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[G★2006#100]「LANDMASS」のHYOSUNG CTX CEO Kim Seongnam氏が語るLieVoへのコンテンツ提供の意味
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印刷2006/11/17 18:39

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[G★2006#100]「LANDMASS」のHYOSUNG CTX CEO Kim Seongnam氏が語るLieVoへのコンテンツ提供の意味

 G★の会場で,ゲームポータルサイト「LieVo」(リーボ)のサービスが韓国で2007年3月にスタートすることが発表された。そのローンチタイトルの一つとして注目されているのが,HYOSUNG CTX(以下,CTX)のオンラインSF FPS「LANDMASS」だ。
 LANDMASSは,架空の惑星を舞台に「MO-RATS」と呼ばれる人型兵器を駆使して,数十人規模で戦うオンラインSF FPS。2007年の注目作の一つとして挙げる人も少なくない(LANDMASSの詳細は「こちら」)。
 一方,LieVoはまだ日本でもテクモとSeedCがサービスを開始したばかりのゲームポータルサイトで,韓国でのサービス開始が半年近く先ということもあり,集客力に関しては未知数。
 CTXが主要タイトルであるLANDMASSを,あえてこれから始まるポータルサイトに投入する狙いとは? CTXのCEO Kim Seongnam氏がその思いを語ってくれた。



■目先の利益は求めなかった,LieVoへのコンテンツ提供

発表会終了直後という慌ただしいなか,貴重な時間を割いてくれたHYOSUNG CTX CEO Kim Seongnam氏
4Gamer:
 LANDMASSはCTXの主力タイトルだと思いますが,それをなぜあえて,これから始まるポータルサイトであるLieVoに提供するのでしょうか? 

Kim氏:
 確かにLieVoは発表されたばかりですが,私達は現時点での利益だけを考えて提供を決定したのではありません。

4Gamer:
 では提供決定の決め手となったものはなんでしょう?

Kim氏:
 LieVoは日本で立ち上がったばかりで,韓国ではこれから始まるというゲームポータルサイトです。だからこそお互いに協力する余地があり,根っ子の部分でしっかりとした関係を築けるのではないかと考えたのです。
 いまから大きなゲームポータルサイトにコンテンツ提供を行った場合,それなりに効果はあると思いますが,埋もれてしまう可能性もあるでしょう。計算できない部分もありますが,LieVoとともに成長していきたいという思いがあります。

4Gamer:
 なるほど,そういった狙いがあったのですね。では,LieVoへのLANDMASSの提供は,どちらからアプローチしたのでしょうか? 

Kim氏:
 9月にソウルで行ったLANDMASSの発表会に,SeedCの方がいらしていたのがきっかけです。その後は,いろいろと両社間で話しているうちにこの話がまとまりました。どちらかが一方的にアプローチしたのではなく,お互いに一目惚れして,相思相愛になったといった感じですかね。

4Gamer:
 では,浮気(?)はしないで,LieVoのみで展開していくと考えてよろしいでしょうか。

Kim氏:
 えーとですね,実はそのあたりをまだ詰めていないんですよ。現段階では一緒になにかをやろうという根本の部分で話をしているだけで,具体的にどうやって進めていくのかといった枝葉の部分は,これからお互いに協議して決めていきます。

4Gamer:
 分かりました。ではちょっと質問を変えますね。3月に韓国でスタートするLieVoのローンチタイトルとしてLANDMASSが挙がっていますが,LANDMASS自体のスケジュールはどのようにお考えですか?

Kim氏:
 2006年末から2007年1月頃に,韓国でβテストを行い,3月には正式サービスを開始したいと思っています。また,日本でもできるだけタイムラグがないように展開していきたいと思います。

4Gamer:
 日本でも,CTXさんがサービスを行うことは決定しているのでしょうか? てっきり日本では別の会社が運営するのだと思っていました。

Kim氏:
 日本では,パートナー企業を見つけて一緒にやっていくことになるとは思いますが,韓国と日本でサービスをする権利は我々が持っています。

4Gamer:
 では日本でもLieVoに提供される可能性が高いと考えていいですか?

Kim氏:
 それは決まっていないです。日本でのサービスは行いますが,具体的な内容はこれから決めていきます。

4Gamer:
 わかりました。なんにせよ日本でのサービスは決定しているようですので,安心しました。日本での発表を楽しみにしていますね。では,LANDMASSのビジネスモデルについて教えてください。

Kim氏:
 基本プレイ無料のアイテム課金になります。ここでいうアイテムというのは武器もそうですが,装着するパーツなども有料になります。
 また,LANDMASSには乗り物が登場し,乗り物を使わないと先に進めない場所などがあります。乗り物自体は課金アイテムではないのですが,乗り物を利用できるライセンスのようなものを導入し,それに対する課金を行っていく予定です。
 ただし,これは韓国での話です。基本的には日本でも同じような展開になると思いますが,詳細は日本での発表をお待ちください。



■ただのコンテンツ提供では終わらない,LieVoとCTXの関係とは

4Gamer:
 韓国のゲーム市場についてお伺いします。今後も市場規模は拡大していくとお考えでしょうか?

Kim氏:
 韓国のゲーム市場は,オンラインゲームに限っていえば,だいたい2兆ウォン(約2500億円)という規模です。韓国の人口(約4600万人)を考えると頭打ちといった感じですね。

4Gamer:
 そうするとLANDMASSは,ほかのゲームをプレイしている人からプレイヤーを奪ってくる必要があるわけですね。

Kim氏:
 とくに奪ってこようとは考えていませんが,結果的にはそうなりますね。

4Gamer:
 ほかのゲームをプレイしている人に,LANDMASSをプレイしてもらうにはなにが必要だと思いますか?

