パッケージ
フリスタ!ソウル -Street Basketball-公式サイトへ
読者の評価
67
投稿数:11
レビューを投稿する
海外での評価
69
Powered by metacritic
お気に入りタイトル/ワード

タイトル/ワード名(記事数)

最近記事を読んだタイトル/ワード

タイトル/ワード名(記事数)

LINEで4Gamerアカウントを登録
[G★2007#96]「フリスタ」は当たるまで変え続ける。JC Entertainment副社長に聞いてみた,日本および世界戦略
特集記事一覧
注目のレビュー
注目のムービー

メディアパートナー

印刷2007/11/16 17:24

インタビュー

[G★2007#96]「フリスタ」は当たるまで変え続ける。JC Entertainment副社長に聞いてみた,日本および世界戦略

 JC Entertainment(以下JCE)は,G★会場では,かなり大きめのブースで,定番の「FreeStyle」や新作の「Aero Nauts」「Ghost X」を大々的にアピールしていた。また,JCEといえば,最近日本法人のJC Globalを設立し,ハンゲームがサービスしていた「クールにバスケFreeStyle」をリニューアルした「フリスタ!」を直接サービスに乗り出したことが記憶に新しい。そのあたりの事情を含め,JCE副社長のIL Sung Baik氏に,日本を含めた世界戦略と今後の展開についてちょっと話を聞いてみた。
 

4Gamer:
画像集#004のサムネイル/[G★2007#96]「フリスタ」は当たるまで変え続ける。JC Entertainment副社長に聞いてみた,日本および世界戦略
 お忙しいところありがとうございます。本日はよろしくお願いします。まず,日本に作られた子会社のJC Global(以下JCG)のことから伺いたいのですが,この会社を設立した経緯から教えてください。
 
IL Sung Baik氏(以下IL氏):
 日本はオンラインゲームの歴史は浅いのですが,コンソールゲームなどでは長い歴史を持った国です。JCEが世界に足を踏み出すためには,日本市場できちんとした対応ができなければなりません。日本の市場にあわせた調整をしていくのはもちろん,オンラインゲーム以外でもゲームの盛んな国ですから,まずその現地に事務所を作り,ストーリーやキャラクターなど日本から学ぶべきものは学んで世界に進出したいと思っています。
 
4Gamer:
 社名が「JCE Japan」ではなくて,「JC Global」なのはそういう意味なのですね。

IL氏:
 はい,そうです。韓国にあるJCEが「Global」になるためには,いろいろな困難があります。世界に進出するには,日本でJC Globalを設立したほうがよいだろうと判断しました。

4Gamer:
 JCGは,日本でのゲームの運営会社というだけでなく,市場調査や,日本企業との共同開発なども視野に入れた会社と考えてよいのでしょうか。

IL氏:
 まず,運営,そして開発ですね。日本の企業と協力したゲーム開発。さらに,グローバル戦略,例えば投資を受けたり,ファイナンスなどを行うことがJCGの目的になります。

4Gamer:
 なるほど。開発については,なにか具体的な話は進んでいるのでしょうか?

IL氏:
画像集#003のサムネイル/[G★2007#96]「フリスタ」は当たるまで変え続ける。JC Entertainment副社長に聞いてみた,日本および世界戦略
 まだ確定したものはありません。JCGはできたばかりで人手不足ですし。現在は,JCEで作成したゲームをJCGを通じて紹介したり,日本には優秀なIP(知的財産)が多いので,それを利用して一緒になにかできないかと調べています。まだはっきりしたことをいえる段階ではありませんが,ゲーム,マンガ,アニメ関連の企業とそれぞれ交渉を始めたところです。

4Gamer:
 それはかなり楽しみですね。ところで,JCGはJCEの100%子会社に当たる会社なのでしょうか?

IL氏:
 いえ,100%ではないですね。個人所有分もありますし,今後,一般の投資をしていただく予定もありますし。

4Gamer:
 将来的にはJCEで権利獲得する予定なのでしょうか?

IL氏:
 いえ,最終的には逆の関係になります。ゲーム市場自体は日本のほうが大きいですし,世界的な戦略から見ても,JCGが今後もっと大きくなって,韓国のJCEはコンテンツとゲームに関する技術を支援する会社になるのではないでしょうか。JCGが,どこまでグローバル化していくかは,日本でどれだけのことができるかにかかっています。これは重要なことですので,最終的にはJCGのほうが大きくなると思います。

4Gamer:
 なるほど,かなり大がかりな計画なのですね。では,JCGと日本戦略について,さらに聞きたいと思います。現在,日本のJCGでは,リニューアルした「Free Style」,「フリスタ!」を展開していますが,今後,日本の「フリスタ!」はどうなっていくのでしょうか? 

