プレイレポート
パーティプレイと特殊アイテムの充実が目玉。MMORPG「TANTRA」,大型アップデート「Kathana IV-2」先行プレイレポ&インタビュー
対人戦を軸にPvEなどの要素を充実させる今後の「TANTRA」
テストプレイのあと,今回のKathana IV-2アップデートの主旨および今後の展開について,プロモーション担当の榊田 毅氏と,制作担当の横内皇太氏にお話を聞いた。
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。まず,今回のアップデートの大きな狙いを教えてもらえますか?
Kathana IV-2という名前のとおり,流れとしては前回のアップデートの続編になっています。前回は初心者の方にもすぐ楽しんでいただけるよう,レベル30まで成長しやすく,またレベル30以降に関しても,アシュラム(ギルド)を組むに当たって料金を不要にするなど,対人戦に参加しやすくなるようにしました。
その流れを踏まえて今回はPvPだけでなく,PvEも気軽にプレイしていただきたいというのが大きな狙いです。
4Gamer:
従来のPvEと異なる点はあるのでしょうか?
榊田氏:
これまではアシュラム単位のコミュニティが主流でしたが,今回はパーティという,より小さな単位で挑戦していただけるコンテンツを用意しました。初心者を含めた広範囲のプレイヤーに向けたマラナの地,高レベルプレイヤーに向けた高難度ダンジョンの地底の渦がそれです。
4Gamer:
地底の渦でのドロップアイテムは「対人戦で必要不可欠」と説明されていますよね。PvEコンテンツとはいっても,TANTRA全体としては,やはりPvPを核に回るということなんでしょうか?
榊田氏:
そうです。新たなコンテンツといっても,従来のPvPとうまく連動させたかったという意図があります。
4Gamer:
そこで気になるのが今後の展開です。あくまでもPvP中心で行くのか,それともPvEをもう一つの新たな柱としていくのか,といったようなことについて,教えてください。
榊田氏:
PvPをより楽しんでいただくために,PvEという要素を盛り込んでいます。初心者の方ですと,プレイヤー同士の戦いはもちろんですが,そもそもパーティを組むことにも慣れていないという方がいらっしゃいます。そこでまずPvEを通してパーティプレイを体験していただき,慣れてきたらアシュラム単位の対人戦に挑戦して楽しみを広げていただければと考えています。
4Gamer:
日本のオンラインゲーム市場では,一つのタイトルにPvPとPvEの両要素が同程度あった場合に,PvPは振るわない傾向があると認識しています。TANTRAの場合,現状での展開はどうでしょうか。
対人戦特化とまではいわなくても,それを楽しみとしてプレイされている方は多いです。前回のアップデートでプレイヤーの成績を表示する「月間カーストランキング」を導入したのですが,相当盛り上がっていますね。
そもそもTANTRAのベースには主神間の抗争がありますので,当然プレイヤーの方も対人戦がメインであることを承知しています。それを盛り上げるためのギミックをどんどん入れていくというのが,今後の展開になります。
4Gamer:
なるほど,そこにTANTRAの独自性があるんですね。TANTRAで対人戦というと,華はやはり「主神戦」ですが,何か大規模なテコ入れなどを行う予定はありますか?
榊田氏:
今後の話になってしまいますが,「要塞戦」や「攻城戦」を含めて改善していく方向で検討しています。
横内氏:
韓国ではすでに導入されていますが,日本でも「ワールド対抗戦」の導入を考えています。これまで対人戦には各個人の戦いとアシュラム単位での要塞戦,大きな枠組みでのアシュラム連合の攻城戦がありました。さらにその上の枠組みとしてワールド間でPvPが楽しめるシステムを,次回アップデートで導入しようかと。
榊田氏:
日本ではどんな形が良いか,検討している段階です。
4Gamer:
ワールド対抗戦……ですか。プレイ要素として新鮮なのは間違いないですね。ただ,これまでの対人戦はワールド内で完結しており,非常に世界観とマッチしていました。しかし,ワールド間で戦うとなると話が変わってしまうのではないでしょうか?
横内氏:
うわ,厳しい意見ですね(笑)。ただ,対人戦を続けていくと,どうしても「結局,誰が一番強いのか」という部分にたどり着いてしまいます。実際,プレイヤーの方からも要望をいただいていますし。そこを踏まえ,楽しみの一環として考えていきたいですね。
4Gamer:
世界観との関係云々よりも,プレイを主体にした特例であると。その場合参加する単位はどうなるでしょう? 何らかの形でワールド代表アシュラムなどを決めるのでしょうか?
