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オートデスク,「Maya 2013」など3D CG制作ソフトウェアおよびゲームミドルウェアの新製品を発表
今回の発表では,同社3D CG制作ソフトウェア主力製品がすべて新しくなっている。価格は以下のとおりだ(価格はすべて税込みで新規スタンドアロンライセンスのもの)。
Autodesk Maya 2013 価格:53万5500円
Autodesk 3ds Max 2013 価格:53万5500円
Autodesk 3ds Max Design 2013 価格:53万5500円
Autodesk Softimage 2013 価格:57万7500円
Autodesk MotionBuilder 2013 価格:61万4250円
Autodesk Mudbox 2013 価格:11万5500円
Autodesk Entertainment Creation Suite 2013
Autodesk Softimage Entertainment Creation Suite 2013 価格:84万5250円
- Standard (Maya or Max,MotionBulder,Mudbox,Sketchbook Designer)価格:84万5250円
- Premium(Maya or Max,Softimage,MotionBulder,Mudbox,Sketchbook Designer)価格:99万7500円
- Ultimate(Maya,Max,Softimage,MotionBulder,Mudbox,Sketchbook Designer)価格:122万8500円
いずれも発売は2012年4月12日となっている。
新製品のポイント
今回の製品群とGDC 2012で発表されたゲーム関連ミドルウェアとで,ゲーム制作環境を支えるAutodesk製品の最新版が出揃った。以下では,発表会で示された各製品のバージョンアップのポイントを紹介してみたい。
●Autodesk Scaleform 4.1
Adobe SystemsのFlashをベースとしたゲームUIの開発ができるScaleform。すでに100タイトル以上に採用され,「Unreal Engine 3」「Crytek SDK」「Unity 3.5」といった主要ゲームエンジンに統合されているなど,ゲームUIのスタンダードとなっている。今回の4.1では,最新のAS3 XMLクラスやAS3ビットマップデータに対応したのが大きな特徴だ。
国内発表会場では「Battlefield 3」などでの使用例が示されたほか,「Flashより軽い」とのことで,Scaleform自体をゲームエンジンとして使用したスマートフォン用ゲームも紹介されていた。
Unity 3.5との統合では,Unityのサンプルゲームである「AngryBot」のUIをScaleformで作り直した例が紹介された。面白いのは,もともとゲームパッドをサポートしていなかったAngryBotが,Scaleform側の機能でゲームパッド対応になっていたこと。UIミドルウェアというのは表示部分だけのものではないのだ。
●Autodesk Kynapse 2013
Path検索をサポートするミドルウェアKynapse。全体的に高速化されており,ダイナミックなPath情報の更新などが改善されているという。
発表会では,増加する障害物に対してのダイナミックなパス情報更新の様子や,巨大なシーンにおけるナビゲーションメッシュ生成などがデモされた。1万オブジェクトほどのシーンでナミゲーションメッシュの再生成に要した時間は約5秒。ビジュアルデバッガでは,実際のゲームと同じ動作がリアルタイムで確認できるようになったこともデモで示された。
●Autodesk HumanIK 2013
●Autodesk Beast 2013
ライトマップによるグローバルイルミネーション処理を実現するBeastは,Mayaとのインテグレーションなどがデモされた。デモで使われたのはかなり複雑なシーンだったが,光源設定を変更すると,リアルタイムとまではいかないものの,かなり高速でライトマップが更新されていくことが示されていた。
●Autodesk Gameware Cognition 2013
GDC 2012で発表され,これまで「ハイレベルなキャラクターAIを実現する」と説明されていたものの,具体的にどういうものなのかは分かりにくかった。発表会では,Cognitionの使い方からどういった動きを実現するものなのかがデモで示された。以下にデモの様子をムービーで掲載しておくので興味のある人は確認してみてほしい。
●Autodesk Gameware Population 2013
街の中を歩き回るNPCなどに簡単なAIを搭載して,それっぽい動作をさせることができる。大量のNPCを扱うことができるというのがポイントのようだ。
