〜」（以下，vorteX）のほうである。こちらは2006年12月14日に発売され，2007年11月1日に廉価版であるXbox 360 プラチナコレクションがリリースされている。

お姉チャンバラの衝撃的なストーリー

　お姉チャンバラは，水着のお姉ちゃんが日本刀でゾンビの大群をバッサバッサと斬り伏せていく3Dアクションゲームで，“セクシー＆グロ”という二大“大人向け要素”を前面に押し出している。
　vorteXは「CERO:Z」指定である。これはセクシー方面の要素がいくところまでいってしまったためではなく，おそらくはグロ要素が強烈になったためではなかろうか。「見てて痛そう」ということはないけど，「ああ，血がドバドバだ」と実感でき，そしてこのゲームでは血が重要なのである。

ばっさばっさ切り刻んでゾンビどもを粉々にするのだ。このへんは実に素直に気持ちいい

　「忌血」（いみち）という呪われた血筋を受け継いだ姉妹が，その血のせいでいろいろ迷惑するというのが本シリーズのあらすじだ。忌血を受け継いだ者は代々，強靭な力を持っているのである。なのでこの姉妹はベラボーに強いのだ。
　さらに，全身に返り血を浴びると「暴走」してしまい，強暴な生き物になってしまうのである。これはゲーム内でも重要な要素となっており，“ビキニの女性がゾンビの返り血をどんどん浴びて，おかしくなったり元に戻ったりするゲーム”と言ってもいいほどだ。
　vorteXは，またもや忌血を狙う連中が現れたので，姉妹が何かと苦労するというお話である。普通の人でも，忌血を入手してゴクゴク飲むと凄い力を得られるので，姉妹は何かと狙われやすい。

「暴走」すると徐々に体力が減っていくが，たいへん戦いやすくなる

いかにも忌血を狙ってそうなやつらだが，実は忌血を狙っている

　以上，ざっくりと解説してみたが，歴代シリーズすべてを遊んでいるわけではないため，ちょっぴり大雑把すぎたかもしれない。まあこういってはナンだが，細かいストーリーは遊んでいてもそんなに気にならないので大丈夫だ。

お姉チャンバラの衝撃的なゲーム内容

　さて正直に言うと，私は以前プレイステーション2版を買ったのだが，学校の先生にも「ゲーム業界はあきらめろ」と言われるほどゲームがヘタな私にはちょっと難しすぎたのと，SIMPLE 2000シリーズの3Dアクションにありがちな独特の挙動になじめず，すぐやめてしまったのだ。
　ところがXbox 360版vorteXは，格段に遊びやすくなっていた。操作感覚は以前より格段に良くなっていたし，EASYモードでは一度もゲームオーバーになることなく最後までクリアできちゃったという，私にも優しい難度設定となっていたのだ。いやー，ゲームを最後まで遊んだのは「逆転裁判4」以来なので，なんか嬉しかった。

今回は第3の主人公として，銃を撃ちまくる「アンナ」が登場する

　ゲーム内容は，「彩」「咲」という二人の姉妹を交互に切り替えつつ，ステージ上に溢れかえるゾンビをばっさばっさ切り倒し，問題をうまいこと処理しながら，スタートからゴールまで駆け抜けるという，まぁアクションゲームの王道だ。謎や仕掛けに困難なものはなく，次の行き先がマップで常に表示されるため，親も泣き崩れるほどゲームの下手な私でもボス戦以外で行き詰まることはほとんどない。
　そして何より嬉しいのは，「序盤こそゾンビをバッサバッサ斬り倒して気持ち良かったのに，途中から雑魚にも変にいやらしい敵が多くなって爽快感が激減」ということはなく，最後までバッサバッサと刀を振り回して気持ち良く突き進めることだ。これは重要なことだと思う。

お姉チャンバラの衝撃的なお楽しみ

　というわけでEASYとNORMALまではクリアしているが，隠し要素がほとんど解除されていないのが問題である。なぜなら，どんなゲームでもムキムキ男より女の子が主人公のほうがいいなぁと考える私のような人間というのは，言うなれば女の子のコスチュームのためにゲームを買っているといってよく，そして本作の隠し要素も多くがコスチュームだからである。

下着しかない状態からスタートし，頑張って努力して少しずつ服を着せていく。なんか普通の18歳以上向けのゲームとは逆な気がしないでもない

　なんとか「彩」「咲」の隠しコスチュームは上下とも少しは揃えたが，途中で加わる3人目の主人公「アンナ」の衣装はさっぱりで，まだ網ストッキングしか手に入れていない。おかげで彩や咲は可愛らしい新鮮な衣装でゾンビ相手に立ち回っているのに，アンナだけはピンクの下着に網ストッキングといういでたちでうろついており，正直どうかと思う。
　どうもいくつかの隠し要素をアンロックするには，高度なコンボを決める必要があるらしい。下着姿のアンナには悪いが，鉄拳の10連コンボを一つめまでしか出せない私には，うーん，無理かなあ。

■■Kawamura（4Gamer編集部）■■ PS3とWii以外は，コンシューマゲーム機を一通り持っているというコレクター。ゲームの評価は辛口で，面白くないと思ったらすぐにやめてしまうドライな男でもある。FPS好きの洋ゲー好きで，どんなジャンルも一通りおさえているのだが，「どのジャンルが得意？」と聞くと黙り込んでしまうシャイガイだ。

お姉チャンバラ vorteX 〜忌血を継ぐ者たち〜

対応機種：Xbox 360
メーカー：ディースリー・パブリッシャー
発売日：2006年12月14日
価格：7140円/プラチナコレクション2940円（ともに税込）
CEROレーティング：Z（18歳以上対象）
公式サイト：http://www.d3p.co.jp/one/portal.html