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男色ディーノのゲイムヒヒョー ゼロ:第423回「40歳を前にして,迷子になって泣くとは思わなんだ」
何がって,先週も予告して,4Gamerでも一部の試合がレポートされていたDDTプロレスのさいたまスーパーアリーナ大会のことですよ。
おかげさまで成功と言っていい結果に終わったわ。心残りは,シブサワ・コウに近付くことすらできなかったこと。さいたまスーパーアリーナって,大会場でしょ。もはやあれはダンジョンですよ。広いのはしょうがないとしても,内部がやたらと複雑な作りになってるのよね。
これは私の推測なんだけど,さいたまスーパーアリーナっておそらく敵に攻め込まれないような構造で作られてるのよ。ホラ,基本的に大物アーティストがコンサートをする場所じゃない? 海外の大物アーティストがライブをするのって,大体さいたまスーパーアリーナなんだけど(※個人の感想です),それってきっと収容人数とライブ会場としての使いやすさのバランスがちょうどいいからだと思うの。ドームだと大きすぎるし野球で使っているし,武道館だといろんな催しがあって予約取りづらいしメディアの後援がないと使えないっぽいし。要は大物と呼ばれる人が使う場所なのですよ。
で,大物と呼ばれるようになるまでにはいくつもの障害があって,そこの位置にたどり着くまでにはいくつもの挫折と再生の繰り返しがあったんでしょう。となると,手段を選んでなんていられないケースだって出てきますわいな。したがって,成り上がるまでに多くの敵を作ってしまうんでしょうな(※個人の感想です)。
そりゃあ,敵が侵入してきて首を狙ってくるケースだってありうるでしょう。小勢力が大勢力に勝つには奇襲,奇策の類でないといけないからね。いわば,戦国時代で言うところの桶狭間ですよ。尾張の小大名・織田信長が,雨の日の奇襲で大名・今川義元を討ち取った,あの桶狭間の戦い。さいたまスーパーアリーナは,そんな桶狭間を防ぐためにややこしく作られているんですね,きっと。そうじゃないと納得できないほどの迷宮具合。
私,試合のまあまあ直前に調子に乗って誰も使ってないであろう,控室からかなり遠いトイレに行ってみたら迷子になって帰れなくなって,ちょっと泣いたもん。こんな形でビッグマッチの試合が不戦敗になるのかと思って。それぐらい広くややこしい。
そしてそのうえ,まあこれはDDTのせいと言ってしまえばそうなるんだけど,DDTが控室周りにしっかりとセキュリティを雇っていやがったのよね。このセキュリティが仕事をするったらありゃしない。選手としてドサクサでシブサワ・コウの控室に近付いてやろう! と思ったら,ちゃんと止められてしまうという。桶狭間ならず。それくらいちゃんとしていたねー。
とはいえ,セキュリティがいたおかげで帰り道を聞けて,泣きながらでもちゃんと控室に戻れたって部分もあるんだけど。いや,半端じゃないわよ。迷子になっているときに,直前の試合が終わるゴングが聞こえてくるのって。1万人が待っているのに選手が出てこないという事故が起きるとこだったわ。体調が悪いときの夢に出てくるであろうレベル。40歳を前にして,迷子になって泣くとは思わなんだ。
さほどプロレス好きでもない歴史好きのスタッフが,武田信玄(武藤敬司)と上杉謙信(秋山 準)がリング上で絡むのを見て「川中島だ!」ってテンションを上げていたし,真田幸村(木高イサミ)が柴田勝家(関本大介)を攻撃していたら「史実の大舞台では絡んだことないのに! すげえ!」ってテンションを上げていたし,織田信長(飯伏幸太)が豊臣秀吉(高木三四郎)から3カウント奪った瞬間には「やっぱ秀吉は信長には逆らえない!」ってテンションを上げていたから。
要は,脳内で歴史をシミュレーションする分にはプロレスって非常に適したツールなのかもしれないってことを思ったの。そして,日本人は歴史が好きなんだな,とも。あとは,やはりコーエーテクモゲームスはコラボ名人なんでしょうね。思えばほかのゲイムとコラボする無双シリーズがそうじゃない。ゲイムならではの“if”をクリエイトするのがうまい。これって,イマジネーションだと思うの。
そして何より,お互いが得をするコラボ。どちらのファンも喜ぶようなコラボ。これがコラボとしての正しい姿だと思うのね。そういう意味では,コーエーテクモゲームスのコラボは大体が成功している。コラボした結果,コラボならではの面白さを提供できている。少なくとも,この日リングでこの試合を見たプロレスファンは,「信長の野望」シリーズに対して好印象を持ったはずよ。こうやってもともと興味がなかったり接点がなかった人に,まず興味を持ってもらう,知ってもらう,そういうメリットはあったんじゃないかなーと思っているわ。
もちろん,いろいろと大変なことはあったんだろうけど。ただね,何かをヤろうと思ったらしんどいのは仕方ない。私のようなエンターテイメント産業に従事している人間はとくに。ほかの人に楽しんでもらうために苦労するのが業務ですから。それでも思うような結果が出ないことがあるという,恐ろしい世界でもあるけど。面白いと感じる人もいるし,そうでないと思う人もいる。でもまあ,人間の感情を動かすことでお金をもらおうとしたら,苦労とリスクは仕方がない。
ただ,こうも思うわよね。感情を動かすことにお金を払ってくれる人がいるのはありがたい,と。ゲイムもプロレスも,基本的にはやっぱり数千円以上の金額を支払ってもらうものなわけですよ。それに対する責任を,提供する側は果たさなきゃいけない。そして,我々のようなサービス業が発達することで,世の中が物質的にではなく内面的に豊かになる。そうやって世の中が楽しくなればいいなと思うわけです。そのためにも,今回のような,ゲイムとプロレスのコラボが実現することで喜んでくれる人が増えたらいいな……と心から思うわ。
たぶんこれを読んでる人は,こう説明されても実感は沸かないかもしれないけどね。だけどきっと,見に来てくれれば楽しいと思えるはず。だから,今後ともこういう機会を増やせればいいなと,ゲイムとプロレスの両方が好きな私は思っているの。私,コラボの試合には出ていないけど。
とまあ,こんな感じでゲイムとプロレスのコラボについてお伝えして参りましたが,要はビッグマッチ付近でゲイムをプレイできませんでしたって話なのです。「モンスターハンターダブルクロス」は買ったのに。
とはいえ,来週は通常営業に戻りますよ。大阪巡業もあるからバスに乗っている時間はヒマなはずだし。そんな感じでまた来週!
今週のハマりゲイム
PlayStation 4:「三國志13 with パワーアップキット」
PlayStation Vita:「レイジングループ」
Nintendo Switch:「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」
ニンテンドー3DS:「モンスターハンターダブルクロス」
iOS:「実況パワフルサッカー」
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※写真提供:DDTプロレスリング
- 関連タイトル:
信長の野望 〜俺たちの戦国〜
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