IL氏:
日本向けのビジュアルやキャラクターで独自展開を始めた「フリスタ!」
画像集#005のサムネイル/[G★2007#96]「フリスタ」は当たるまで変え続ける。JC Entertainment副社長に聞いてみた,日本および世界戦略
 以前は,韓国でサービスしていたのと同じFreeStyleを日本でも提供していましたが,現在日本でサービスをしているFreeStyleのベースは,日本人の好みにあわせて,日本人が好むキャラクターなどに直したもので,日本向けリニューアル版として出しています。なぜこのようなことをするかというと,日本ではオンラインゲームでスポーツゲームが成功した例があまりないので,どのようなゲームにすれば日本のプレイヤーに喜んでもらえるのかを調べるためです。ですので,日本向けの製品だけ,まったく別の開発ラインで作るようにしました。
 日本のものだけ別で作っていろいろやってみて,日本のプレイヤーから反応があるようなら,こういうのが日本で受けるんだというのが分かります。日本のプレイヤーに受ける要素が分かったら,スポーツゲームだけではなく,いろいろなジャンルのゲームに応用していくことができます。ですので,今回の「フリスタ!」は,とにかく当たるまで徹底的に日本のプレイヤーにあわせて変え続けるつもりです。

4Gamer:
 ゲームのサービスというよりは,マーケティングも含めた実験のようなものなのですね。

IL氏:
 はい。そうです。

4Gamer:
 日本でサービスしていたハンゲームとの関係はどうなるのでしょうか?

IL氏:
 「フリスタ!」については,運営はJCGが行い,開発はJCEが行います。ハンゲームは入り口の部分だけになります。

4Gamer:
 グローバル化ということについては,日本市場で日本にあうものを見つけて,それから世界展開に移行するということなのでしょうか?

IL氏:
 やはり,日本にあわせたバージョンがほかの国にあうかというのは別問題ですよね。世界各国にあわせたゲームをそれぞれ作っていくのが理想ではあるのですが,そこまでの手間はかけられません。日本で喜ばれるバージョンとグローバルバージョンの2種類を作って,それらで対応していく予定です。日本の傾向に似た国には日本バージョンを,それ以外にはグローバルバージョンをつかう予定です。

4Gamer:
 では,最後に,JCEとJCGの今後の方向性についてコメントをお願いします。

画像集#002のサムネイル/[G★2007#96]「フリスタ」は当たるまで変え続ける。JC Entertainment副社長に聞いてみた,日本および世界戦略
IL氏:
 JCEもJCGも新しいものを作る本能と言いますか,JCEやJCGならではのオリジナリティのあるゲームを作るというのを一つのビジョンとしています。ほかとは少し違うものを作ろうという方向性,これまでになかった楽しさを創造していくことを今後も目指して行きたいと思います。
 JCGはまだ日本で活動を開始したばかりですので,4Gamerさんや日本のプレイヤーの皆さんから,改善したほうがよい部分を教えていただいてサービスの向上に励みたいと思いますので,日本のプレイヤーの皆さんもご協力をお願いいたします。

4Gamer:
 本日はありがとうございました。



 今回のG★で出展されていたAero NautsGhost Xを見ても分かるように,JC Entertainmentは,こういっては失礼だが,韓国メーカーにしては珍しくオリジナリティを重視したゲームを開発する土壌を持った会社である。FreeStyleの成功以来,オンラインアクションゲームを中心に開発しており,開発力もある。そんな同社が日本のIPに興味を持っているというのは,なかなか面白い。
 日本を除くアジア地域では一定の成功を収めたFreeStyleだが,今後世界展開をしていくためには,日本市場の攻略という部分を無視できないものと思われる。こと,マンガ,アニメ,ゲームについては,日本の市場が世界的にも異質であろうことは容易に想像できる。日本型の嗜好にあわせたものと,韓国型の嗜好にあわせたものの2種類で全世界の需要をほぼ満たせるだろうと見ている点も興味深い。おそらく,両者で間に合わない特殊な文化を持った地域の攻略に際しては,日本と同様な対応がとられるのであろう。
 日本版FreeStyle「フリスタ! -Street Basketball-」は,同社の実験的なプロジェクトだという。日本でのノウハウを蓄積し,今後のタイトルに反映していくことになる。とにかく,徹底的にやりそうな雰囲気なので,フリスタ!のプレイヤーは積極的に運営側に意見をいってみるのがよさそうだ。今後の同ゲームがどのように変化していくのかは,ちょっと楽しみでもある。
  • 関連タイトル:

    フリスタ!ソウル -Street Basketball-

  • この記事のURL:
4Gamer.net最新情報
プラットフォーム別新着記事
総合新着記事
企画記事
スペシャルコンテンツ
注目記事ランキング
集計:12月02日〜12月03日