ロゴも変わって心機一転！「エミル・クロニクル・オンライン」で7月24日に大型アップデート「パートナーアップデート」が実装

　ガンホー・オンライン・エンターテイメント（以下，ガンホー）が運営するMMORPG「エミル・クロニクル・オンライン」（以下，ECO）は，2014年7月24日に大型アップデート「パートナーアップデート」を実施する。
　このアップデートは，2013年12月開催のECO祭で発表されたコンテンツの一つで（関連記事），より楽しい冒険が楽しめるようになる「パートナー」が追加されるというものだ。

　今回4Gamerでは，アップデートで追加される「パートナーシステム」の内容や，同時に実装されるチュートリアルイベントを軽く確認してきた。加えていろいろと話を聞いてきたので，その内容をお届けしよう。

ECOではおなじみの榊田 毅氏（左）と寺田美絵氏

「ECO」の愛称が正式なロゴに。「SAGA」表記も廃止し，初めての人でも入りやすいゲームへ

　アップデートについて紹介する前に，ECOの現状について寺田美絵氏（以下，寺田氏）に聞いてみたところ，週刊少年サンデーで連載中の「電波教師」とのコラボや，ガンホーが運営する「パズル＆ドラゴンズ」（Android / iOS）との社内コラボなどで，最近になって初めてプレイしたという人が多く訪れているという。

　ただ一方で，スマートフォン経由で訪ねてくる人が多いので，「スマホで遊べないのか？」という質問も数多く届いているらしく，「若いプレイヤー，とくに先日のガンホーフェスティバルに親子で訪れていたような，より若い層にとって，もう画面をタッチするのが当たり前で，マウスやゲームパッドでゲームで遊ぶという感覚がないのでは」と寺田氏は感じているそうだ。

　そんな状況に今後，ECOが張り合っていくためには，直感的で分かりやすいユーザーインタフェース（以下，UI）が必要だとし，今回のアップデートで「世界観と調和した，目で楽しめる部分を強調」した，新しいUIに変更するのだという。
　実際に新しい画面を見てみると，柔らかな色づかいと丸みを帯びたフォントで柔らかな印象を抱かせる，これまでよりもゲームのイメージに沿ったグラフィカルなUIになっていることが分かる。榊田 毅氏（以下，榊田氏）は，「タイニーをイメージしたデザイン」だと話していた。今回のUI変更は第一弾ということで，今後も改修予定だという。

左が従来のECOの画面。右がアップデート後のECOの画面。色合いがだいぶ明るくなったのが分かるだろう。右下のメニューはメジャーのようになっていて，☆をクリックするとアイコンがシュッと巻き取られるギミック付きだ

　また，上に掲載した画像を見て気づいたことはないだろうか。そう，ECOのロゴが大きく変わっているのだ。

　これまでは英語とカタカナで「エミル・クロニクル・オンライン」と描かれていたロゴが，新たなロゴは愛称である「ECO」にタイニーの帽子が乗ったデザインに様変わりしている。
　この変化の理由を寺田氏に聞いてみると，「コラボで新しいプレイヤーさんが遊んでくれていますが，『エミル・クロニクル・オンライン』というのは長くて覚えづらいみたいです。既存のプレイヤーさんにも『ECO』という愛称は定着しているので，この機会に思い切って変更しました。気持ち的には新規タイトルです（笑）」と話していた。


　さて，これまでのアップデートを追っているプレイヤーであれば，もう一つ気になる点があるのではないだろうか。それは，ECO恒例とも言えるSAGAアップデートが，今年に入ってまだ実施されていないことだ。これについても聞いてみたところ，「SAGAアップデートはやめました」と衝撃の発言が飛び出した。

　どういうことなのかと，詳しく聞いてみると「実は，今回のアップデートはSAGA19に相当するものです。ただ，初心者が『次はSAGA19です』と言われると，『19』という数字の印象に引いてしまいます。『じゃあ1から18まで遊ばないとダメなの？』と，遊ぶ前に諦めてしまう人もいます。ですので，今後は，SAGA○○というアップデートの呼び方は廃止することになりました。もちろん，ストーリーイベントとしての側面もありますから，SAGAという言葉がECOから消えるわけではありません」と，榊田氏は理由を教えてくれた。

