運営チームに聞く「Perfect World」の現状と今後。5周年という節目に向け，「100人ダンジョン」など新コンテンツも準備中

　2011年4月で4周年を迎えた，シーアンドシーメディアの運営するMMORPG「Perfect World -完美世界-」は，5周年に向けてさらなる飛躍を遂げようとしている。今回はPerfect Worldのプロデューサー衣川享亮氏と運営チームの坂東祐治氏にインタビューを行い，これまでを振り返りながら5周年へのロードマップについて聞いてきた。

新システムの評判とその問題点。プレイヤーの声を反映した調整も視野に

Perfect Worldプロデューサー衣川享亮氏

　昨年から新種族の追加など大型アップデートが頻繁に行われ，4周年を迎えた今年も歩みを止めることなく順調に進化を続けてきたPerfect World。
　サービス開始から4年が経過したタイトルではあるが，美麗なグラフィックスや，最高水準の自由度を誇るキャラクターメイキング，飛行や二段ジャンプなど，現時点でも色褪せていないシステムがプレイヤーから評価されている。

　昨今は，「導入用新サーバー」の立ち上げやギルド基地といった，コミュニティ関連にも力が入れられている。
　年月を経たオンラインゲームでは，ベテランプレイヤーと新規プレイヤーとのギャップが問題になりがちだ。Perfect Worldでは，「導入用新サーバー」を作って，この問題に対処している。導入用新サーバーとは，新規プレイヤーが入りやすい環境を作り，同レベル帯でコミュニティを形成してもらいつつ，一定期間後にそのまま既存のサーバーに統合するというもの。新規プレイヤーはもちろん，新規プレイヤーのフォローアップのために，そのサーバーにキャラクターを作る既存プレイヤーも多く，なかなかの賑わいを見せているのだとか。
　導入用新サーバーでは経験値の倍率が上げられており，かなり早く成長できる仕様なのだが，「甘やかしすぎではないか」との声も寄せられているのだという。
　「コアゲーマーの方達にとってはやりがいのあるタイトルだとは思いますが，初心者の人達に向けての調整も入れたいところです。しかし，調整を入れすぎると古参プレイヤーの皆様には納得ができないと思われてしまいます」と衣川氏は悩みを打ち明ける。長くサービスを続けているタイトルであるがゆえの問題点であり，調整はかなり難しいところだが「多くのプレイヤーの方々に納得してもらえるような形にします」と，導入用新サーバーに関する仕様変更を考えていることを明らかにした。今後，どのような手を打ってくるかに注目したい。
　ギルド基地に関しては，コミュニティ要素の軸として調整と拡充をしていく方向で，今後はギルド基地から派生する要素もいくつか追加される予定だという（後述）。
　また，「維持するのがかなりきつい」というプレイヤーの意見が多いという。これについては一度調整を加えたものの，ギルド基地はギルド全員のものであるため，ギルドメンバーが協力し合わなければ維持は難しいバランスになっているようだ。

Perfect World運営チーム坂東祐治氏

　4月に実装された，新職業となる召喚師と剣士は，状況に応じてスタイルを柔軟に変えて戦うことができるオールラウンダーなクラスであった。MMORPGでは一般的に，より特化したキャラクターが好まれる傾向にあるため，そういう意味ではイマイチなクラスと受け取る人もいるだろう。だが，衣川氏曰く「突き詰めていくと，あるところでは特化している部分があります。その部分を見つけるまでは少し難しいかもしれませんが，オールラウンダーであるがゆえに，パーティプレイでもソロプレイでもなかなか面白い立ち回りができ，楽しくキャラクターを育成できます」とのこと。キャラクターが成長するにつれて，強力なクラスとしての片鱗を見出すこともできるかもしれない。
　派手な召喚獣の召喚や，巨大な剣を振り回すなど，ビジュアル面で目を引くキャラクターでもあるので，初心者には人気があるのだとか。

　なお，新種族（新職業）の追加は2回行われているが，次の種族は未定であるという。既存の種族を育てつつ，続報に期待しよう。

召喚師と剣士

今年の振返りと今度の展望。100人ダンジョンなど新機軸の新要素も導入

新ペット

　1〜2か月に1度のペースでアップデートが行われているPerfect World。今年もそれは変わらない。2011年は，新種族・職業の実装を皮切りに，新ダンジョンや新システムイベント，ギルド基地などさまざまなコンテンツが実装されている。とくにギルド基地については，ギルドの仲間で協力することが重要になっているので，以前Perfect Worldをプレイしていて最近は少し離れているというプレイヤーは，この機会に戻ってみるとギルドメンバーから大歓迎されるのではないだろうか。

　中国では，9月に中規模アップデートが実施されており，11月に大型のアップデートが行われる予定だ。日本では，これらをの内容の一部をコンテンツアップデートとして年内に追加するほか，来年の5周年のタイミングあたりの大型アップデートでの反映を予定しているという。
　このアップデートでは，既存マップ内に新しい村，仮称“極楽村”が追加される。村内で新しいクエストを受けられたり，現在ペットにできないモンスターもペットにできるようになったりするらしい。
　新装備に関しては，8階級の武具がすべて実装されることになる。

極楽村の位置

第8段階装備

　ギルド基地に関しては，コミュニティ要素の軸として今後も拡充していく方向で，ギルド基地から派生する要素もいくつか追加される。その1つが“100人ダンジョン（仮）”だ。
　100人ダンジョンとは，ギルド基地から入ることができるダンジョンで，ギルドメンバーが協力して挑戦する高難度コンテンツとなる。その内部では，新装備の材料やギルド基地の維持に必要な素材などが入手できるのだとか。現在では細かい仕様や最少何人必要なコンテンツなのか，何人以上入ると巨大なレイドボスのようなものが登場するとか，そういったことを詰めている段階だという。

100人ダンジョン

　Perfect Worldは，中〜小規模のアップデートが多く，全体の“動きが見えにくい”タイトルであった。だが，来年は5周年という節目を迎えるにことで，より多くの人にPerfect Worldを知ってもらい，また以前遊んだことのあるプレイヤーには，進化した本作を再度見直してもらって，懐かしい気持ちと共に今一度プレイしてもらいたい。運営チームとしてはそう考えているようだ。
　長くサービスを続けている安定感はそのままに，長くサービスが続いているゆえの問題点を認識・是正していくPerfect Worldは，これからも進化を続けていくのだ。

「Perfect World -完美世界-」公式サイト

極楽村の風景