三創生活園区
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2015年6月2日から7日の会期で,アジア最大級のPC&IT製品見本市「
COMPUTEX TAIPEI 2015」が開催となる。4Gamer取材班も5月31日から現地入りしているのだが,会期が始まる前に,どうしても見ておきたい場所があった。それが,台北市内で5月15日にオープンしたばかりの商業施設「
三創生活園区」に構える,世界初のRazerリアル店舗「
RazerStore Taipei」だ。
オープンから間もなく,しかも週末ということで,場内はかなりの混雑。2階に上がるエスカレータには順番待ちの行列ができるほどだった
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三創生活園区は,iOSデバイスやPlayStation,Xboxなどの受託製造業者として世界的に名高いFoxconn(Hon Hai Precision Industry)のグループ企業である三創数位が運営する,PCや情報家電系のショップが連なるモール的な施設。入るといきなり地元の大手であるHTCがいたり,奥に入るとIntelのショウルームがあったりするが,そんな施設の2階にRazerStore Taipeiはある。
RazerZone Taipeiの店頭。ちなみにお隣はLenovoだった
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店内はこんな感じ。中央部がゲームのフリー体験エリアで,左右の壁の部分には製品の展示がある
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さて,そんなRazerStore Taipeiだが,最初にお断りしておくと,「なぜ台北を1号店のオープン場所に選んだのか」などいった戦略関連の話は「弊社のルール上,CEOのMin-Liang Tanでないと回答できない」(ショップスタッフ)とのこと。なので,そういった話は,後日,質問に対する回答がメールで返ってきたらお伝えしたいと思うが,そんなRazerStore Taipeiで何よりも目を引いたのが,製品は,台湾で販売されていないものも含めて自由に触れるようになっていたのに対し,
値札はどこにも貼られていなかったことだ。
台湾で未発売のAndroid TVデバイス「Razer Forge TV」(左上)や,ウェアラブルデバイス「Razer Nabu X」(右上),Razerがデザイン監修したNZXT製PCケース「H440 - Designed by Razer」(左下),そしてアパレル(右下)などなど,普段あまり見ないようなものが店内にはズラズラと並び,実際に手に取ったり触ったりできるようになっていた。ただし,ご覧のとおり,値札はどこにもない
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製品を紹介するための端末があり,画面をタップすると紹介ムービーが流れるようになっていた
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その理由をスタッフに聞いたのだが,
そもそもRazerStore Taipeiでは,物販を一切行っていないのだという。「たとえば『このキーボードが欲しい』と言われたらどうするのか」と聞いてみたところ,返ってきた答えは「隣に,PC系ショップがたくさん入っている
光華数位新天地という施設があって,そちらで売っていると紹介する(笑)」だった。
店舗の奥にあるゲーム機コーナーでは,アーケードスティック「Razer Atrox」とサウンドバー「Razer Leviathan」を使って,地元の格闘ゲームコミュニティが対戦に勤しんでいた。こういった“ゆるい”イベントを頻繁に実施しているという
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なぜそこまで徹底するのか。それは,
とにかくRazer製品を体験してもらいたいからだと,スタッフは述べていた。そのため,置いてあるデバイスではすべてゲームをフリープレイできるようになっており,また,“ガチの”大会ではなく,たとえば「League of Legends」や「Heroes of the Storm」,あるいは「Grand Theft Auto V」のオンラインモードなどを気軽に楽しんでもらうためのイベントを,毎週,何かしら開催しているのだそうだ。
「RazerStore」という名称から,オンライン版直販サイトの延長にあるショップで,いよいよRazerは小売りも自分達で始めるのか……と思っていたのだが,いい意味で,思いっきり肩すかしを食らった格好である。
壁面のディスプレイには,イベント時はゲーム画面を流したり,そうでないときはRazer製品のプロモーションムービーを流したりできる
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日本だと,PCゲームショップの店頭で新製品をちょっと握ってみるとか,運が良ければ少しゲームを動かせるとかいったレベルで,購入前にがっつりとゲームで試してみたいと思った場合は,ゲーム系に強いインターネットカフェなどに行くしかなったりする。しかし,そこでは利用料という名のコストが発生することになり,結果的には躊躇につながったりもする。その点,RazerStore Taipeiであれば購入前に思う存分テストできるわけで,これは地味に大きなポイントだ。
また店内では,小学生,中学生くらいの子供が,Razerのマウスとキーボードを使ってLeague of Legendsなどをプレイしている姿が目立った。彼ら彼女らが成長して,自由にできるお金を手に入れ,いざゲーマー向けデバイスを買うとき,どのブランドを優先して考えるかを考えても,RazerStore Taipeiには大きな意味があるように思われる。
来場者のなかでは,小中学生の姿が目立っていた
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