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Core 2
  • Intel
  • 発表日:2006/07/27
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Intel,Penrynのデモを少しだけ披露。45nmプロセスをアピール
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印刷2007/08/10 18:33

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Intel,Penrynのデモを少しだけ披露。45nmプロセスをアピール

吉田和正氏(インテル 代表取締役共同社長)
 Intelの日本法人であるインテルは,2か月に一度の開催となる報道関係者向け説明会「インテル クライアント・レギュラー・アップデート」を2007年8月10日に開催。2006年7月27日の発表から1周年を迎えたCore 2ブランドの成功を振り返ると同時に,2007年中に登場すると見られる次世代のCoreマイクロアーキテクチャ採用CPU「Penryn」(ペンリン,開発コードネーム)ファミリーの今後について解説した。

 インテルの吉田和正代表取締役共同社長は,Coreマイクロアーキテクチャ製品発売から1年が経ち「もはやPentiumという名前はほとんど聞かなくなった」と述べ,一時代を築いたPentiumから,Core 2へのブランドチェンジが成功を収めたことを強調する。そして,“その次”として用意されるPenryn世代のCPUに,インテルとしてかなりの期待をしているとした。

Penrynのウェハ


技術面の解説を行った土岐英秋氏(インテル 技術本部 技術部長)
 Penrynについては4Gamerでも過去に何度か取り上げているから,憶えている人も多いだろうが,特徴を簡単におさらいしておこう。

 Penryn世代のCPUは一言でいうと,現行のCore 2 Duo/Quadを拡張した製品だ。Intelは1年ごとに「新しいプロセス」と「新しいサーキット(≒回路)」を順に投入していく「TICK-TOCKモデル」を採用しているが,Core 2 Duo/Quad登場後1年というわけで,今回は同社のCPUとして初めて45nm High-Kプロセスが採用されている。

 これは,ゲートの絶縁にHigh-K(高誘電率)素材を用いることでリーク電流の大幅な低減を実現。集積度を2倍に向上させると同時に消費電力の削減を可能にしたという,新しいプロセス技術だ。さらにゲート素材にメタル(鉄)を用いることでトランジスタの動作速度が高速化されているとのこと。
 この45nm High-Kプロセスに関しては,Intelの“大御所”ゴードン・ムーア氏――「ムーアの法則」の人で,Intel創業者の一人――が「1960年後半のMOSトランジスタの開発以来,最も大きな変化」と強調していることからも,その革新性が窺えよう。

 さてPenryn世代のCPUでは,45nmプロセスによる集積度の向上を利用して,現行のCore 2 Duo/Quadをベースに,いくつかの拡張が加えられている。
 ゲーマー的に最も重要なのが,L2キャッシュ容量の増加だ。従来は2コア当たり4MBだったのが,Penryn世代では同6MBに拡張される。従来よりも高速な除算回路(Radix-16 Divider)が搭載される点も,パフォーマンス向上に寄与してくれそうだ。

2008年の登場が予定される次々世代CPU「Nahalem」(ネヘイレム,開発コードネーム)に関する大きなアップデートはなし。ただし,2007年9月のIntel Developer Forumで,詳細が語られると予告された
 また,4Gamer的には微妙だが,拡張されたSSE命令セット「SSE4」のサポートも特徴である。SSEとは,複数の値に対して同時に演算を行う命令セットで,3Dや動画処理などに高い威力を発揮する。SSEの仕様上,利用するためには複数の値をひとまとめにしたデータ型への変換が必要だが,これが意外に面倒でプログラム作成者にとっても負担になっていた。SSE4では,このSIMD型への自動変換を支援する命令が追加され,負担が大きく減ることになる。
 ビット単位の処理をハードウェアで支援するスーパーシャッフルエンジンの搭載も動画や画像処理周りでは重要なアップデートだ。ビット単位の入れ替えというのは,そういった処理で比較的多く利用されるので,この部分がハードウェアされることは,大幅な速度向上につながるだろう。

■デモ自体はあっさりしたものだったが
■量産前サンプルによるものである点は要注目


Wolfdaleの動作デモ
 会場に持ち込まれたデモ機はPenryn世代のデスクトップ用クアッドコアCPU「Yorkfield」と同デュアルコアCPU「Wolfdale」(順にヨークフィールド,ウルフデール。ともに開発コードネーム)。動作クロックも前者が3GHz,後者が2.66GHzと異なっているうえ,デモは「CINEBENCH R10」でCPUによる3DCGのレンダリングを行うもの。さらにいえばスコア等も明らかにされなかったので,動作デモとしては正直今一つだったが,持ち込まれたYorkfieldとWolfdaleがともに初期サンプルではなく,量産前サンプルだった点は強調していいだろう。

こちらはYorkfieldの動作デモ
 量産前サンプルというのは,PCメーカーなどの検証用CPUのことで,言ってしまえば量産品とほぼ同等。この時期に量産前サンプルを出してきたのは,Penryn世代の開発が順調で,計画どおり進んでいることを(うがった見方をすれば,AMDが「Phenom FX」の動作デモを行う前に)アピールする狙いがあるものと思われる。

 以上,Penrynのデモ自体はとくにどうということもなかったが,インテルが強調するように,Penryn世代で採用される45nm High-KプロセスはCPUのパフォーマンスを大きく上げる可能性を持つ技術と思われる。
 一方ライバルのAMDは,Intelが45nmプロセスへの移行を果たすと,プロセス世代で1世代遅れることになる。マイクロアーキテクチャの改良だけでIntelに対抗できるのか,これが今後の注目点になりそうだ。とりあえずは,8月12日に行われる予定となっているPhoenom FXのデモにも期待しよう。(ライター:米田 聡)

※お詫びと訂正:初出時に「一方ライバルのAMDは,Intelが45nmプロセスへの移行を果たすと,プロセス世代で2世代遅れることになる」とありましたが,1世代の誤りです。お詫びして訂正いたします。



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