プレイレポート
Google Earthで世界の空を飛ぼう。新たに導入されたフライトシミュレータ機能とは?
駿河湾からなんとなく赤っぽい富士山を臨む |
2005年の初登場時には単なる地図検索サービスだったGoogle Earthだが(それでも十分インパクトはあったけど),星空を眺められる「Skyビュー機能」や画像ビューア機能などが次々に導入され,最近はかなり遊べるソフトになっている。でも,フライトシミュレータですって?
無料版Google Earthの場合,選べる機体はF-16とSR22の2種類。F-16は言わずと知れた現用戦闘機で,マッハ2以上のスピードで飛べるため,短気な人向き。もう一つの機体,SR22はセスナ社のプロペラ機で,当然ながらF-16よりずっと遅いが,街の上空をのんびり遊覧飛行するにはもってこいだ。
飛行場以外に「現在のビュー」(ショートカットはAlt+Aキー)からもフライトを開始できるので,「パロアルトなんてやたらローカルな飛行場があるのに,なんで日本の飛行場がないのだ」とお嘆きのあなたも安心。だけど,羽田ぐらいは入れてほしかったような気がしないでもない。
とはいえ,操縦は意外なほど難しい。とくにキーボードのアサインがかなり複雑なので「ラダーを利かせながら左旋回しつつ,フラップを下げる」などという場合,なにがなんだか分からなくなって指がつるはずだ。だが,嬉しいことにジョイスティックに対応しているので,真面目に飛んでみたいという人はジョイスティック,それもZ軸(ラダー)にも対応したタイプを使いたい。いずれにせよ,フラシムビギナーにはちょっと慣れが必要だろう。なお,キー操作の方法は,ユーザーマニュアルの「こちら」にある。
正直,どうせオマケでしょと思っていたが,フライト感覚は市販のフライトシミュレータに負けないほど良好だ。しかも,飛んでいるところがすべて衛星写真や航空写真による実際の場所であるところが圧倒的。地形なども忠実に再現されているし,サイドバーの「建物の3D表示」にチェックを入れておけば,都市にはビルが建ち並ぶ。ほとんどの建物にはテクスチャが貼られておらず白いままだが,ラスベガスやニューヨークなど,かなり作り込まれている地域もあり,ぶらりと飛ぶのは非常に面白い。
フラシムとしてはカジュアルな作りで,計器飛行ができなかったり,自機の姿が見られなかったり,機体が2種類しかなかったりといったゲームとして見た場合の不満点もないわけではないが,今後,さまざまな機能が追加されていきそうな雰囲気も濃厚であり,なによりこれが無料であるところが素晴らしすぎ。地球を一つそっくり用意し,そこにユーザーが自分のコンテンツを並べ,誰でもその上を自由に飛行するという,ある意味フラシムの理想型になりうるポテンシャルさえある気がする。
ストリーミングということで,ときどき読み込みエラーを起こしたり落ちたりという不安定さはまだあるものの,ぜひ一度,レッツフライ!
左はラスベガス,右はシアトルのセーフコ球場。イチローのバッティングが見られる。本気にしないように |
左の大都会東京にくらべ,右のカリフォルニア州フレズノ市は誰も何も作っていないので真っ平らである。もともと平べったいので,起伏も少ない |
レディス,アンド,ジェントルマン,お父つぁん,おっかさん。というわけで,Google Earthのフライトシミュレータ機能を使ってムービーを制作してみました。狙いとしては,航空会社制作のプロモムービー風なのだが,いかがかしら? では,快適な空の旅をお楽しみください。
→ムービーのダウンロードは「こちら」(1分57秒:WMV)
ダウンロード詳細:93.1MB(97,623,453バイト)
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