インタビュー
「パンヤ」の開発元,韓国Ntreev本社へ行ってきた――10番目のキャラ「ネル」や,次期大型アップデート「シーズン5」についてあれこれ話を聞いてきたのだ
これまでのパンヤというと,誰にでも一発で理解できるストレートなキャラクター設定が特徴的だったわけだが,今度のネルは結構込み入った事情がありそうだ。何より,当初公開されたイメージ画像がシルエットというのが,ミステリアスでとても気になる。
そういったわけで個人的にも割と楽しみだった新キャラだが,そんな折にゲームポットから,「新キャラについてはNtreevも相当気合いが入ってます。本社でインタビューしてみませんか」という打診を受けた。ついでにその後のことまで聞ければラッキーだと思い,さっそく韓国へと向かったのであった。
ゲームポット パンヤ運営チーム コンテンツリーダー 千葉直人氏 |
ゲームポット エンタテインメント事業本部 本部長代理 朝倉脩登氏 |
ネル=“魔王の欠片”の片割れ?
パンヤらしからぬ複雑なストーリーを持つ新キャラが登場
4Gamer:
今回はお招きいただき,ありがとうございます。
まずは皆さんが,Ntreevでパンヤの開発にどのように携わってるかをお聞かせください。
パンヤ 企画チーム長 Tae-Hun Lim氏:
Ntreevでパンヤの企画チーム長として,スタッフ全員を統括しているTae-Hun Limと申します。本日はよろしくお願いします。
同じく,パンヤのアートディレクターを担当している,Byunghee Leeです。デザイナーチームを統括しており,今回の新キャラクター“ネル”に関しては,私がメインビジュアルを描いています。
4Gamer:
今回はその新キャラクター“ネル”や,今後のパンヤの展開などについても話を伺えればと思います。
まずはネルに関してですが,ティザーサイトが更新されるにつれ,実装に向けての期待感が高まってきました。このキャラクターの導入コンセプトについてお聞かせ下さい。
Lim氏:
まずは,バックグラウンドストーリーから説明させてください。
パンヤの世界は以前,魔王によって脅かされていたのですが,勇者との激しい戦いの末に退治されました。その際に魔王は完全に滅びたわけではなく,一番大事な部分となる“核”が二つに割れ,その欠片のうち一つは魔界へ,そしてもう一つはパンヤ島へと落ちていったのです。魔界へ落ちた欠片は今も行方不明なのですが,パンヤ島に落ちた欠片は,カディエが見つけました。
4Gamer:
“カディエ先生のマジックボックス”などで登場する,彼女のことですか。
はい。カディエはパンヤ島では随一の魔法使いなのですが,彼女の力を持ってしても,魔王の欠片を破壊したり,封印することはできませんでした。そして試行錯誤の末,欠片を人の姿に変えることで,とりあえず対処することにしました。それが,今回登場する新キャラクターの“ネル”です。
4Gamer:
……ということは,“ネル=魔王の欠片”というわけですか?
Lim氏:
ネル自身はそういったいきさつは一切知らず,純粋にカディエの弟子だと思っていて,毎日を元気に過ごしています。しかしカディエにとっては,ネルの内に秘める魔王の力は脅威で,何とかして封じ込めねばならないと考えています。
4Gamer:
またエラく込み入ったストーリーが用意されているんですね。これまで登場したキャラクターは,見た目のイメージそのままというシンプルな設定ばかりだったので,だいぶ新鮮に感じます。
Lim氏:
確かに,今までパンヤに登場したキャラクターって,深いストーリーがほとんどなかったですよね。でも,ゲームに限らずアニメや映画でも,優れた作品というのは,ユーザー達であれこれ想像したり,「私はこう思うんだけど」などと話し合う面白さがあるじゃないですか。そういう意味では,これまでのパンヤは,そのようなネタが足りなかったと感じていました。
ネルの実装を機に,これからは作り手側がある程度世界観を提示していければと考えています。それが,パンヤ全体の魅力の底上げに繋がると思っていますし。
4Gamer:
WiiやPSPといったコンシューマ版で“ストーリーモード”を導入したときの手応えも,今回の方向性に影響してますか?