●Autodesk 3ds Max 2013
3ds Maxでは,GPUを使ったレンダラである「iray」が,Maxでの操作でインタラクティブに反映されるようになったのが見どころだ。デモでは,グローバルイルミネーションなどを使ったシーンでも数秒で反映されることが示されていた。
新機能としては,強化された物理系機能MassFXなどがあり,物理演算ではクロスシミュレーションに対応したほか,破壊表現なども追加されている。また,Adobe After Effectsと連動する機能などが紹介されていた。
Autodesk 3ds Max 2013
機能と特長
レンダリング革命とSmart Data イニシアティブによっていっそうの革新を遂げたAutodesk 3ds Max 2013 では、NVIDIA iray レンダラーのActiveShade サポートによる強力かつインタラクティブなレンダリングエクスペリエンスを提供し、反復的なレンダリング調整を簡単に行えます。統合されたノードベースのコンポジティングによる新しいレンダーパス システムの搭載や、Adobe After Effects およびAdobe Photoshop との相互運用機能を提供します。
加えて、新しいモーショングラフィックス、アニメーション、シミュレーションツールにより、アーティストは、技術的な課題に追われることなく、クリエイティブな作業によりエネルギーを集中させることができます。また、柔軟なカスタマイズオブションが新しく追加されたことで、作業方法に合わせて最適化された複数のインタフェースを簡単に設定し、切り替えることができます。
そしてさらに強化されたAutodesk Maya 2013、Autodesk MotionBuilder 2013、Autodesk evit Architecture 2013 との相互運用性により、最先端のパイプラインに3ds Max 2013 を効率的に統合できます。
主な新機能と特長
Adobe After Effects との相互運用性
Adobe After Effects などのクリエイティブツールセットを使用しているメディアデザインおよびグラフィックアーティストは、2D/3D データ交換においてより高度な相互運用性を活用できるようになりました。新しいメディアシンク機能により、カメラ、ライト、Null オブジェクト、平面オブジェクトおよびソリッド、フッテージ(フッテージのレイヤ化を含む)、ブレンドモード、不透明度、エフェクトなどの情報を双方向に転送できるため、より効率的に反復処理を行い、再作業を低減し、短時間でプロジェクトを完了できます。
Adobe Photoshop との相互運用性の強化
Adobe Photoshop でレンダリングを仕上げる際の柔軟性がさらに向上しました。レイヤ付きのPSD フォーマットでレンダリング結果を出力できる新機能では、レイヤの順番、不透明度、ブレンドモード(乗算またはスクリーンなど)が保持されます。
レンダーパス システム
後工程の合成に備えて、シーンをより簡単にセグメント化できるようになりました。まったく新しいレンダーパス システムにより、レンダリング要素をAutodesk Smoke 2013、Adobe After Effects、Adobe Photoshop、その他の特定の画像合成アプリケーション用に、さらに効率的に作成できます。ステートレコーダ機能によって、アーティストは現在の状態をキャプチャ、編集、保存することができます。さらには、合成およびレンダリング要素が結合され、最終結果をビジュアルインタフェースで確認できます。単一のファイルから複数のレンダーパスをすばやくセットアップして実行でき、シーン全体を再レンダリングしなくとも、個別のパスを修正できるため、生産性が向上します。
スレート合成 エディタ
新しいスレートコンポジティングエディタ(Slate Compositing Editor)を使用して、簡単な合成操作を3ds Max 内で直接行えます。スケマティックノートベースのインタフェースで、レンダーレイヤやパスを簡単にワイヤリングし、ブレンドおよびカラーコレクションなどのコンポジティングノードに組み合わせられます。結果のコンポジットは、Adobe After Effects またはAdobe Photoshop に渡して、さらに微調整できます。
ActiveShade によるインタラクティブなiray レンダリング
NVIDIA iray レンダラーの新しいActiveShade のサポートにより、インタラクティブなクリエイティブプロセスでレンダリングを調整できます。ActiveShade によって、カメラ、ライト、マテリアル、ジオメトリが変更されるたびに更新されるインタラクティブなレンダリングセッションが可能になり、アーティストは、より効果的に反復処理を行うことで調整を行えます。フィードバックループが短縮されるため、シーンをより効率的に微調整して、狙い通りのレンダリング品質をより迅速かつ簡単に実現できます。
