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[GC 2006#75]「Elveon」は,Unreal Engine 3でエルフ達の剣技を表現
Elveonは,ヒューマノイド種族がエルフしかいないという独特の世界観を持つ。プレイヤーが操るエルフ戦士が,衰え行くエルフ文明の最後のヒーローとして成り上がっていくという,重厚なストーリーが用意されている。シングルプレイヤーで,物語を重視した作品のため,事前にあまり詳しい内容を明かしてしまうわけにもいかないのだと思うが,現在リリースされているムービーでは,奮闘する王の友人が弓で狙撃されたことから,その側近だったプレイヤーが,暗殺者を捕らえるべく城を登って行くという趣向になっていた。
また,霧がかかった森の木々からの木漏れ日(Sun Ray)が,独特の雰囲気を醸し出している。三人称の視点に合わせて,アニメーション表現の大幅な調整が行われており,階段を上る様子が自然に見えるし,歩きながら会話するなど目新しい動きも確認できるなど,その技術力は相当高い。
ほかにも,樹木生成プログラムとしてライセンスされているSpeedTreeに手を加え,年月を経て幹がいびつな形状となった古木などが,見事に表現されている。また,衣服の動きもなかなかリアルにシミュレートしており,マントが雨に濡れると,ずっしりと重くなって風になびかなくなったりもするようだ。全体的に暗いトーンながら独特の雰囲気を作り出しており,典型的なUnreal Engine採用ゲームとは一線を画した作風が見られる。
プレイヤーキャラクターは,槍,剣,短剣,弓という四つの武器スキルを使いこなすことができ,どれかに特化することでより複雑な動きや特殊能力を磨き上げていく。キャラクターの武器使用に関する経験値が上がることで,槍で2人のキャラクターを一気になぎ倒せるようになったり,弓で狙いをつける時間が短くなったりという変化が見られるのだ。
キャラクターのアクションにはモーションキャプチャーが用いられているが,一回に対峙する敵の数は,少なくともデモの中では1人か2人だったため,その多彩な動きは,もっぱらビジュアル面でのアピールと見受けられる。
現在のところは,雑魚であるはずのMedian Warriorのようなキャラクターでもかなり手強く,ある意味ヨーロッパ市場らしい難度設定が感じられた。今後,技術や世界設定ばかりでなく,プレイバランス面も順次改良されていけば,アクションアドベンチャーというジャンルの中でも,ダークホース的なソフトとして受け入れられる可能性は十分にあるだろう。
また,この手のゲームとしては珍しく,マルチプレイヤーモードも用意されており,キャラクター同士をアリーナ風のマップで戦わせたり,ストーリーパートの一部を共同でプレイするといった形が考えられているらしい。
現在のところ,2007年後半にリリース予定ということで,またしばらくは情報が途絶えてしまうこともあり得るが,10Tacleのビジネス担当者は北米地域へのリリースで,大きなパブリッシャーとの商談がまとまりそうだと述べていた。いずれ日本でもプレイできる可能性は十分に高いといえよう。(ライター:奥谷海人)
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Elveon
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ELVEON for PC and Xbox 360 - Produced by AAA Capital Game Production and Sales GmbH & Co. Fonds Nr. 1 KG-(C)2006 AAA Capital Game Production and Sales GmbH & Co. Fonds Nr. 1 KG. Published by 10TACLE PUBLISHING GmbH and developed by 10TACLE STUDIOS SLOVAKIA, s.r.o. All rights reserved.