それもありますね。あと実は,ストレートなキャラ設定は,これまでの9名でほとんど出尽くしてしまったという事情もあります。ゲームポットとも長い間打ち合わせて,「今までになかったキャラクター設定」かつ「現在流行っているのは何か」という条件を元にリサーチを行い,ネルのコンセプトを作り上げていきました。
4Gamer:
ネルの基本コンセプトは,ゲームポットとNtreevのどちらから出たものでしょうか。
Lim氏:
最初のきっかけは,ゲームポットからのアイデアでした。作り側としては納得できないものもありましたので,リサーチ期間中にはずいぶんと激論をしました。今ではお互いこれがベストだという結論で作業を進めていますが,ここまで来るのは本当に大変でしたね。
4Gamer:
ではゲームポット側としては,ネルの企画時にどういった苦労をされましたか?
千葉氏:
まずは大前提として,“見た目が可愛いらしいキャラクター”というのがありました。そのうえで,どのようなキャラ設定にすれば,遊んでくださるユーザー様が愛着を持ってくれるかを煮詰めていきました。あとは,複雑なストーリー設定を押し付けるのではなく,ユーザーそれぞれがイメージを膨らませられることも心がけましたね。
4Gamer:
割とシリアスなバックグラウンドストーリーですが,それでいてゴルフをプレイするのがユニークというか,パンヤらしいですよね。ネルはいったい,何のためにゴルフを行うんでしょうか。
Lim氏:
まぁ,ゴルフを行わないとゲームとして成立しないですからね(笑)
それは冗談ですが,この世界では,勇者がパンヤショットで魔王を倒すなど,ゴルフが単なるスポーツではく,神聖な戦いという位置づけになっています。普段使っているアズテックとかエアーナイトとかのアイテムに関しても,一応そういった世界観が用意されてるんですよ。
ネルがゴルフを行うのは,育て主であるカディエの教えに忠実に従っているからです。魔王を退治するための儀式であるパンヤを習わせることで、ネル自らが魔王の核ながらも,魔王に対するアンチテーゼになることができるように,カディエが取りはからったのです。
それで,気になるシルエットの中身は?
4Gamer:
ネルの大まかなストーリーは分かりました。
続いて,ネルの外見についてお聞かせください。現在はシルエットが公開されていて(編注:取材時にはシルエットのみが公開されていた),その詳細が気になっているファンも多いかと思います。
Lim氏:
せっかく韓国までいらっしゃったのですから,もったいぶるのも失礼ですね。こちらが,ネルのメインビジュアルになります。まずはご覧下さい。
4Gamer:
どれどれ……。
複雑なストーリー設定を感じさせない,ごく普通の可愛らしい女の子ですね。リボンや足元のネコは,シルエットから気付いた人もいたかもしれませんが,パステル調の色使いやカバンの柄とか小物とか,割と普通の女の子だな,というのが第一印象です。
Lee氏:
はい。外見に関しては,誰が見ても一目で「可愛い!」と思ってくれることを心がけました。期待どおりの反応をしてくれて嬉しいです(笑)。
4Gamer:
ネルの外見は何歳くらいをイメージしてる感じですか?
Lee氏:
外見だけなら8歳ですね。そのため,クーと比べても背丈がだいぶ低いです。
もちろん,カディエにこのような姿に変えさせられているだけで,生物学的には1歳なのですが。
4Gamer:
パンヤには魅力的な女性キャラクターが何人もいますが,そういった中,新たにネルのデザインを作るうえで,どのあたりに苦労されましたか?