MassFX の機能強化
シミュレーションソルバのMassFX 統合システムにさまざまな機能強化や新機能が加えられたことで、さらに統合化した正確なダイナミックツールセットを利用できるようになりました。主な機能には、布地を裂くことができる新しいmCloth モジュールや、ダイナミックラグドール階層のサポートなどがあります。加えて、コンストレイントの強化、扱いやすくなったピボットポイント、UI の見やすさの向上などが、全体のワークフローを向上します。
ワークフローへの注力
「ちりも積もれば山となる」ことは皆さんご存知でしょう。ポリゴンのカット時および作成プロセス中にカメラを操作する機能や、スキンモディファイヤの強化、モードレスの[配列]ダイアログなど、3ds Max 2013 には多くの改善が加えられています。さらにお客様は、3dsmaxfeedback.autodesk.com (英語)のフィードバック用の公開フォーラムSmall Annoying Things(細かな問題) で、ワークフローを改善するアイデアを提案していただけます。
レイアウトタブ
特定の作業に必要なビューに効率的にアクセスするために、多くのビューポートレイアウトを設定して、容易に切り替えることができます。レイアウトには、3D および拡張したビューポートの両方を含めることができます。アイコンをクリックするかホットキーを押すだけで、異なるレイアウトを選択できます。カスタマイズしたビュータブのプリセットを保存およびロードして、他のユーザと共有できます。
カスタマイズ可能なワークスペース
既定値またはカスタムのワークスペースを選択することで、3ds Max を個々の作業方法に適用できます。各ワークスペースに個々のメニュー、ツールバー、リボン、ビューポートタブ プリセットの設定を含めることができます。加えて、新しいワークスペースを選択すると、自動的にMAXScript が実行されます。これにより、ユーザは容易にワークスペースを設定して、簡単にそれぞれの好みまたは作業に合わせることが可能です。たとえばアーティストは、モデリング用とアニメート用にそれぞれ異なるワークスペースを設定することもできます。
リタイムツールを搭載したトラックビュー
アニメーションのタイミングを調整して、スピードを変化させられるようになりました。リタイムツールは、既存のアニメーションカーブのタンジェンシーの変更によって行われます。タイミング調整される部分にキーフレームを設定する必要はなく、最終結果の高品質のカーブに余分なキーフレームも作成されません。
Autodesk HumanIK と CAT との相互運用性
3ds Max CAT (Character Animation Toolkit) の二足歩行キャラクタを、Autodesk Maya 2013 およびAutodesk MotionBuilder 2013 で使用されるAutodesk HumanIK ソルバと互換性のあるキャラクタに、ワンステップで変換できます。これらのデータ転送可能なキャラクタを使用すれば、アニメータは、既存キャラクタの構造、定義、アニメーションをソフトウェアパッケージ間で転送し、特定の機能セットを活用することができます。Maya またはMotionBuilder で作成されたアニメーションの変更は、3ds Max 内の元のCAT キャラクタにもアップデートして戻され、双方向のワークフローを促進します。
その他の新機能
上記以外にも、Autodesk 3ds Max 2013 には、以下の機能が搭載されています。
iray の強化
iray レンダラーに新しくモーションブラーがサポートされ、動きのあるよりリアルな画像を作成できるようになりました。加えて、iray には、「バンプマップなしの拡散反射光シェーディング」のサポート、ラウンドコーナーエフェクト、プロシージャルマップの追加、スカイポータルの向上、光沢のある屈折、透明性、IOR (屈折率)、高速化された屋外シーンのコンバージェンス、より高い出力解像度を処理するメモリー管理機能など、多くの改良が加えられています。
Nitrous の強化
Nitrous 高速グラフィックスコアの多くの機能が強化されました。大規模なシーンの描画性能が向上し、イメージベースドライティングのサポート、被写界深度、高速なパーティクルフロー表示、新しい粘土シェーダを利用できます。加えて、MAXScript を介してボケシェイプを変更する機能の追加、大規模シーンでの高品質シャドウのサポート、インテリアシーン用のワークフローの強化など、Nitrous 機能が拡張されました。
gPoly
3ds Max 2013 は、新しくgPoly ベースオブジェクトを導入し、変形するメッシュによるアニメーション再生パフォーマンスが向上しました。場合によっては、最大3 倍速での再生が可能です。gPoly は、メッシュの変形がトポロジを変更しない場合に再生を高速化できます。
