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純粋にやりたい人のためのPvPへ。「エミル・クロニクル・オンライン」ユーザーカンファレンスでアピールされた「Saga8」の再出発と,その先
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印刷2008/08/04 22:42

イベント

純粋にやりたい人のためのPvPへ。「エミル・クロニクル・オンライン」ユーザーカンファレンスでアピールされた「Saga8」の再出発と,その先

ワールドサイズのCo-op,ウェストフォート「都市攻防戦」


 Saga8ではPvPシステムの変更に続き,それを踏まえた形で「都市攻防戦」が導入されるわけだが,その中身についてはカンファレンスの第二部で語られた。本システムの実装は,PvP新システムの導入が終わり,それに伴う重要な調整が終了した後,8月末〜9月初頭が予定されているとのことだった。

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 「都市攻防戦」のストーリー的背景は,これまでに発表された形に沿っており,とくに大きな変更はない。ドミニオンの世界は,現在DEMに中央都市(ドミニオンの世界のアクロポリスシティ)を含む多くの地域を占領されており,「王都ウェストフォート」だけが,名前のとおりドミニオン達に残された西の端にある最後の砦となっている。攻防戦は,この砦をDEMの侵略から守り,彼らに奪われた場合には取り返す形で行われるのだ。
 展開の基本は,現在実装されている「騎士団演習」に似た形だが,あくまで大規模なPvEである。攻防戦は王都のマップと同じレイアウトの別マップで行われ,騎士団演習と同程度の人数が参加可能になることが,予定されている。
 DEMの襲撃は週に1度起こるイベントで,まずウェストフォートが現在プレイヤー側のものか,DEM側のものかを判定し,プレイヤー側のものと判断された場合に起こる。「DEMが襲撃してきます」というワールドアナウンスに続いて開始され,戦闘が始まると,すべてのショップや都市機能はストップし,買い物などがいっさいできなくなる。

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 防衛戦参加希望者は,「羅城門」に集結して待機するが,そこでの待ち時間中には作戦会議なども行える。
 あとは,騎士団演習で東西南北ごとに守っていたシンボル同様(騎士団演習では,各騎士団を示すシンボルを破壊されると得点が減り,そのほかのチームに点数が加算される),ウェストフォートの街中に配置予定の七つのシンボルを守っていくことになるが,演習と異なり,そのシンボルはバックパッカー系の職業によって修復が可能。DEMはシンボルの破壊を狙ってくるため,バックパッカー系が修復を行っている間,戦闘職が彼らを守る必要が出てくる。現在のところシンボルは7か所の予定だが,守りきるべき数と配置場所については調整中だという。

 ちなみに都市防衛に成功すると,参加者はベース経験値,ジョブ経験値のほか,CP(Contribution Point。貢献値)が入手できる。入手できるCPは,こちらも騎士団演習と似た形で,「敵をどれだけ倒したか」「リザレクションやヒールをどのくらい仲間に使ったか」「シンボルの修復をどのくらい行ったか」という,戦闘への貢献度で上下する。戦闘職以外の支援系,バックパッカー系職業も,活躍次第で多くのCPを入手できるのだ。
 CPは,PvP仕様変更前のWRPが担っていた「アイテム入手ポイント」としての面を受け継ぎ,アイテム交換用ポイントとして機能する。CPと交換できるアイテムには,これまでWRPポイントを消費することで入手できたアイテムなどのほか,都市攻防戦で使える「爆弾が入ったドラム缶」といった,強力な武器も手に入るようだ。
 ただし,CPでもらえるアイテムはレジスタンス組織から分け与えられるというストーリー上の設定ゆえ,何が手に入るかは時期によって変わる仕組みだという。

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 王都のシンボルすべてが破壊された場合,王都はDEMに占領されてしまう。占領されると,以後の王都はDEMが闊歩する戦闘フィールド状態に。つまり,通常は休息の場所である都市マップが,一種のダンジョンと化してしまうのである。
 王都機能を復活させるための「奪還戦」は,イベントとして発生するのではなく,防衛戦終了直後から,集まったプレイヤーがいつでも任意に挑戦できる形。だが,少人数ではDEMの群れに各個撃破されてしまうため,組織立った行動が必要になるようだ。
 奪還するにはまず,破壊されたシンボルの「残骸除去」を行い,その完了後バックパッカー系が「修復」を開始することとなる。だがDEMは奪還戦時も,シンボル破壊を目指して寄ってくるため,防衛戦と同じく,戦闘職が彼らを守る必要が生じる。
 奪還は早ければ早いほどよく,占領直後に奪還できれば早さに応じた恩恵が受けられるようだが,そもそも防衛戦が終了した時点で,現チャンプのWRPがすべてリセットされ,チャンプの交代が行われる。それゆえ,防衛戦直後に奪還を試みる場合は「ランキング11位〜21位」に位置する次期チャンプの動向がカギになる。先に書いたとおり,チャンプDEMは王都攻防戦にも多数出現するためだ。
 PvPの上位ランカーとなる「チャンプ」には,王都攻防戦で,まさに物語のヒーローとして振る舞うことが期待されている。

