インタビュー
[E3 2017]「G433」「G233」ヘッドセットでLogitech Gは何を目指したのか。部門ナンバー2に話を聞き,実際の音もチェックしてみた
その製品概要は発表に合わせて掲載した記事でお伝えしたとおりで,G433とG233はいずれも,PCや据え置き型ゲーム機,モバイルデバイスに広く対応するアナログ接続型ながら,G433にはUSBサウンドデバイスが付属し,これを利用することでPC接続時にバーチャルサラウンドサウンド出力機能「DTS Headphone:X」を利用できることと,G433は4色カラーバリエーション,G233はLogitech G/Logicool Gらしい黒+水色のカラーになっていることが特徴だ。
Logitech GはG433とG233で何を新しくしたのか
「Logitech Gとしては,どこで,どのような形でプレイしている場合であっても,彼ら彼女らを満足させることのできるヘッドセットを用意できないかと取り組んだのです」。
その開発にあたっては,市場にあるゲーマー向けヘッドセットのデザインを研究し,「だいたいは見た目が黒くて,合皮のカバーが付いたイヤーパッドを採用しており,“ただ”ゲームをプレイするだけならいいものの,重く,肌にまとわりつきやすくて,長時間使っていると蒸れやすい」という知見を得たそうだ。
標準のSports-Mesh(右)だけでなく,マイクロファイバー素材(左)のほうも“当たり”こそ柔らかくなるものの,素材としてはけっこうドライだった |
イヤーパッド,エンクロージャとも確かに汗に強そうな印象がある |
Pate氏によると,Sports-Mesh素材自体は,(2013年にLogitech Gブランドを立ち上げたときにデビューした)G430でも採用していたそうだが,そこから改善を図ってきているという。Logitechの調査によると,ゲームを開始して8時間も経つと,ジムで数十分汗を流したのと同じ程度の汗をかくため,通気性のよさと洗濯のしやすさというコンセプトを踏襲しつつ,今回はさらに,通気性のよいポーチも付属させることで,「持ち運んだら汗の臭いでひどいことになった」という状況を回避できるようにしてあるそうだ。
それを裏付ける……というわけでもないのだろうが,G433とG233は,ミドルクラス以下の市場を狙うLogitech Gのヘッドセットとして初めて,Logitech G独自開発の40mm径スピーカードライバー「Pro-G」を採用しているのが大きな特徴である。
氏によると,「G933 Artemis Spectrum Wireless Surround Gaming Headset」のベースが適切でないという声が多かった――氏は確かにG933と言っていたが,実際にはおそらくG633へのフィードバックだと思われる――ので,「G533 Wireless DTS 7.1 Surround Gaming Headset」(以下,G533)で少し低音を強くして,G433でさらに少し弄っているといった感じだそうだ。
最後に,取材の現場でスマートフォンとアナログ接続して,Sports-Meshイヤーパッドを取り付けたG433の標準状態でざっと聞いた限りのファーストインプレッションをお届けしておくと,細かく調整したという出力バランスは,確かにかなりいい。
※1.4〜4kHz程度の中高域。プレゼンス(Presence)という言葉のとおり,音の存在感を左右する帯域であり,ここの強さが適切だと,ぱりっとした,心地よい音に聞こえる。逆に強すぎたり弱すぎたりすると,とたんに不快になるので,この部分の調整はメーカーの腕の見せどころとなる。
もともとミドルクラス市場以下におけるLogitech G製ヘッドセットの競争力は高かったのだが(関連記事)。北米市場におけるメーカー想定売価99.99ドル(税別)でDTS Headphone:X対応かつカラーバリエーションありのG433と,同79.99ドルでアナログ接続&1モデルのみのG233がいずれもPro-Gドライバー搭載というのは,相当にインパクトが高い。
Pate氏の「高い製品を買えないからといって,シリアスなゲーマーではない,ということはない」という発言は非常に重く,Logitech Gがそういうユーザーのいる“裾野”を本気で広げ,かつ取りにきている印象は,G433とG233から強く感じることができた。