　個人的には，長らくECOのアップデートの大きな区切りでもあった「SAGA」という副題がなくなるのは少し寂しく感じるのだが，榊田氏の言うとおり，ナンバリングが付いてしまうと，なかなか新規では手が出しづらいのも確かだ。その意味でも，これから訪れるプレイヤーのためにハードルを下げるという判断は，正しいように思える。
　なお，冬の大型アップデートとなるドミニオン世界拡張や都市攻略戦の実装は，SAGA20に相当するとのことだ。

ゲームの始まりから，ずっと一緒に冒険しよう！

　それでは今回のアップデートの目玉ともいえる「パートナーアップデート」を改めて紹介していこう。

　これまでもECOには，ペットと一緒に冒険できる「ペット」「ユニオンペット」というシステムが存在していた。今回のアップデートでは，この二つが融合して「パートナー」システムとなる。
　これまでとの違いが気になるところだが，榊田氏によればいままでのペット/ユニオンペットシステムは「自分の成長とは別で育てていくもの」だった。一方，今回のパートナーシステムは彼らと「一緒に冒険して，同じスピードで成長していく」ものになるのだという。


　なぜ，ペットという名称ではなくなったのだろうか。その理由を「ECOには人型のペットもたくさんいるので，『美少女をペットにするゲーム』と言われることがあったんです。ザックリと言えば間違っていないですが，そうじゃなくて，彼女達は一緒に成長していく相手なんですよ。ですから，『パートナー』という名称に決めたんです」と寺田氏が苦笑しながら話していた。ペットと美少女。まあ，改めて言葉にしてみると……何がとは言わないが，ちょっとマズい組み合わせではある。


　さて，このパートナーとプレイヤーをつなぐ「絆」として，三つの要素があるという。

　その絆の一つめが「ベースレベル」だ。
　パートナーは，先述のとおりプレイヤーと一緒に狩りをすることで経験値を得て，ベースレベルが上がるとともに各パラメータがアップしていく。なお，パートナーのレベル上限は110となる。
　気になるのは，プレイヤーとのレベル差が大きくても連れて歩けるのかという点だが，寺田氏によれば「ユニオンペットは，プレイヤーとのレベル差が10以上離れていると装備できませんでした。今回のアップデートでは，その部分も改修し，パートナーにステータスの減算は入りますが，双方のレベルに関係なく一緒に冒険できます」とのことで問題ないようだ。プレイヤーキャラクターの転生後でレベル差ができたときでも，引き続きパートナーと一緒に冒険ができるのは嬉しい点だろう。


　二つめは，「おやつ」を上げることで上がっていく「パートナーランク」だ。
　パートナーランクはゲージで表示されており，11ランクが用意されている。ランクが上がると成長ポイントが割り振れるようになり，例えば物理攻撃を強くする，魔法攻撃を強くする，耐久力を上げるなど，プレイヤーが好きなようにパートナーの個性を伸ばしていける。おやつは事前にセットしておけば一定時間毎に自動で与えられるので，あげ忘れは防げそうだ。


　三つめは「信頼度」で，これは一緒に冒険すればするほど上がっていくというもの。信頼度がアップすると，プレイヤーと一緒にいるときにパートナーの能力がアップし，数値以上の実力が出せるようになるらしい。どれだけ一緒に冒険を繰り広げてきたのか，その時間が信頼につながるわけだ。


　なお，パートナーの行動は，ユニオンペットと同様にAIで制御可能だ。これまでユニオンペットを使ってきたプレイヤーなら何の違和感もなくパートナーと冒険ができるだろう。初めてのプレイヤーも，「かんたんAI」を使えば，とくに難しい設定を行わなくても，パートナーと一緒に冒険できるはずだ。

新たな項目が増えたため，ウィンドウの内容も一新。ユニオンペットのようにアクトキューブを入れ替えてスキルを使わせることもできる。右上のハートが信頼度で，高くなると色がどんどん変わり，最終的に桃色になるらしい

大量のアイテムやパートナー，飛空庭までもらえちゃう？ アルマたちとともに学ぶ「新チュートリアル」実装

　今回のアップデートにおけるもう一つの目玉が，新たな「チュートリアル」の実装だ。新しいチュートリアルは，初めてECOの世界を訪れたプレイヤーが，学園生活を送りながら，アルマや守護魔など，歴代の通年イベントに登場したキャストキャラクターとともにゲームの遊び方を学んでいくという形に変更されている。