Maya のナビゲーションスタイル
Autodesk Maya を使い慣れたアーティストは、新機能のMaya の操作モードを利用できます。Maya でビューポートをナビゲートするように、同じマウスとキーの組み合わせを3ds Max 上で使用できます。両方のソフトウェアを使用する場合には、統一された作業スタイルを使用できるこの機能は、時間を節約し、フラストレーションを軽減します。加えて、操作モードは好みに合わせてカスタマイズ可能です。
Autodesk Revit Architecture との相互運用性の強化
3ds Max とAutodesk Revit Architecture 2013 の両方を使うスタジオは、より効率的なデータ交換ワークフローを活用できるようになりました。evit ファイルが直接サポートされるようになったことで、3ds Max ユーザはRevit ファイルをロードする際にデータが格納しているビューデータから最適な物を選択できます。
DirectConnect のサポート
Autodesk DirectConnect シリーズのトランスレータ機能が新しくサポートされたことで、3ds Max 2013 ユーザは、AutoCAD、Autodesk Inventor、Autodesk Alias、Dassault Systemes SolidWorks およびCatia システム、PTC Pro/ENGINEER、Siemens PLM Software NX、JT、その他の特定のアプリケーションなど、CAD製品を使用する設計者とインダストリアルデザインデータをやり取りできるようになりました。さまざまなファイル形式がサポートされています(中には別途ライセンスが必要なものもあります)。データはネイティブなソリッドボディオブジェクトとして読み込まれ、必要に応じてインタラクティブに再テッセレーションができます。
3ds Max SDK の.NET の公開
3ds Max 2013 SDK (ソフトウェア開発キット)では、.NET への公開が改善され、.NET 対応言語からアクセスできるようになりました。.NET フレームワークのガーベッジコレクションやリフレクションを利用することで、ソフトウェアの開発が迅速化します。また、組み込みの.NET ライブラリによって、ユーザインタフェースの構築、データベースとの接続、XML およびテキストの解析、数値計算、ネットワーク越しのコミュニケーションといった、一般的なタスクが簡単に行えます。
複数の言語環境
3ds Max 2013 がUnicodeを導入したことで、単一の実行可能ファイルで複数の言語を簡単に切り替えることが可能になりました。ソフトウェアを再インストールすることなく、好みの言語を選択して実行できます。
Autodesk 3ds Max 2013 の新機能と機能強化の全情報については、Web ページをご覧ください(www.autodesk.co.jp/3dsmax)。
●Autodesk Maya 2013
Mayaの新機能で最初に紹介されたのは,GPUによるオブジェクトキャッシュを使用した「Alembicファイルキャッシング」だ。デモでは,ベニスの街を再現したという16GBにも及ぶ3Dデータがほとんどストレスなく動かせる様子が示された(GPUは描画しきれていないが操作はできるというものだった)。
また,毛髪用のシステムが一新され,従来の独自エンジンから,Mayaの物理エンジンである「Nucleus」を使用したものに差し替えられている。これにより,Nucleusを使用した「nCloth」や「nParticle」といったシステムと連動したシーンにも対応できるようになった。髪の毛同士の干渉や巻き毛といったものにも対応できるとのこと。
さらに,アニメーション関係では,「Atom」という機能が追加された。これは,キャラクターのアニメーションをほかのキャラクターに移すときに,アニメーションのリターゲッティングだけでなく,各種設定をまとめて行ってくれるものだ。地味ながらかなり便利な機能となりそうである。
Autodesk Maya 2013
機能と特長
Autodesk Maya 2013 は、今日の困難な制作の要求に対処するために必要な、最先端かつオープンなパイプラインを作成、維持する実用的なツールセットを提供します。ダイナミックシミュレーション、アニメーション、レンダリング用の新しい強力なツールセットにより、アーティストはこれまでにない創造性を発揮しながら、スケジュールと予算に沿って生産性を向上させることができます。加えて、Maya 2013 に導入されたOpen Data イニシアティブにより、大規模なデータを使うノンリニアワークフローが簡単に扱えます。これにより、コンテンツ クリエイタは作業をすばやく完了させながら、膨大かつ複雑な要求に、より簡単に対処することができます。
主な新機能と特長
Maya nHair
