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[GC 2005#48]「Titan Quest」は真のディアブロキラーとなるか
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印刷2005/08/22 19:12

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[GC 2005#48]「Titan Quest」は真のディアブロキラーとなるか

 「Diablo」がリリースされてからすでに10年近くが経過しようとしているが,これまでに"ディアブロキラー"と期待されたアクションRPGは数多く存在しても,本当にDiabloを超えるほど商業的/ゲーム的に成功したものは,ただ一つとして存在しない。それほど,Diabloのインパクトは強烈だったのだろう。
 THQブースで公開されていた「Titan Quest」が,実際にDiabloを意識して制作されたのかどうかはさておき,Iron Lore Entertainmentが開発するこの3DアクションRPGは,Game Convention(GC)の出展ソフトの中でも,最も注目すべき作品の一つであるのは間違いない。この開発チームを率いるBrian Sullivan(ブライアン・サリバン)氏は,元Ensemble Studiosのコアメンバーの一人で,"Age of Empireシリーズ"では戦略面のデザインを担当していた人物である。



Brian Sullivan(ブライアン・サリバン)氏
 余談ではあるが,このサリバン氏に加え,Age of Empireの仕掛け人であるBruce Shelly(ブルース・シェリー)氏,そしてサリバン氏と同様にデザインチームを引っ張っていた,現Stainless Steal StudiosのRich Goodman(リック・グッドマン)氏の3人が,このGC 2005に集まっていたのは興味深い。
 サリバン氏は2000年初頭には独立を果たし,古巣のマサチューセッツ州に帰ったわけだが,RTSの最盛期に活躍していたもう一人の重要人物……「Total Annihilation」のChris Taylor(クリス・テイラー)氏と同じく,アクションRPGに活路を見出して,Diabloのコンセプトをさらに煮詰めようとしているようだ。
 そんな経緯があるためか,THQブースでムービーデモを見ただけで,Titan Questへの期待が高まってくる(ムービーのダウンロードは「こちら」)。また今回は,ブースとは別のフロアにある常設スタジオでサリバン氏による特別説明会も行われており,そこではムービー以上の詳細を聞くことができた。

 Titan Questは,一見するとテイラー氏の"Dungeon Siege"シリーズによく似ている。明るい色調,起伏に富んだ3D世界というだけでなく,ゲーム開始前に行うキャラクターメイキングは性別と名前を入れるだけで,得意技能などはその後のプレイスタイルに応じて変化するのである。
 本作では,レベルが上がるごとに,好みのスキルにポイントを割り振れる。"クラス"に相当する,キャラクターの想定タイプは25種類くらいあるという。もちろん,一つの道を究めてもマルチクラス風にしてもよく,強力な剣技と魔法を両立させたキャラも可能だ。

 ストーリーは,さすがEnsemble出身者らしく,歴史や神話をモチーフにしている。
 かつて,タイタン族の長クロノスは,自分の子供が生まれるたびに食べてしまうことで,自分の玉座を譲るまいとしていた。その妃レアの判断で死の危機を逃れたのが,オリンポスに宿ったギリシャ大神ゼウスである。ゼウスは激しい戦いの末にクロノスを破り,タイタン族を地下世界であるタンタルスへ幽閉することに成功する。
 Titan Questでは,そのタイタン族がタンタルスから脱出し,古い神と新しい神の衝突によって再び地上世界は混乱に陥ってしまう。この大惨事による世界の運命を決めるのは,人間族のヒーローなのだ。



 Titan Questの大きな特徴は,独自開発された精巧な物理&AIエンジンだ。大地に生える草にはすべてシミュレーションがかけられており,プレイヤーキャラクターやモンスターが歩いたり倒れたりすれば,その進行方向に従って傾く。デモでは,プレイヤーキャラクターがスタン系の魔法を使うことで,輪を描くように全方角に草がなびいていた。
 ほかにも,崖からモンスターが落ちたり,上り坂と下り坂ではプレイヤーの移動速度が変わったり,巨大なサイクロプスが樹木を押し倒しながらプレイヤーに襲い掛かってきたりする。ボスモンスターの一人らしいキャラクターが,エジプトの地下宮殿でブロックを投げつけてくる場面があったのだが,プレイヤーキャラクターがそれを避けたあと,別のザコモンスターに衝突し,ダメージを与えるようなシーンもあった。
 無味乾燥な数値が画面中に並ぶのを嫌ってか,本作では,多くのことが視覚的に判断できる。例えばデモでは,プレイヤーキャラクターがライトニングボルト(稲妻)を使っていたが,レベルが上がるごとに稲妻の破壊力が上がっていき,同時にエフェクトなども派手になっていた。最初はか細い一本の稲妻でようやくモンスター1匹を攻撃していたものが,やがては巨大で周辺一帯を感電させるようなものに進化していたのだ。

 プレイヤーキャラクターが身に着ける武器や装備は,すべて視覚的にも表現されている。同じモンスターキャラクターでも異なる武器を持っており,倒すと,ちゃんとその武器をルートできる。スパイダーがチェーンメイルを落としたり,イノシシが弓を落としたりという理不尽なことはなくなるのだ。
 モンスターにはいくつかの感情があり,怖くなると逃げていったり,仲間を集めて戦ったりするという。さらに,仲間の持つアイテムを見て嫉妬を抱くようなこともあり,モンスター同士で奪い合いを始めるようなこともあるようだ。NPCが昼夜に合わせて自分の行動を取るRPGは珍しくないが,このゲームではモンスター達も同じような"日常生活"を過ごしているわけである。

 どのような形になるかは詳しく説明されなかったが,Titan Questにはマルチプレイヤーモードも用意されるという。RPGには珍しくMODもサポートする予定で,オンラインではDiablo以上の多様なサービスとなるようだ。
 Iron Lore Entertainmentによって4年間も秘密裏に制作されてきたTitan Questは,現在のところ2006年中のリリース予定。制作発表されたばかりなので,もちろん日本でのリリース予定は明らかになっていないが,どこか早いうちに版権を取って,早々に日本語化を始めておいてほしいところだ。(奥谷海人)

  • 関連タイトル:

    タイタン クエスト 日本語マニュアル付英語版

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