Kim氏:
 ほかのゲームとの違いを明確にし,それをきちんと打ち出すことでしょう。

4Gamer:
 では,LANDMASSがほかのゲームと違うところを教えてください。

Kim氏:
 人数はまだ調整中ですが,40人〜60人という大規模な戦闘をできるという点が,ほかのオンラインFPSとは違います。そして,LANDMASSでは,人を動かすのではなく「MO-RATS」という新機軸の人型兵器を動かすので,心地良いスピード感を味わえます。

4Gamer:
 では,そのポイントをどうやってアピールしていくのでしょうか?

Kim氏:
 そこで鍵を握ってくるのがLieVoです。我々はLieVoへLANDMASSを提供することで,LANDMASS自身のサービスに集中できます。LieVoという,ブランド名があるプラットフォームを利用させてもらい,お互いがそれぞれの得意分野で力を最大限に発揮して,良質なコンテンツを届けていきたいと考えています。そういった意味で,とても大切な関係です。

4Gamer:
 では,LANDMASSを運営していくにあたって,力を入れるポイントはどこでしょう?

Kim氏:
 韓国のゲーム市場は成熟の段階に入っており,限られたパイを取り合うという状況です。そして最近は矢継ぎ早に新しいゲームが市場に投入され,一つのゲームをじっくりと遊んでもらうのが非常に難しい状況になってきています。
 そこで我々は,そのときどきのトレンドをつかみ,LANDMASSのプレイヤーに常に新しい“何か”を提供し続け,いかに囲い込むかがポイントだと思います。そして,ここでもLieVoの力を借りることになるでしょうね。

4Gamer:
 と言いますと? プレイヤーの囲い込みにどのようにLieVoが関わってくるのかを教えてください。

Kim氏:
 我々だけで運営できるオンラインゲームの数には限りがあります。ですが,ほかのゲーム会社は次々とゲームをリリースしていきますので,それに対抗するにはやはりLieVoのようなゲームポータルにコンテンツを提供し,まとまって対抗していく必要があるのです。

4Gamer:
 話が戻ってしまいますが,そういう理由でしたらLieVoではなく,もっと大きなゲームポータルサイトのほうが有利なのではないでしょうか?



Kim氏:
 そうくると思ってました(笑)。これから出てくるオンラインゲームはいくらヒットしても,3年や4年もいい状態が続かないでしょう。ですから複数のゲーム内でプレイヤーを循環させる必要があると考えているんです。
 新しいゲームを作って,ある程度のプレイヤーを獲得したとしても,すぐに次のゲームを準備し,そしてそこへいままで抱えていたプレイヤーを移すのです。
 そのときどきのトレンドを見ながら,プレイヤーを囲い込んでいくかというのが重要なんですよ。そして,その循環をゲームポータルサイト内でできるようにしていくためには,LieVoのようなこれから始まる場所で,ポータル運営会社との強固な関係が必要になってくるのです。
 それとLieVoは後発だから,そもそも集客に苦労するだろうと思っているでしょうが,一つ重要な特徴があるんですよ。日本の方にはちょっと気が付きにくいポイントなんですけどね。

4Gamer:
 日本人には気がづきにくいポイントですか……,確かに分かりません。なんでしょう?

Kim氏:
 それはLieVoが日本産ということです。とくにテクモは日本での歴史が長く実績があり,ネームバリューのあるオリジナルコンテンツを持っています。韓国人のゲーマーにとって,日本産コンテンツというのはとても魅力的で,それだけでアドバンテージなんです。LieVoには,ほかのゲームポータルにはないコンテンツを求めてくるユーザーが集まってくるでしょう。

4Gamer:
 なるほど,そうだったんですね。日本産というのが韓国でのアピールポイントになるとはちょっと意外でした。

Kim氏:
 どういった形になるかは分かりませんが,先ほど言ったとおり,LieVoとの協力関係は,単純なコンテンツ提供で終わらせようと思っていません。韓国では“特殊”なゲームポータルサイトであるLieVoとうまく融合し,我々のコンテンツをより多くの人に楽しんでもらえる環境を作っていきたいと思います。

4Gamer:
 なるほど,どんなことをやるのか期待していますね。では最後に,日本の読者へメッセージをお願いします。

Kim氏:
 日本でFPSはあまりはやっていないようですが,LANDMASSはいままでFPSに興味がなかった人でも十分に楽しめますので,期待して待っていてください。あとで振り返ったときに,日本でのFPSブームの火付け役はLANDMASSだった,と言われるようにがんばります。

4Gamer:
 ありがとうございました。



 自社の主要タイトルを駆け出しのゲームポータルに提供する。しかもそのポータルの発表会に足を運び,スピーチするという力の入れようだ。
 直接話を聞いてみて,確かに一緒にLieVoを盛り上げていこうという意志は感じ取れた。だがその一方で,独占提供に関しては明言を避けるなど,オンラインゲーム会社としてのしたたかな一面ものぞかせていたのが印象深い。
 まだまだLieVoとの連携については,決まっていない(あるいは発表されていない)ことが多く,具体的にどのようなことが行われるかは分からなかった。だが,過渡期に突入した韓国オンラインゲーム市場で生き残るために,コンテンツを提供するだけでなく何か仕掛けを用意しているのは確かなようだ。
 また,最後のメッセージは,リップサービスの側面を差し引いても,LANDMASSの日本展開に相当な自信を感じ取れた。FPS不毛と言われる日本に,どんな秘策を持って上陸してくるのか注目したい。(noguchi)


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