Maya Nucleus 統合シミュレーションフレームワーク用の新しい Maya nHair モジュールにより、よりリアルなヘアとその他のカーブベースのダイナミクスが実現しました。他のNucleus モジュールと完全に統合されたnHair は、Maya nCloth およびMaya nParticles の両方と双方向での操作が可能なため、複数のダイナミックエンティティがすべて同時に動作する複雑なシミュレーションを作成できます。アーティストは、すべてのNucleus モジュールでフィールド、フォース、コンストレイントに共通のシステムを使用することができるため、新しいモジュールの導入時にも簡単に使いこなすことができます。
Viewport 2.0 の強化
イメージ プレーンおよびアニメーションのゴースト化のサポートと、高品質のデプス ソートにより、Viewport 2.0 がより機能的に完成された高性能かつ高品質のビューポートを提供するようになりました。Viewport 2.0 により、高品質かつインタラクティブな環境で作業を評価することができるため、よりクリエイティブな判断を下すことができます。加えて、同じハードウェアレンダリングテクノロジーを使用して、スクリーンサイズより大きいフレームをバッチ レンダリングできるため、短時間で高品質のアニマティクスとプリビズを制作できます。
新しいノードエディタ
3 つの詳細レベルを搭載した新しいノードエディタで、ノードネットワークの作成、編集、デバッグを容易に行えます。ドラッグアンドドロップによって接続を編集できるため、コネクションエディタへの依存を低減し、ノードをより直感的な環境で接続操作することができます。データタイプごとに色分けされているので、有用な情報を簡単に把握できます。
Bullet Physics
高性能なオープン ソース AMD Bullet Physics エンジンを使用して、ソフトボディおよびリジッドボディの両方を単一のシステムでシミュレートできるようになりました。単独および連続的な3D 衝突判定を搭載したBullet により、ゲーム開発およびビジュアルエフェクト業界で働くアーティストは、きわめてリアルな布、ロープ、変形可能なオブジェクト、ラグドールスケルトンを作成することができます。Bullet は、Microsoft Windows (64 ビットのみ)、Linux、Mac OS X オペレーティングシステムで使用できます。Windows およびLinux 上でのOpenCL アクセラレーションに対応しており、これらのプラットフォームではより高速なパフォーマンスが得られます。
ヒートマップスキニング
新しいヒートマップ スキニング(Heat Map Skinning)手法により、スケルトンへのジオメトリの最初のバインドがより正確になり、手動で微調整する必要性が軽減されました。関連性のないボーンではなく、近接している目的のボーンに対しスキンをより正確に割り当てられます。
Trax クリップマッチ
複数の Trax クリップを利用し、モーションのマッチングを容易にビジュアライズして、クリップのブレンドを調整できるようになりました。クリップのゴースト化機能により、クリップの開始フレームと終了フレームを3D 表示内でスケルトンワイヤフレームとして表示することができます。この表示を活用してクリップを手動で合わせたり、任意のオプションで移動および回転をさせて自動的に一致させることもできます。
Alembic キャッシュ
新しい Open Data イニシアティブをサポートしたことで、Alembic オープンコンピュータ グラフィックス交換フレームワークフォーマットを読み書きできるようになりました。Sony Pictures Imageworks Inc. およびLucasfilm Ltd. の共同開発によるAlembic は、複雑にアニメートおよびシミュレートされたデータを、アプリケーション非依存のジオメトリとしてベイクします。結果として、アニメーションとライティングなどの部門間で大規模なデータセットをより簡単に受け渡すことができます。完全に編集可能なシーンデータのやりとりで問題になる、負荷やインタラクティビティの低下が軽減されます。
ATOM アニメーション転送
新しい Open Data イニシアティブの別の要素、新しいATOM (Animation Transfer Object Model)オフラインファイル形式を介して、キャラクタ間でアニメーションを転送できるようになりました。ATOM は、キーフレーム、コンストレイント、アニメーションレイヤ、セットドリブン キーをネイティブでサポートしているため、新しいキャラクタが作成された際に既存のアニメーションデータをより簡単に再利用できます。
ファイル参照ワークフローの強化
