［Gamescom］Gothicシリーズ初のコンシューマ版も登場。より遊びやすいRPGへと進化した最新作「ArcaniA Gothic 4」を紹介

　JoWood Productionsは，同社の看板タイトルであるGothicシリーズ最新作「ArcaniA Gothic 4」（PC/PS3/Xbox 360。以下，Gothic 4）をGamescomにてプレイアブル出展していた。

　Gothic 4は，以前「ArcaniA：A Gothic Tale」と呼ばれていたが，タイトル名が変更されたという経緯がある。また，これまでGothicシリーズはPC専用タイトルとして発売されてきたが，本作はPCだけでなくXbox 360とPlayStation 3版が用意され，PCとXbox 360版は2010年10月，PlayStation 3版も2011年初頭に発売される予定だ。


　そんな経緯が関係してか，本作は過去の作品との直接的なつながりはない。前作であるGothic 3の10年後から物語はスタートするのだが，世界が共通しているといった程度で，ストーリー的なつながりはほとんどないという。つまり本作で初めてGothicの世界に飛び込んでも，なんの問題もないということだ。


　本作の主人公は，ごく平凡な男。とくに名前も決められておらず，プレイヤーが自由に指定できる。そんな主人公の暮らす村がモンスターに襲われ，壊滅的な被害を受けたところから冒険はスタートする。
　主人公が暮らしている村は小さな島にあり，最初は島の中でこまごまとしたクエストをこなしつつ，ゲームのルールや基本システムを学んでいく。島は実時間で2時間もあれば一周できるほどのサイズなので，あくまでもチュートリアル用という扱いだ。

　Gothic 4は，ゲームシステム的には革新的な部分がない，非常にオーソドックスなタイプのRPGとなっている。エンディングも一つだが，そこへ至る道筋はいくつも用意されているという。また，職業といった概念がなく，スキルベースでキャラクターを育てていくため，人によってさまざまなタイプのキャラクターに成長していく。


　コンシューマ機版が発売されるということで，ゲーム中に使うキーの数は極力抑えられているという。例えばボタンを押す/クリックすれば呪文が発動するのだが，押している時間によって魔法の効果が変わるという仕組みになっている。もっとも，より強力な呪文を覚えていなければ，いくら長押ししても意味はないのだが。
　
　JoWood Productionsの広報担当であるClemens Schneidhofer氏は，グラフィックスに対するこだわりに注目してほしいと語っていた。ゲームの中での生活感を出すために，徹底的にリアルさを追求したということだ。同社が新たに開発したというゲームエンジンでは，遠くの木々なども細かく描かれ，雨の表現などもリアルだ。さらに，単にグラフィックスのディテールにこだわっただけでなく，ゲーム内で雨が降れば洗濯物を取り込みに家に帰る人が現れるなど，そういった部分にもこだわりが見られる。

　Gothicシリーズは，海外ではThe Elder Scrollsシリーズのライバルと言われており，100万本単位での売上を記録している。残念ながら日本での知名度はそれほど高くはないが，より遊びやすくなったコンシューマ版が発売されるということで，最新作の日本語化に期待したいところだ。