いくつかありますが,第一に,既存のキャラクターとパーツが被らないようにするのが,思ってた以上に大変でした。小柄な女の子ということで,クーに似せないようにするのは特に頭を悩ませましたね。メインビジュアルはショートカットですが,将来的にはさまざまなヘアスタイルの導入も考えており,そのときにモーションが崩れないようにするのも苦心しました。
もう一つは,魔王の欠片が姿を変えたという設定について,悪のイメージを抱かないように,可愛らしい方向をだいぶ強調しました。ただしネルの中には,魔王のエネルギーがいくぶん残っており,それにより突拍子もない行動をとることがたまにあります。この外見でこういったモーションをするのか,という意外性が所々にちりばめられていますよ。
4Gamer:
Twitterでの発言を見る限り,見た目の年齢よりもかなり落ち着いた雰囲気がありますよね。
Lim氏:
喜怒哀楽の表情はあまり出さないタイプで,その辺りはカディエの性格を引き継いでいます。カディエにとっては,ネルを人間の子供そのものとして育つように全力を注ぎました。しかし,教育期間が短かったり,カディエ自身の性格に少々ヘンな所があったりと,一般的な人間の子供とは大分違ったキャラクターになっていますね。
4Gamer:
ネルのゲーム内における能力値にも,そういった設定が反映されているんでしょうか。
Lim氏:
ネルは8歳の子供には不相応の力を内に秘めていますが,体や精神が幼いことから,それを思うままに使いこなせないでいます。このような設定を素直に反映させると,“パワーは高く,コントロールは低く”となりますね。
でもパンヤでは,コントロールの低いキャラはあまり好まれないんです。かといって従来のキャラと同じパラメータというわけにもいきませんし。ストーリー設定をゲームバランスにどこまで反映させるかは,現在頭を悩ませているところです。
4Gamer:
なんといっても10人目ですしね。
そのほかに,ネルの外見で大きな特徴はありますか。
Lee氏:&Lim氏:
後は,ええとそうですね,うーん……(お互い目を見合わせる)。
千葉氏:
(観念したように)実は,○○○なんです。
4Gamer:
……もう1回お願いします。
千葉氏:
今風に言うと「○○△」ってやつです。
4Gamer:
えええ……あれ? でも,ティザーサイトでは“△△”と説明してますよね。
千葉氏:
あれはカディエの教え,というか彼女の趣味が大分入っているのですが,ネルが勝手に△△△だと思いこんでいるだけです。本当は違います。
4Gamer:
なんというか……。はるばる韓国まで来た甲斐があったといいますか,正直なところコメントに困りますね……。
あぁ,なるほど。先ほど「現在流行っているもの」とか「今までになかったキャラクター設定」とか言ってたのはこれのことだったんですね。
Lim氏:
そうです。これに関しては,Ntreevとゲームポットの間で本当に長い間揉めました……(深い溜め息)。Ntreevのスタッフには,日本のアニメなどの熱狂的なファンが多くて,そういったニーズがあるのも知っています。しかし,まさかパンヤに取り入れることになるとは,夢にも思わなかったです。
4Gamer:
えーと,これまでシルエットなどの前情報を見て,実装を楽しみにしていた人に向けて,ネルの魅力をあらためてアピールしていただけますか。
千葉氏:
現在はまだ公開できませんが,ネルにはとある重大な秘密があります。確実に,今までのパンヤにはいなかったタイプのキャラクターだと言い切れると思います。これからのネルの情報も楽しみにしていただければ嬉しいです。
4Gamer:
ちなみにこのキャラ,実装後に追加されるアバターアイテムは,どういった方向性なのでしょうか。
Lee氏:
基本的に可愛い系が中心になります。カディエの影響というか趣味を強く受けているので,ファンタジーっぽい要素も結構あります。
4Gamer:
各国の導入スケジュールはどのようになっていますか。
Lim氏:
まずは8月5日に,日本と韓国で実装する予定です。その後は,他国でも順次実装していきます。
4Gamer:
日本以外の国で,ネルはどのように受け入れられると思いますか?