 攻防戦には,そんなチャンプと対等の力を持ったチャンプDEMのほか,飛行形態のDEMやDEMの操る機械系モンスターが多数登場,“エミル君のライバル”こと,黒いネコマタを連れた謎の少年とも,敵として戦うことになるという。
 なお王都攻防戦は,現在の予定では週末に1度,ワールドごとに時間をずらしながら行われる予定となっているが,ガンホー側が会場で挙手を求めたところ,土曜がよいという人が参加者の約3分の1程度と最も多かったものの,日曜や平日のほうがよいという人もそれぞれ4分の1ずつくらいいた様子。今後,ヘルプデスクへの意見を含め,ファンの声を取り入れながら決定していくとのことだった。


世界の拡張に続き,繙かれる年代記


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 Saga8の変更点および新たな実装についての解説終了後,会場では質疑応答が行われた。質疑応答については,第二部終了後にも行われたため,それぞれでの論点は,本記事の最後にまとめてQ&A形式で紹介したい。

 質疑応答終了後はブレイクタイムとして,新しいプロモーションムービーが紹介された。「君と僕の「暮らし」が始まる」を合い言葉とした紹介ムービーが流されたあと,解説内容は今後の展開と方針などへと移る。

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 第三部冒頭では,制作担当 水落氏をはじめとする開発陣から「Saga8」に関する既存の説明における誤解とすれ違い,そしてPvPのシステムが必ずしもプレイヤーサイドの希望に合うものとならなかったことに関する,率直な謝罪が行われた。続いてアンケートの結果として寄せられた1600通にのぼる要望/意見のなかから,とくに多かった三つの論点が発表され,それに対する見解が伝えられた。

 一つめは,ECO運営陣に対して「大きな変更を加える場合は,事前にまずプレイヤーにそれを教えてください」というもので,今後は事前に発表などを行い,プレイヤー側にきちんと伝えていくとのこと。今回のカンファレンスにおける発表は,その第一弾と考えてよいだろう。
 二つめはゲーム内における不正行為に関する意見で,運営側が積極的に動いているかどうかというもの。とくに,言葉が通じない海外プレイヤーと思しき人のマナー違反や,BOT,マクロといった不正プログラムの使用に関する指摘が多かったとのこと。
 これに対する回答としては,「マナー違反のプレイヤーキャラクターに関しては,彼らを収監する特別マップの設置といった処置を現在も行っているが,今後,不足していた体制をしっかりと整えて,ゲーム内でも対策を行う形で詳細を練っている段階」という。

 最後に,最も多かった意見が「アイテム」に関するもので,先頃導入された,一定期間入手経験値などが増加する,いわゆる「ブースト系アイテム」である「わんぱくアイテム」について,課金アイテムを使うことでプレイバランスが崩れないか,また,価格が高すぎるのではないか,といったものだった。
 これに関してはすでに公式サイトで告知しているとおり,「Saga9」以後,商品を分かりやすく分類していく方針とのことだ。

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 それに続いては,ゲームのバックストーリーや伏線があらためて解説された。「ECOではさまざまな伏線がすでに盛り込まれているものの,はっきりした形になっていなかったため,あらためて説明が必要と感じた」とのことで,開発側から設定の根幹や今後の予定が語られた。
 まずはウォーターレイアーを関所とし,外の世界に対して結界を張っているタイタニア世界について。なぜ,タイタニアが自らの世界を閉ざしたかについては,今後重要なポイントになってくるということが語られた。
 また,キャラクターメイキング直後に語られる「旅立ちの夢」,つまりエミル世界におけるDEMとの戦い歴史が語られるミニイベントがあるのはよいが,キャラクター作成以後,時間が経過してしまうと印象が薄れる可能性があるとした。そうしたイベントへの再注目策に関しても,今後,何らかのフォローが行われていくようだ。
 同様に「天まで続く塔」と,エミル世界をはじめとする三つの並行世界との関係や,DEMがなぜ三つの世界を襲撃したかなど,まだ残されている多くの謎も,今後解明されていくことになるようだ。

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 今回,チャンプスキルなどで姿を垣間見せることとなった,強大な存在「エンシェント」。ドミニオン世界にいる「エンシェント・ドミニオン」以外にも,エミル世界,タイタニア世界にそれぞれ「エンシェント・エミル」「エンシェント・タイタニア」といった同じ立場の存在がいるという。彼らの正体ははエンシェント・ドミニオンと同様に,強大なドラゴンである。
 そのほか,プレイヤーには今後明かされていくが,プレイヤーキャラクターは認識していない「ク・トゥルー」という存在も,今後の大きな鍵となってくるという。

