［Gamescom］意外とできていた「Star Trek Online」は，もうすぐβテストがスタート

　MMORPG「Star Trek Online」の開発元であるCryptic StudiosによるプレゼンテーションがGamescomの商談エリアで実施されていた。

　Star Trek Onlineは，その名前から想像できるとおり，テレビドラマと映画の「スタートレック」をもとにしたゲームだ。ご存じのようにスタートレックの映像作品は，非常に息が長く，第一作となるドラマが放映されたのが1961年。この原稿を読んでいる人の多くは，スタートレックよりも“年下”になるだろう。そんな大先輩である第一作から，2009年5月に公開された映画「スター・トレック」まで，すべての映像作品がStar Trek Onlineのベースになっているというのだから驚きだ。


　Star Trek Onlineは宇宙船に乗って行動するモードと，人型のキャラクターを操作するモードの二つに分かれる。星間移動には宇宙船が必要になるのだが，すべてのプレイヤーに宇宙船が与えられるのでゲームの序盤から宇宙旅行を楽しめる。とはいっても敵はいるため，やられない程度にはキャラを鍛えなければならないが。
　なお宇宙船での戦闘は，縦横無尽に飛び回って戦うといったタイプのものではない。ドカっとかまえて正面から撃ち合ってシールドを削りあうといった戦い方が主流で，あまりアクション性は高くないのである。ただし，相手のシールドの種類に合わせて攻撃方法を変えるといったことは必要となる。また，宇宙船に乗り込んでいるスタッフの能力によって，宇宙船の攻撃力やシールドの強さが変化する。


　地上に降り立つと，見た目はごく普通のMMORPGだ。人型のキャラクターを操作して，ほかのプレイヤーとコミュニケーションを取ったり，一緒に冒険したりしてキャラクターを成長させていく。一番特徴的なのは，プレイヤーが作成するキャラクターが5体もあるという点だ。メインとなるキャラクターは一人だが，残りの4人はペットのようについてくる。プレイヤーは大まかな指示を出しておけば，あとは自動的に戦ってくれる。
　なお，この4人は宇宙船に乗り込んだときにスタッフとして活躍する。したがってしっかりと成長させておかないと，宇宙船の能力を生かしきれず，宇宙で苦戦を強いられるだろう。


　映像作品をかなり忠実に再現してはいるが，実時間で7日かかるような星への移動などは，さすがに数分で着けるようにアレンジされている。Crypitc StudiosのGraig Zihkienih氏は「我々はゲームを作っているのであってシミュレータを作っているわけではない」と語り，「ゲームとして楽しめるようにアレンジしている」とコメントしていた。


　ちなみに，全映像作品に登場したすべての種族が，プレイヤーキャラクターとして選択できるという。正確な数は確認できなかったが，キャラクター作成画面の種族リストの長さは尋常ではなかった。好みの種族を探すのに苦労しそうだ。

　今回のプレゼンテーションを受けた限りでは，ゲームのベースとなる部分はほぼできているような印象を受けた。事実，サービスインは2010年が予定されており，近いうちにβテストが開始されるという。もちろんβテストを行ったからといって正式サービスが無事に始まることが約束されるわけではないが，スタートレックワールドを自由に冒険できる日はもう少しでやってきそうだ。