Lim氏:
ネルはゲームポットからの要望を受けた後,日本ユーザーのニーズを調査するところから制作をスタートしました。ですが,実際にキャラクターを作るときには,日本ユーザーだけでなく,「パンヤユーザーの誰もが納得できる」形で作らなければいけません。
というわけで,長い時間をかけて多くの要素を調整したのが現在の姿です。世界のすべてのパンヤユーザー達が納得して下さると思います。
次期大型アップデート「シーズン5」は2011年初頭を目標
4Gamer:
では「○○△」についてはひとまず置いておくとして,パンヤの今後についても話を聞けたりしますか? Ntreevとゲームポットが揃って意志表明することに,とても意義があると思っています。
千葉氏:
はい,もちろんです。先日4Gamerさんのインタビューでも申し上げたように,ネルの実装と平行して,現在はリサイクルシステムの開発を最優先で行っています。私と朝倉は,昨日もNtreev本社を訪れて,リサイクルシステムについてのミーティングを一日中行っていました。
4Gamer:
近年のパンヤの動きを振り返ってみると,新キャラクターが追加されるときは,新たな“シーズン”の導入がセットでした。ネルが追加されることで,“シーズン5”の実装が気になるファンも多いかと思いますが,この点はいかがでしょうか。
Lim氏:
はい,シーズン5に関しても現在企画を進めており,今のところは2011年初頭の実装を目標にしています。本当はネルとシーズン5のタイミングも合わせたかったのですが,とりあえずキャラクター追加だけを前倒しで行うことになりました。ルーシアの実装から,既に2年も開いていることですし。
4Gamer:
なるほど。シーズン5では,どういったコンテンツを準備中なのでしょうか。
これはメインコンテンツになるかどうかは未定ですが,ネルに関連したものとして,「魔王の地」(仮題)を企画しています。
千葉氏:
これは2009年に4Gamerさんのインタビューでお伝えした,「対ボス戦」のことです。
4Gamer:
あぁ,あれですか!
インタビュー当時は,どこまで本気なのか一瞬悩みました。ゴルフゲームとしては割とありえない方向ですよね。
Lim氏:
そうかもしれません(笑)。
「魔王の地」では複数のプレイヤーがパーティを組み,そして,かつてパンヤの英雄が魔王を倒したように,ゴルフゲームを通じてボスを討伐するという内容になっています。
4Gamer:
具体的に,どのような流れでボスと戦うんでしょうか。
Lim氏:
“大会モード”をベースに考えていて,誰かがハイスコアを出したり,特別なショットを行ったりすると,ボスにダメージを与えていきます。そうして見事ボスを倒すと,「魔王を退治した」というメッセージと共に,全プレイヤーがメリットを受けられます。大筋としてはこのようなイメージです。
4Gamer:
「魔王の地」とネルの関連性が気になりますが,このコンテンツを通じて,例えばもう一つの“欠片”を見つけ出したりするんでしょうか?
Lim氏:
詳しい内容については,今はまだ申し上げられません。ごめんなさい。
その代わり,「魔王の地」に関するプロトタイプのムービーをつい先日作成したので,そこから切り出した画像を何点かお見せします。この画像にもヒントが散りばめられているので,あれこれイメージを膨らませてみてください。
4Gamer:
なるほど……。魔界らしき景観や,魔王の欠片も見えますね。どうしてカズとクーが戦っているのかが気になりますが,とりあえず期待しています。
そのほかには,シーズン5でどのようなコンテンツを用意していますか?
Lim氏:
次に,「カードパック」のボリューム2と,「スペシャルシャッフルコース」が挙げられます。スペシャルシャッフルコースは,全コースからランダムで18ホールを選出するというものです。プログラムのリソース管理に手を加えた結果,全コースから読み込んでも支障が出なくなりました。
4Gamer:
以前話を伺ったときは,18番目のホールに特別ホールを検討していましたが,あれはどうなりましたか?