新しい Open Data イニシアティブに関連するファイル参照用のユーザインタフェースと根本的なアーキテクチャの両方が改良されたことで、これまで以上に簡単にシーンをセグメント化して並行作業できるため、複雑な作業を管理しやすくなりました。その結果、ファイル参照がより自然かつ直感的なMaya ワークフローの一部になっています。
グラフ エディタの機能強化
新しいインタラクティブなリタイム ツール、ポーズトゥポーズ アニメーションのためのステップ プレビュー モードなど、グラフ エディタへの機能強化はアニメータの効率性を向上します。
HumanIK の機能強化
HumanIK 機能セットへ多くの機能強化が追加されました。カスタム リグを設定したキャラクタでHumanIK アニメーションをマップおよびリターゲットできる機能、アプリケーション間で一貫した分かりやすいキャラクタ操作環境、特定の要件に合わせてカスタマイズ可能なキャラクタ表示、操作および再生時の連続的なリグの位置合わせ、ロールボーンの影響に対する詳細なコントロールなど、強力な二足歩行キャラクタリギングおよびアニメーション ツールをより簡単に活用できるようになりました。
Autodesk Maya 2013 の新機能と機能強化の全情報については、Maya プロダクトセンター Web ページをご覧ください(www.autodesk.co.jp/maya)。
●Autodesk Softimage 2013
Softimageでは,ハイクオリティビューポートが実装され,レンダリング時とほぼ同じような状態の画面を手軽に確認できるようになった。また,新しくCrowdFXという群集シミュレータが搭載され,モブシーンなどを簡単に設定できるようになったという。ちなみに,これはGrip EntertainmentのPopulationなどとは別の,Autodesk独自技術によるものとのこと。
Autodesk Softimage 2013
機能と特長
Autodesk Softimage 2013 が新たに提供する強力なクリエイティブツールセット、最終結果に近いインタラクティブなプレビュー環境、カスタマイズ機能の拡張で、アーティストやテクニカルディレクタは製品をさらに活用できます。
画期的な CrowdFX シミュレーション機能セットから、ハイクオリティビューポート、強化されたモデリング、アニメーション、物理、選択ツールまで、アーティストは全般的な創造の自由を発揮できます。さらに、Autodesk Maya 2013 およびAutodesk 3ds Max 2013 との相互運用性の向上と、SDK (ソフトウェア開発キット)の強化により、既存パイプラインの拡張が促進されます。
主な新機能と特長
CrowdFX
Softimage 内の専用の環境で、先進的な群集シミュレーションを作成できるようになりました。ICE (Interactive Creative Environment)マルチスレッドパーティクルシステムのパワーを活用して、環境およびキャラクタ同士でインテリジェントに反応する大量のキャラクタを使用した、非常に複雑なビジュアルエフェクトを作成できます。CrowdFX シミュレーションは、Maya 2013 に簡単にエクスポートして、既存のMaya シーンに再現ができます。
ハイクオリティビューポート
新しいハイクオリティビューポートにより、ソフトウェアレンダラを使用して頻繁にプレビューする必要性が軽減され、コンテンツをより効率的に微調整できます。レンダリング出力に近い表示環境で作業をインタラクティブに評価できるため、より迅速に、より良いクリエイティブな判断を下すことができます。
リギングとアニメーションの向上
アニメーションおよびリギングツールセットに多くの機能強化が追加され、日常的なアニメーションワークフローの全般的な生産性が向上しました。アニメーションミキサ、GATOR、ドープシート、F カーブエディタ、シノプティックエディタ、プリミティブボーンのすべてが強化されています。豊富な機能強化には、新しいマニピュレータで簡単にF カーブをリタイムする機能、シノプティックエディタ内でのPython. スクリプト言語のサポート、ペイント時に正規化されていないウェイト値を追加するオプション、クリップの作成時にアニメーションレイヤを含める機能、オートキーをオンに設定した場合のビジュアル表示があります。
ICE のためのBullet Physics
評判のオープンソースBullet Physics エンジンがICE に統合され、ICE リジッドボディシミュレーションの重要な部分である障害物の衝突判定オプションが強化されています。新しいActual Shape Collision オプションにより、パーティクルベースのリジッドボディダイナミクスで、凸状でない複雑なメッシュとの高速の衝突を計算したり、変形するメッシュとの衝突を計算させることで、より正確なシミュレーションが可能になりました。
新しいモデリングツール