 エミルやタイタス,おなじみのキャストキャラクター達のイベントも,新たな冒険に突入する。彼らの冒険が進むことで,今後「ECO世界」の時間軸そのものが進展し,この世界でこれまでに何が起き,今後どうなっていくのかが見えてくるという。
 世界の広がりを描写したあとには,いよいよエミル・“クロニクル”(年代記)・オンラインとしての展開が始まるのだ。


ダウンロード商品とその展開


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 前述のとおりプレイヤーから寄せられる意見が多かったというダウンロード商品の展開について,今回のカンファレンスでは,新展開および商品分類の見直しや価格の見直しなどが行われることが発表された。
 まず「わんぱくアイテム」に属する「経験値アップアイテム」などの商品に関して,ガンホーサイドでは「あるとちょっと便利なもの,時間がないけど早くみんなに追いつきたい,といった,もう少し遊びたい人向けの商品と位置づけている」ことを説明した。

 そして,ダウンロード商品としてWebサイト上で購入するのではなく,今後こうしたプレイアビリティ商品については,ゲームに「SHOP POINT」(ガンホーコインでチャージする)を設定し,「ゲーム内での新サービス」として購入の窓口を変更。商品の位置付けをくじやスタートキットと区別すると発表した。
 また価格に関しては,「高い」という意見もあったため,わんぱくアイテムの販売終了セールと題して価格を下げ,上記のように購入窓口も変更することで,性格の違いを理解してもらい,プレイヤーに購入するかどうか選択しやすい形にしたいとのことだった。

 ただ,「こうしたアイテムは,あまり不用意に手を出さないために,高値のままのほうがバランスが崩れなくてよいのでは?」といった声も聞かれ,今回のカンファレンス時点にいたっても,すっきりしたラインナップ構築の難しさが浮き彫りにされたという印象もある。

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メンテナンス的なアップデートを定期化


おなじみ,浅間“教授”
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 カンファレンスの最後となった第四部では,今後,実際に行われるECOでのアップデートや修正の内容が語られた。これからの「ECO」では,ただイベントや新システムを追加していくだけではなく,定期的にプレイヤーの要望や,これまで「おいてけぼり」になっていた改善課題に取り組んでいくというタイムスケジュールになる。

 Webヘルプデスクなどに寄せられる意見の,30%以上を占めているという「スキルバランスの調整」。その第一弾が,新PvPシステムの実装後,「都市攻防戦」導入前の期間で行われる。

 各ジョブらしさを強めるほか,ほかのジョブとの間でバランスの調整を行うため,下方修正されるスキルも出てくることになる。今回の修正は,基本的に2次職のスキルが対象となり,ジョイントジョブなどの修正は,このスキルバランス調整とは別に行われていくとのことだ。
 むろん,ゲームの全体的な仕様やバランシングも課題だが,まずは基本となるスキルバランスの調整を,大きな目標として定めたということだ。これについては「調整後,なお気になる点や意見/要望がある場合は,どんどんWebヘルプデスクから報告してくれると助かります」という,制作担当 浅間“教授”の発言で締めくくられた。

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基本的には平和そうなのだが,「ク・トゥルー」もクジラの姿をしていたのが,気になるところ
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 Saga8以降のアップデート予定として,「Saga9」を含む年内の予定がいくつか伝えられた。Saga9の概要紹介ではカジノ風の新BGMが披露され,南の島やラスベガスのような雰囲気が,タイタニアの世界に盛り込まれるとのことだ。また,浅間氏の(?)「入れたかったんです」という強い主張のもと,温泉の存在も明らかにされた。スライドで示された画像はまだ開発中でイメージにすぎないというが,Saga9で行けるようになるタイタニアの世界は,ドミニオンの世界とは正反対の,明るく楽しい雰囲気になるという。
 ただし,やり込み要素についてもきちんと考慮されているそうで,こちらもドミニオンの世界における戦闘職重視とは対照的に,バックパッカー系職業が頑張らないと先に進まない要素も織り込まれるという。生産キャラを使うプレイヤーが「なぜその職業で遊びたいのか」をつきつめ,そのジョブらしさが楽しめるような内容を目指すとのことだ。

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 Saga9以外では,PvPの仕様変更と同タイミングで導入される「花火大会」のほか,9月頃をめどに,昨年も行われた肝試し風イベント「何かの棲む家」の続編がリリースされる。前回の2倍以上の怖さ(?)を表現したいとの意向も伝えられ,鋭意準備が進められている様子。

 さらに細かい部分では,前回のインタビューでお伝えした新規サウンドについても触れられ,複数の新曲の存在と,開発側も作成に関わったという「コーラスの入ったBGM」といった新しい音が,ECOを彩っていくことも語られた。

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