Lim氏:
スペシャルホールの追加は継続的に行う方針でしたが,開発リソースの都合上,現在は種類が不足しているのが現実です。でもアイデアとして面白いものが多いので,機会があれば追加し続けたいと思っています。
Lee氏:
また,そのほかには「オープントーナメント」も検討しています。これは予選と本戦の2段階形式で,結果に応じて従来のランキングとは別に,プレイヤーの実力を示すパラメータが決められます。それを元に対戦相手をマッチングできるのが特徴で,新しく始めた人でも,スコア次第では上位に来る可能性が十分あるのが,見どころといえます。
では,先日インタビューで公開された新コースの“WizCity”に関してですが,現在の開発状況はいかがですか。
Lee氏:
今のところ,全体の半分くらい開発が進んでいます。コースの大まかなイメージはだいぶ固まったのですが,プレイをより面白くするために,いくつかアイデアを盛り込もうとしているところです。例えばコースを迂回するときに,従来はパワーカーブを使ってましたが,これを別のアプローチで行えるといいかな,と考えています。
4Gamer:
ブースターゲートのようなオブジェクトを設置する感じでしょうか。
Lim氏:
ブースターゲートはランダム性が強すぎるので,もう少しプレイヤーの実力が反映されやす仕掛けを検討しています。コースの難度を示す★の数は,2または3になるでしょうね。
4Gamer:
こうやって話を聞いていると,シーズン5の企画も大分進んでいるようですね。
千葉氏:
とはいえ,今お伝えした内容は確定事項ではなく,今後の開発作業を経て変更する可能性は大いにあります。シーズン5の導入コンテンツが決まったら,そのときまた改めてご紹介させていただきます。
4Gamer:
ネルのストーリー背景がしっかりしていることですし,PC版のパンヤにも“ストーリーモード”を導入する計画とかはないんですか?
Lim氏:
内部でも話題になることはありますが,見せ方をどのようにするかで,いまのところ良いアイデアが見つからないんです。あくまでもパンヤはゴルフゲームなので,例えばアドベンチャーゲームのように,長々とメッセージを読ませるのは避けたいですし。
個人的には,ストーリーモードを通じて,ユーザー間であれこれ盛り上がれるのなら,ポジティブに考えられるかな,とは思います。
4Gamer:
ところで私は,もし新キャラが追加されるのだとしたら,最初に“シエン”が来るかなと勝手に思っていました。以前Ntreevのディレクターにインタビューしたときも,導入要望が多ければ本格的に検討すると言ってましたし。
Lim氏:
ああ,Bae-heon Kimにもインタビューしてたんですね。
確かに検討はしてみたのですが,シエンの外見がセシリアと一部被っていたり,パンヤのユーザーはどちらかというと見た目が可愛い子を好む傾向があったりするので,残念ながら今のところその予定はありません。
4Gamer:
なるほど了解です。
そういえば,先頃発表された新デバイス,PlayStation MoveやMicrosoft Kinectに関して前向きに考えていたりしませんか? ああいうデバイスでパンヤを遊ぶと,普通に面白いと思うんです。
Lim氏:
私も同感です。新たなデバイスが登場するたびに,これを使ってパンヤで何ができるかな? と色々考えることはあります。パンヤはいろんなプラットフォームで既に発売されていることもありますし,我々はいつも,新しいハードウェアやデバイスに興味を持っています。現在は,さまざまな事柄が検討され,それに対するアクションが行われている状況です。
ゲームポットとNtreevの関係は良好っぽい
先ほど,社内のブースをざっと拝見させていただきましたが,デザインチームの規模がかなり大きいように感じました。どれくらいの人数で作業されているんでしょうか。
Lee氏:
詳細な人数までは申し上げられないんですが,デザイン関連の部署は,スタッフ全体の約45%程度です。
4Gamer:
やはり半分くらいいるんですね。
Lee氏:
彼らデザインチームのスタッフに共通しているのは,とにかく日本のアニメやゲームなどのコンテンツが好きなことです。ウォンと比べると円が高く,DVD-BOXなどには簡単に手を出せないことが,スタッフにとっての悩みどころですね。
4Gamer:
最近は何が人気ですか?