定評あるSoftimage ポリゴンモデリングツールセットを拡張する新しいツールが多数導入されました。Softimage 2012 で導入されたICE モデリングフレームワークをベースに、厚み、ホールキャップ、エッジのカット、抽出などの新しいオプションが追加されています。加えて、インタラクティブなツールセットには、新しいSoftimage 2012のTool SDK をベースにした直感的な新しいスムースエッジ ループ追加ツールがあります。このツールによって、エッジループの追加の際にもオブジェクトの輪郭を示すシェイプは維持されます。メッシュをスムースにしたり、オブジェクトの連続性を維持するための追加作業は必要ありません。
新しい選択ツール
新しい選択ツールとワークフローが広範囲に追加され、さまざまなコンポーネント選択を非常に簡単かつすばやく作成できるため、一般的かつ反復的な作業の生産性が向上しています。たとえば、クイックループを使用して、エッジ、ポイント、ポリゴンをダブルクリックするだけでループを定義したり、[Shift]+ ダブルクリックして範囲を定義できます。その他の実用的な選択オプションには、ポリゴンアウトラインの選択、選択項目のループ(コーナー周り)があります。
ICE の強化
TD (テクニカルディレクタ)は、ICE コンパウンドプロパティページで、スクリプトコードをアタッチして実行できます。ICE Tree のコンテンツの修正、シーンアイテムまたは値の変更に、VBScript、Python、Jscript を使用してコールバック、コマンド、クエリー(「if 文による条件分岐」など)を実行できます。これにより、制作およびパイプラインのカスタマイズが非常に簡単になり、さらなるコントロールが実現します。加えて、Softimage 2013 は、コンパウンドをナビゲートする際にビューの位置を記録する機能や、コンパウンドに出入りするためのホットキーなど、アーティストの生産性の向上に役立つ数多くの機能を強化しています。
SDK の改良
SDK (ソフトウェア開発キット)の多くの機能が追加されたため、開発者およびTD は、Softimage をさらに拡張およびカスタマイズできます。主な機能に、新しいビュー属性、アンカーポイント、ワークグループ管理機能があります。
インタラクションモデルに3ds Max の操作をサポート
3ds Max に精通しているアーティストが、使い慣れたカメラナビゲーション、マウス操作、ホットキー、選択モード、キーフレームモードを設定するオプションを使用して、Softimage での作業を迅速化できるようになりました。
サンプルメッシュおよびシーン
追加されたサンプルシーンを見ることで、アーティストは、ICE のモデリングテクニックを理解することができます。また、UV 付きの新しいサンプルメッシュは、キャラクタやオブジェクトのモデリングのベースとして使用できます。男性、自動車、ティラノサウルス、雄牛、魚、トカゲ、馬などさまざまなシーンが搭載されています。
シーンとデータ管理の強化
あるシーンを共同制作している複数のアーティストが、アノテーションオブジェクトによって重要な情報を伝達できるようになりました。アノテーションオブジェクトは、ひと目で分かる吹き出し形のオブジェクトです。加えて、SDK ではビューポートのメモカム情報の取得やセットが可能になり、より多くのカメラ制御が可能になりました。
Autodesk Softimage 2013 の新機能と機能強化の全情報については、Softimage プロダクト センターWeb ページをご覧ください(www.autodesk.co.jp/softimage)。
●Autodesk MotionBuilder 2013
MotionBuilderでは,これまでメインメモリに蓄積していたストーリーデータをHDDに保存するように変更された。これは,バーチャルプロダクションなどで同じシーンで多くのカットからのデータを取ることが増えてきたことに対応したものとのこと。
新たにヘッドアップディスプレイ機能をサポートしており,扱っているカットがいつどこで作られたものなのかをシーンデータに埋め込むことができる。
そのほか,ほかのツールとの連動度が高められていることなどもデモで示された。
●Autodesk Mudbox 2013
3DスカルプトツールのMudboxもアップデートされ,「Gigatexel Engine」が一新されてさらなるディテールが描き込めるようになっているという。
これらのツールは,最初に示した価格からも分かるように,およそ個人で扱うようなものではないのだが,3Dゲームのほとんどはこれらのツールを使って作られているといっても過言ではないほど各社で使われているツール群である。これらが高機能になればなるほど,ゲームのグラフィックスクオリティも上がってくるわけだ。ゲーム開発の裏側を知る意味でも注目しておきたい。
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