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[GDC 2018]NVIDIA,ゲーム向けのリアルタイムレイトレーシング技術「RTX」を発表
NVIDIAのAdam Kerin氏によると,RTXは,Volta世代のGPUとNVIDIA製ソフトウェア,およびDXRにより実現されるものだそうだ。「Volta世代のGPU上で動作するよう最適化してあるため,Pascal世代以前のGPUでは利用できない」と強調していた。また,4月上旬に公開を予定しているRTX対応のGeForce Driver 396世代と,今春公開予定と言われるWindows 10の次期大型アップデート(※Windows 10 RS4)も必要であるとのことだ。
ただ,MicrosoftのDXRは標準的なAPIなので,こちらならPascal世代以前のGPUでも利用できるとのことである。NVIDIAに確認したところ,DXRのAPIは,RTXにも対応しているため,Volta世代GPUを搭載するPCでDXRを使用するプログラムを実行すると,自動的にRTXによるアクセラレーションが有効になるそうだ。
ちなみにKerin氏は,2018年8月にカナダのバンクーバー市で開催予定となっているSIGGRAPH 2018において,RTXの技術カンファレンスを実施する予定だと予告している。ゲーム開発においてRTXをどう利用するのかといった具体的な話は,そのタイミングで明らかになるようだ。
NVIDIAによると,「Unreal Engine」や「Unity」,「Frostbite」といったゲームエンジンがRTXに対応する予定であるほか,グラフィックスリソースの作成ツールを手がけるAllegorithmicも,自社ツールでのRTX対応を表明しているそうだ。ゲームスタジオでも,Electric ArtsやRemedy Entertainment,4A GamesがRTXへの対応を表明しており,NVIDIAはそのうち,Remedy Entertainmentが制作したRTXのデモ動画をYouTubeで公開している。
なお,RTXの発表に合わせてNVIDIAは,ゲーム開発者向けのソフトウェア開発キット「GameWorks」に,「Ray Tracing Denoiser」(レイトレーシングノイズ除去ツール)という機能をまもなく追加するとも予告している。Ray Tracing Denoiserを利用すると,ゲーム開発者は高品位のライティングと影生成をゲーム内で実現できるとのことだ。
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