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インディーズゲームの小部屋」の第111回は,Diabloタイプのハック&スラッシュRPG「
Torchlight」を紹介する。本作は,
元Flagship Studiosの開発者が設立した新ゲームスタジオ,Runic Gamesのデビュータイトルだ。プレイヤーは地下迷宮に眠る魔力を秘めた鉱石を求めて多くの人間が集まるTorchlightの街にやってきた冒険者の一人となって,さまざまな冒険を繰り広げていく。
ゲームを開始したらまずすべきことは,自分の分身となるキャラクターを作成することだ。本作では,接近戦を得意とする屈強なDestroyer,召喚術が使えるペットクラスのAlchemist,弓などを用いた遠隔攻撃とトラップが得意なVanquisherの3種類のクラスが用意されている。職業と性別の組み合わせは固定されており,女性キャラクターはVanquisherのみだ。
またキャラクター作成時に,イヌかネコどちらかのペットを指定できる。このペットはプレイヤーと共に成長し,一緒に戦ってくれるだけでなく,プレイヤーの代わりにお金やアイテムを拾ってくれたりもするなど,いろいろと便利な存在だ。
そして肝心のゲームプレイについてはどうかというと,これはもう完全に「Diablo II」だと言っていいだろう。より厳密には「Diablo」のシンプルさに,「Diablo II」で追加されたさまざまな要素を加え,グラフィックスを見下ろし型2Dから3Dに変更したものといった雰囲気。つまり,王道のど真ん中を行くハック&スラッシュRPGというわけだ。
操作方法もまさにDiablo直系で,移動も攻撃もクリックでターゲットを指定するだけ。画面下に並んだアイテムやスキルのショートカットや,赤と青のゲージで表示されたHPとマナの残量など,インタフェースの見た目もなじみ深い。Diabloをプレイしたことがある人なら,ほとんど直感的にプレイできるはずだ。
キャラクターの成長はレベル+スキルポイント制で,レベルアップによって獲得したステータスポイントとスキルポイントを,好みのステータスとスキルに配分していくスタイル。Torchlightの街には頭上に「!」を浮かべたNPCがおり,話しかけるとさまざまなクエストを依頼される。本作ではこうした依頼人からのクエストをこなす形で,ストーリーを進めていくのだ。
Diablo系ということで,当然ながら本作でも新しくゲームを開始するたびにダンジョンがランダムに生成される。Diabloといえば,無数のマジックアイテムやレアアイテムの収集も外せない要素だが,その楽しみは本作でも健在だ。本作をプレイすると,とにかく懐かしさで胸が締め付けられる思いがする。
睡眠時間を削ってテレホタイムにDiablo IIをプレイしまくった筆者などは,アイテムがいっぱいになって持ちきれなくなったときの「I can't carry anymore」というセリフも,買って鑑定してみるまで性能が分からないマジックアイテムを売っているギャンブルショップも,「あ〜,あった,あった!」と思わず声を上げたくなる。ただ惜しむらくは,本作はオンラインプレイに非対応で,完全にソロプレイ専用だ。Frozen Orbを連発するソーサレスに泣かされたあの日々はもう戻らないということか……。
本作は公式サイトにて19.95ドルにてダウンロード販売中だが,デモ版はこちらではなくSteamを通じて配布されているので,筆者と同じような思い出を持っている人は,ぜひそちらをチェックしてみよう。またSteamでは製品版も19.99ドルにて販売されている。往年のDiabloプレイヤーであれば胸が熱くなること請け合いだが,アクションRPGとして純粋に楽しめるので,Diabloを知らない若いプレイヤーにもオススメだ。
■「Torchlight」公式サイト
http://www.torchlightgame.com/
(C) Runic Games, Inc.