最近スタッフ間で特に人気が高いのは,「けいおん!!」や「ペルソナ」シリーズです。ゲームポットのスタッフがNtreevに来るときは,そういったアニメやゲームなどの最新情報を教えてもらっています。だから来ていただけるのはとても嬉しいんです(笑)。
4Gamer:
開発元として,そのゲームポットの運営サービスをどのように見ていますか?
Lim氏:
ゲームポットとユーザーさんとの……なんというか,距離感とでもいうのでしょうか。それを見ていてとても羨ましく感じます。近いとはいえ「外国」である日本で,たくさんの人達が楽しんでくれている姿を見るのは,我々にとっても強く励みになるし,開発のモチベーションにも繋がるんです。個人的には,ユーザーフレンドリーな企画をもっとやってくれたらいいのにと,いつも思っています。
何年もサービスを続けていると,ときには辛い時期もあったりしますが,そういったときにじっと耐えている姿勢も,我々は「もっと頑張らなくちゃ」と身が引き締まる思いで見ています。
4Gamer:
……千葉さんはいまの話を聞いて,どのように思われましたか。
千葉氏:
なんだかとても照れますね。
現在はリサイクルシステムの導入などで,ユーザー様に多大なご迷惑をお掛けしており,運営サイドとしては厳しい状況に立たされています。しかし,一つ一つの作業を真摯かつ丁寧に行い,一刻も早く以前のように良い関係を取り戻すべきだと,今あらためて強く感じました。
Ntreevとゲームポットの関係は,もう5年以上になるんですよね。遠く離れた場所にいる相手とビジネスを行うのに,何かコツのようなものはありますか?
Lim氏:
たとえ離れていても,直接顔を合わせる機会を多く持つことでしょうか。昨日もゲームポットのスタッフと一緒にミーティングを行っていたのですが,想像していた以上に作業がはかどりました。普段はメールやメッセンジャーでやりとりしていますが,やっぱり直接会って話すのが一番早いですね。
4Gamer:
それでは最後に,パンヤファンに向けてそれぞれコメントをお願いします。
Lim氏:
いつもパンヤを遊んでいただきありがとうございます。これまでは,日本の皆さんにNtreevの社内を紹介する機会がなかったのですが,私達は日本のゲームやアニメなどの作品が大好きで,パンヤを通じてその恩返しができればいいなと毎日考えています。これからも良い意見,悪い意見,なんでも構わないので,思ったことを気軽に伝えてください。
Lee氏:
キャラクターを愛してくれるという意味では,日本の人達は世界一だと思います。私はもちろん,デザイナーチーム一同にとって,日本でパンヤがどのように受け入れられているのかは,常に注目しています。「これはいける!」と自信を持って導入したアバターが,あまり評判が良くなかったりすると,ショックで家に帰ってから泣いてしまうようなスタッフも中にはいます。
今回の新キャラクターのネルはかなり凝った設定で,作るのにすごく苦労しました。日本のファンの人達が気に入ってくれるといいな,と思いながら開発したので,もし興味をもったらぜひ一度触れてみてください。
千葉氏:
8月5日に登場する新キャラのネルを,ぜひ楽しんでいただければと思います。また,今後はリサイクルシステムをはじめ,現在抱えているさまざまな問題について,早いタイミングで解決できるよう頑張っていきます。至らぬ所はまだまだ沢山ありますが,これからもパンヤをどうかよろしくお願いします。
朝倉氏
オンラインゲームの運営会社として,サービスの質を上げるための努力は常にしていかねばなりません。接客業の精神を忘れず,たとえトラブルが発生しても下手に隠したりせず,真摯なサービスを行うこと。言葉にすると当たり前のように思えるかもしれませんが,先月掲載していただいたインタビューや,今回お招きしたことは,そのポリシーを実行に移した,決意の表れでもあります。これからも,忌憚なき意見をビシバシお願いします。
4Gamer:
今回は本社を訪れる機会を設けていただき,感謝します。
ーーー2010年7月15日収録
- 関連タイトル:
スカッとゴルフ パンヤ
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