いずれロジクールから国内発売のアナウンスがあれば,製品版を入手できるはずだ。実機を手に入れ次第,本格的にテストしてみたいと考えている。
LogitechのG433製品情報ページ(英語)
LogitechのG233製品情報ページ(英語)
Logitechによるニュースリリース(英語)
4GamerのE3 2017記事一覧
●G433の主なスペック
- 基本仕様:USB&アナログ接続両対応ワイヤードタイプ,密閉型エンクロージャ採用
- 本体サイズ:81.7(W)×172(D)×182(H)mm
- 重量:約259g(※ケーブル含まず)
- ケーブル長:2m(インラインリモコン付き4極3.5mmミニピンケーブル),1.5m(インラインリモコンおよびマイク付き4極3.5mmミニピンケーブル)
- 接続インタフェース:4極3.5mmミニピン
× 1(※アナログ接続時),3極3.5mmミニピン × 2(※4極→3極変換アダプター利用時),USB(※USBサウンドデバイス利用時) - 搭載ボタン/スイッチ:ヘッドフォン出力音量調整,マイクミュート
- 主な付属品:USBサウンドデバイス,インラインリモコン付き4極3.5mmミニピンケーブル,インラインリモコンおよびマイク付き4極3.5mmミニピンケーブル,4極
× 1→3極 × 2の3.5mmミニピン変換アダプター,キャリングケース) - 対応ハードウェア:Windows 10・8.1・7,macOS 10.5以降,PlayStation 4,Xbox One(※一部製品では「Xbox One Stereo Headset Adapter」が別途必要),Nintendo Switch,モバイル端末
- 保証期間:2年間
- 周波数特性:20Hz〜20kHz
- インピーダンス:32Ω
- 出力音圧レベル:107dB(@1kHz,SPL 30mW/1cm)
- スピーカードライバー:40mm径ネオジムマグネット(「Pro-G」)
- 方式:未公開
- 周波数特性:100Hz〜10kHz
- 感度:未公開
- インピーダンス:未公開
- S/N比:未公開
- 指向性:単一(カージオイド)
- ノイズキャンセリング機能:あり
●G233の主なスペック
- 基本仕様:アナログ接続対応ワイヤードタイプ,密閉型エンクロージャ採用
- 本体サイズ:81.7(W)×172(D)×182(H)mm
- 重量:約259g(※ケーブル含まず)
- ケーブル長:2m(インラインリモコン付き4極3.5mmミニピンケーブル),1.5m(インラインリモコンおよびマイク付き4極3.5mmミニピンケーブル)
- 接続インタフェース:4極3.5mmミニピン
× 1(※アナログ接続時),3極3.5mmミニピン × 2(※4極→3極変換アダプター利用時) - 搭載ボタン/スイッチ:ヘッドフォン出力音量調整,マイクミュート
- 主な付属品:インラインリモコン付き4極3.5mmミニピンケーブル,インラインリモコンおよびマイク付き4極3.5mmミニピンケーブル,4極
× 1→3極 × 2の3.5mmミニピン変換アダプター,キャリングケース) - 対応ハードウェア:Windows 10・8.1・7,macOS 10.5以降,PlayStation 4,Xbox One(※一部製品では「Xbox One Stereo Headset Adapter」が別途必要),Nintendo Switch,モバイル端末
- 保証期間:2年間
- 周波数特性:20Hz〜20kHz
- インピーダンス:32Ω
- 出力音圧レベル:107dB(@1kHz,SPL 30mW/1cm)
- スピーカードライバー:40mm径ネオジムマグネット(「Pro-G」)
- 方式:未公開
- 周波数特性:100Hz〜10kHz
- 感度:未公開
- インピーダンス:未公開
- S/N比:未公開
- 指向性:単一(カージオイド)
- ノイズキャンセリング機能:あり
- 関連タイトル:
Logitech G/Logicool G
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