　新チュートリアルは，ECOの楽しみ方をギュッと詰め込んだ全12章のストーリー仕立てになっており，すべてをクリアするころには，2次職転職の手前までレベルが上がっているとのことだ。

　榊田氏は，「全12章の流れの中で，ECOの大きな要素であるおしゃれや生活していく中でのクエスト，そしてパートナーのタイニーゼロ・アルマとの出会いと冒険など，さまざまな遊び方が学べます。キャストキャラクターからたくさんのアイテムがもらえたり，さらには飛空庭もプレゼントされます」とのこと。制作の材料集めが大変な飛空庭までもらえるのは，なんとも太っ腹。

キャラメイク直後の導入部分も変更されており，2013年の通年イベント「イリスと記憶の書架」に登場した紙芝居屋アイリスがプレイヤーをECOへと誘う

プレイヤーが通う「見習い冒険者の学校」を運営するのは，アミス先生だ。この学校にはアップタウンから行くことができる。章が進むと，出張クエストカウンターや，イリスカードが交換できる夢見のハレルヤといった便利NPCが来てくれるらしい

　なお，パートナー「タイニーゼロ」は3章で，飛空庭は5章で手に入るとのこと。そして「タイニーゼロ」は，チュートリアルを進めてBaseLV50まで育てると，「タイニーゼロ・アルマ」に変化するそうだ。全12章のチュートリアルということなので，どれも前半部分の早い段階で手に入るというのは驚きだ。

　ちなみに，このタイニーゼロ・アルマはチュートリアルでしか手に入らないという。また，プレイヤーとしてはキャストキャラクター達が勢ぞろいのチュートリアル内容も気になるところだろう。
　既存のキャラクターでもチュートリアルが遊べるのかと聞いてみたところ，1キャラクターにつき1回までチュートリアルをプレイできるので，大丈夫とのこと。タイニーゼロ・アルマも問題なく入手できるそうだ。
　すでに初心者を脱却している多くのプレイヤーも，キャストキャラクターとの掛け合いを楽しみながら，改めてチュートリアルをプレイしてみると良いだろう。

ここに掲載した画像にあるのは，チュートリアルでもらえるアイテムのほんの一部。最後までクリアすると，かなりの数になるらしい

キャストキャラクターのお願いを聞いたり，一緒に冒険したりして遊び方を学んでいく。オートランも実装されてるので，目的地までの移動もラクチン

　さらに今回のアップデートで，「ニコニコアプリ版ECO」がプレイ可能となる。
　ブラウザ版「ECO Light GG」がベースとなるニコニコアプリ版ECOも，ブラウザ版と同様にインストールは不要で，ニコニコアカウントを持っていればすぐにプレイ可能だ。ニコニコアプリ版では，コメントの下にあるアイコンをクリックすると，例えば露店の商品が売れただとか，友達が入ってきただとかといった，ゲーム内情報が確認できるという。
　クライアント版で遊んでいるデータは，ニコニコアプリ版ECOで共有できないが，使われるワールドはクライアント版と同一なので，既存のプレイヤーとも一緒に遊べるとのこと。　
　なお，このニコニコアプリ版ECOが遊べるようなるのは，2014年7月24日の15:00からの予定だ。


　というわけで，パートナーシステムを中心とした7月24日の大型アップデートについて，実際に触ったり，疑問を聞いてみたりしたが，今回のアップデートが初心者を意識したものだというのは一目瞭然だ。

　今年で運営9年めに入るECO。サービス開始当時はとくに問題とは思わなかったUIやデザインも，スマホなどの直感的なタッチ操作が増えてきた今，改めて見てみると固く，難しそうに見えてしまうのも仕方がないだろう。
　今回のアップデートは，それを少しでも柔らかくして，ゲームに入りやすくし，さらに新規プレイヤーを脱落させないことに，細心の注意を払った内容になっている。新しく作られたロゴとともに，新たな一歩を踏み出すECOが，今後どのようになっていくのか，その展開にも期待したい。

　もちろん，既存プレイヤーとしてもパートナーを育成するという新しい遊びが加わるわけで，見逃せないアップデートになっているのは間違いない。パートナーを，どのように育てていこうか。実装を前にして，今から悩んでしまうところだ。

「エミル・クロニクル・オンライン」公式サイト