エヌ・シー・ジャパンのMMORPG「
The Tower of AION」は,11月2日に大型アップデート“エピソード2.0 新世界”を実装する。6月に行われたAION 1.9に続き,大規模アップデートだ。このアップデートにおいて,レベルキャップが従来の50から55へと開放され,新規地域の龍界を始めさまざまなインスタンスエリアや,膨大な量の新規クエストと武器・装備などの新規アイテムが追加される。全体的にはレベル50以上のハイレベルプレイヤー向けの内容となっているが、中低レベル帯のキャラクターのためのコンテンツも多数追加される。
それらの中でも目下最大の見どころは,サブタイトルにもなっている“新世界”,すなわち“龍界”へ直接乗り込めるようになることだ。再三にわたってディーヴァ達を苦しめてきた龍族に,これまでの大きな借りを返せる日が来たというわけだ。もちろん,龍族のみならず敵対種族も絶妙な形で絡んでおり,AIONのPvPvEはここへきて新たな局面を迎えることになる。
4Gamerではこれから数回にわたって,エピソード2.0について詳しく解説していく。第一回となる本稿では,最初にこの話をしないと始まらない2.0のメインコンテンツ“龍界”と,ライト層にもウケが良さそうなペットシステムを中心にお届けしていこう。
龍界の位置は,惑星(?)の外側にあたる部分。上側(魔族側)と下側(天族側)で物理的に完全に分離されているものの,両者はシレンテラ回廊で超空間的に接続されている
 |
フィールド型要塞&敵対種族もやってくる
アビスをも上回る激しいPvPvEエリア“龍界”
AIONプレイヤーにとっては言うまでもないことだが,龍族とは全プレイヤー共通の敵である。これまで主にアビスを中心に龍族と激戦を繰り広げてきたが,アビスは龍族の本拠地ではない。今回新たに登場する“龍界”こそが,龍族の本拠地なのである。
いったいディーヴァ達は,どのような経緯で龍界へと侵攻するのか? その辺りのバックグラウンドストーリーが,龍界への入場クエストを通じて補完される。クエストの開始条件は“レベル50”で,バトルなどの難度はさほど高くないが,これまでに登場した主要NPCを一通り巡るため,2〜3時間はかかるようだ。
クエストはそこそこに切り上げて,さっそく龍界へと降り立ってみた。龍族のフィールドには,大きく分けて二つのエリアが存在する。天族側(エリュシオン)から行ける天族の拠点“インギスオン”と,魔族側(パンデモニウム)から行ける魔族の拠点“ゲルクマルス”だ。
最初はアビスのような亜空間を思い描いていたのだが,実際に見てみると,意外なことに従来のエリアと比べて極端には違わないようだ。インギスオン側,ゲルクマルス側ともに立派な拠点の施設もあり,広さも従来の広域エリアとさほど変わりない。
ただ,背景や生息物などをじっくりと見ると,どことなく現実離れした印象を受ける。モンスターの強さに関しても,拠点を一歩出るとレベル50以上がうようよしており,一切気を抜くことができなさそうだ。
ここまでは従来のエリアを順当にアップグレードさせた内容だが,新たな仕掛けも盛り込まれている。龍界における最大の特徴の一つは,インギスオンとゲルクマルスの2エリアが,“シレンテラ回廊”というダンジョンで繋がっていることである。しかも龍界全域において“飛行”が行えないため(滑空は可能),アビスと比べてリスクが非常に高い。
シレンテラ回廊に出現するモンスターは,経験値やドロップアイテムが全体的に美味しく,天族・魔族の両者がここへ集まる形となる。その結果,まるで24時間フルタイムで“ドレドギオン”が発生しているかのような,凄まじい激戦が繰り広げられるようになるだろう。
2.0の最終目的地“パシュマンディル寺院”と
快適な移動用ショートカット“風道”
シレンテラ回廊には,PvPvEに関連したシステムがもう一つある。龍界の天魔それぞれのマップには,“要塞”が各2か所存在している。これらはアビスと似たような感じで,“要塞戦”を通じて占領でき,現在占領している数に応じてインスタンスエリアなどのご褒美を得られる。
龍族を含めた敵対勢力をことごとく打ち破り,各種族の拠点が存在するエリアの2か所の要塞をすべて同種族が占領しているときに限り,シレンテラ回廊の南側に位置するインスタンスの“パシュマンディル寺院”への挑戦権が得られる。パシュマンディル寺院は,2.0実装後のAIONで最も難度が高いインスタンスダンジョンで,さらなる強敵や,報酬のグレードも大いに期待できるだろう。……クリアできれば,……というより挑戦できればの話だが。
ちなみにパシュマンディル寺院の主はルドラという名前なのだが,晴れて条件を満たしてその姿を拝むことができた暁には,その雄々しい姿に,初めてタハバタを目にしたときの興奮を思い出すことになるはずだ。
もう一つ,インギスオンとゲルクマルスで新たに登場する,“風道”についても触れておきたい。これはエリア内の各所に張り巡らされた,パイプ状の気流である。滑空などでここへ飛び込むと急速に進んでいき,その間は飛行時間を消費せずにショートカット移動できるというわけだ。実際に乗ってみたところ,空中版遊歩道といった趣で,実に快適であった。飛行ができない龍界では,貴重なショートカット手段となるはずだ。ちなみに,風道には,移動途中で離脱できるタイプと,そうでないタイプの2種類がある。
龍界には短いものから長いものまで,このような風道が20か所近く用意されている。これを活用して初めて到達できる場所もあるそうだ。これらの風道の場所は固定だが,インゲームマップでは確認できない。その代わり,公式サイト上で公開中の“PowerMap”にヒントが一部示されているようだ。
やたらと可愛い&“羽”などのアクセサリーに注目
さまざまなタイプが用意されたペットシステムが登場
最後に,2.0で新たに登場するペットシステムについて紹介しよう。ペットは最終的に“鑑賞タイプ,警報タイプ,生産タイプ,倉庫タイプ,複合タイプ”の5種類が登場するのだが,今回のテストプレイでは,鑑賞/倉庫/生産の3種類を試すことができた。
ペットの入手方法にはこれといったややこしい条件はなく,エリュシオンやパンデモニウムのNPCから“卵”を購入する。これを,隣にいるブリーダーに羽化してもらえばOKだ。一番安いペットの価格が約10万ギーナで,実際に入手できるのは中級者以降になるかもしれない。
羽化したペットは,基本的にいつでも呼び出せる。いくつか呼び出してみると,流石にAIONだけのことはあり,モデリングと動きが実に可愛らしい。とくに,ディーヴァが飛行中にペットが羽ばたきながらついてくる姿は必見だ(羽根が生える)。ペットの種類もかなり豊富で,アクセサリ類も装着でき,かなりの人気が出そうだ。
鑑賞/倉庫タイプに関してはこれといった説明は不要かと思うが,生産タイプについて少し補足しておきたい。というのも,この種類のペットはアイテムを与える(食べさせる)ことで,別のアイテムを作り出してくれるのだ。与えるのは食べ物以外では、ジャンク品なども大丈夫らしい。ここは試しに食べられない「武器」を与えてみると,健気に食べようとしてくれるのだが……が,やはり食べられずに吐き出してしまった。どのようなアイテムを作り出してくれるのか,詳細が気になるところだ。このあたりは,2.0が実装されたら皆さんで試してみてほしい。
とりあえず,今回の記事はここまで。取材時は,このほかにもたくさんの新情報が得られたので,それらに関してはまた別の機会で紹介しよう。興味を持ったAIONプレイヤーは,今のうちにレベル50まで育成しておくとよいだろう。