連載
男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第667回「運と引き際の『Loop Hero』」
また,その才能が開花した場合でも,お金になるかどうかでその道を断念せざるを得ない可能性もある。結局のところ才能が開花するかどうかは,運によるものが大きいのかなあと思う。努力が必要ないと言いたいわけじゃない。
スポーツでも仕事でも,才能が開花した人達が集まる場所があって,そこで抜きん出ようとしたときに「どの武器をどのように磨いたか」を問われる局面が出てくる。そこでは自分の武器で戦うことになるんだけども,努力でしか持っている武器を強くできない。だから,努力は努力で必要なのです。
ただ,自分の武器は何なのかを含めて,自分の可能性に気付くには運の要素が大きく作用してるんじゃないかなあ。そして,仮に運良く自分の可能性に気付いたとして,そこで必要になってくるのが引き際を見極める能力だと私は思うのです。
ここで言う引き際とは,まあ全てにおいてですよね。練習もし過ぎたらオーバーワークと言われる。疲れがたまりすぎれば,肉体と精神の両面でパフォーマンスが悪くなる状態を招く。いざ勝負となった場でも,勝ち続けることは難しいわけで。状態が悪いときにどう自分を管理するかがトータルでの勝利を左右するし,そもそもその環境でいつまで続けるかを判断するのも人生において重要。
なので,行く判断もさることながら,実はあらゆる局面で引く判断のうまさが重要なんじゃないかと私は考えておるわけです。
詳しく説明するよ。まず,プレイヤーは主人公を操るのではなく,見守る存在です。で,冒険に出ることを選択したあとは,主人公がダンジョンに向かいます。あとは主人公が勝手に敵を倒しながらダンジョンを周回します。で,一周するごとに敵が強くなっていく。もしくは敵を倒したときに入手できる,建造物や環境を配置できるカードをプレイヤーが使うことによって,ダンジョンに出てくる敵を変化させたりもできます。
強い敵を倒せばより良い装備や良いカードを手に入れられるので,強い敵に挑んだほうがいいんだけど,途中で主人公が死んだらごく一部しかアイテムは得られない。しかも,そこまでに得たアイテムをすべて持った状態で撤退させられるタイミングは,一周を完了したときだけ。
なので,このゲイムの面白さは「どのタイミングで撤退させるか」を判断することにあるのです。ある種,カーレースのゲイムに似ているかもしれない。コースの途中でリタイヤはさせられない。一周してピットに入ってきたタイミングで続行か撤退かを決める。そういうゲイム。
周回ごとに敵が強くなるということは,必然的にさらに強いアイテムが出現する確率も周回ごとに上がるわけで。行くか引くか,欲と現実のせめぎ合い。ゲイムとして見ても,徐々に強くなっていくのを実感できるし,移動と戦闘が自動なのに,自分のケツ断がプレイに大きく影響するという意味でちゃんとゲイムをプレイしている感覚もある。Steam版の評価が極めて高いのも納得。
難点を挙げるならば,グラフィックスが地味だという点と,画面の変化に乏しいという点かしらね。基本的にはめちゃくちゃオススメしたいのだけど,ひょっとしたら自分で操作できないのを受け入れづらい人もいるかも。シミュレーションゲイムが好きな人なら面白く感じられるとは思う。ただ,「風来のシレン」っぽいゲイムを求めているならちょっと違和感があるかも。
てなわけで,今週は運と引き際の判断が求められるゲイムのご紹介でした。いや,実際大切だよね運も引き際も。運はまあ操作しきれない部分はあるけど,引き際はある程度自分でコントロールできる。結局,自分の中に軸が1本だけあって,それに沿って攻めどきと引き際を判断できればいいのかなあと,今の私は思っております。そこら辺の話は複雑なのでまた別の機会に。では今週はここで引きます。また来週。
今週のハマりゲイム
PC:「METAL DOG」
PlayStation 5:「FIFA 22」
Nintendo Switch:「真・女神転生V」「Loop Hero」
iOS:「龍が如く ONLINE」
iOS:「今三国志」
iOS:「ウイニングイレブン カードコレクション」
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