横内氏:
日本での仕様は検討中です。韓国ではエントリーしていただいて抽選という形式で,高レベルプレイヤーほど選ばれる確率が高くなっています。
4Gamer:
韓国では既存のコミュニティにこだわらず,ワールド内から広く有志を募るわけですね。
榊田氏:
そうです。韓国は高レベルプレイヤーが圧倒的に多いですから,対人戦の極みとしてそういう形式を取っています。しかし日本は事情が違いますから,そのまま持ってきても……というところで検討を重ねています。
4Gamer:
なるほど。それでは初心者向けコンテンツやキャンペーンについてはどうでしょう? 先ほどパーティプレイの促進を挙げられていましたが。
もちろん,これからプレイを始める方に向けたキャンペーンは予定しています。プロモーション的には常にやっていたいくらいなんですが(笑)。具体的には,レベル30に達するとアシュラムを結成したり,あるいはマラナの地に挑戦したりできますから,それを促進するような内容ですね。
横内氏:
ゲーム内イベントも,ハードルを下げる方向で考えています。例えば,新しく始められた方が既存のコミュニティに参加しやすくするためにはどうしたらいいかとか。
榊田氏:
次回のアップデートで「師弟システム」を導入しようと考えています。既存のプレイヤーさんが,新しく始める方を手助けできるシステムの一つですね。新しいプレイヤーさんのキャラクターのレベルが上がるほど,お互いにメリットがあるような。そこを後押しできるような,プロモーション的企画を立てていきます。
4Gamer:
PvEの部分を広げるようなお考えはありますか?
マラナの地はどちらかというとタイムアタックに近い形式でしたが,それとは違った楽しみ方を提供できないかと韓国の開発チームと検討しています。今はまだ公表できないのですが,けっこう大きなプロジェクトが進行中です。コンセプトは,RPGとしての原点に回帰する「冒険と探求」です。
いままでのTANTRAは,ダンジョン一つ取っても入り口から最後まで一気に行けてしまいました。しかし今回の地底の渦ではギミックを施してあるので,それを一つ一つ解読し,情報を共有しながら進める必要があります。今後も,そうしたギミックを盛り込んでいく予定です。
榊田氏:
あとは日本市場といいますと,やはりアバター要素が人気ですから,そこも頑張っていこうと。
ガンホーゲームズが300万IDを突破した記念に,TANTRAでも「異国の装束セット」というアバターアイテムを出したのですが,この反響がかなりありまして。それを開発サイドに伝えて,やはり日本ではこういう要素が人気ですよ,と持ちかけたところ,前向きな反応が返ってきています。
4Gamer:
世界観の広がりはどうでしょう? TANTRAはヒンドゥー神話というはっきりした世界観を持つだけに,良くも悪くも無際限には広げにくい印象がありますよね。
榊田氏:
シナリオに関しては,ヒンドゥーをモチーフにしたオリジナルストーリーを用意します。その一方で,マップや装備のデザインには西洋などさまざまな要素を取り入れていく形になります。当然,プレイヤーのみなさんのご要望もあるでしょうから,それを取り入れながら進めていくことになりますね。
4Gamer:
まさに「ネオオリエンタル」ということですね。ついでに聞いてしまいますが,Kathana IVで登場した闇の勢力は,ヒンドゥーの概念にあるものなのでしょうか?
榊田氏:
ヒンドゥーではありません。これはTANTRAオリジナルの概念になります。
4Gamer:
ヒンドゥーの概念ですと創造→維持→破壊→創造→……というサイクルですが,その外側にある何かということですか。
榊田氏:
ヒンドゥーの概念で完結するものではなく,その外側にあって,さらに続いていく物語ですね。
4Gamer:
ふーむ。全体がどうつながっていくかが,興味深いところです。あとはTANTRAというと,大胆というか奇抜なキャンペーンの印象が強いです。カレーを作ったり,タケカワユキヒデさんを起用したり。まあ奇抜というところにこだわらなくとも,一般に広くアピールできる分かりやすい何かを,またやってくれないかと期待しているのですが。
榊田氏:
うーん,折に触れて話題にはしているのですが,どうも発想が大きくなりすぎたりローカルになりすぎたりして,収拾がつかなくなってしまうんですよね。なかなかマーケティングに活かせる形にまでたどり着かないのが現状です。
4Gamer:
TANTRAはヒンドゥーのようにリアルモチーフを活かしたタイトルですので,広くアピールできる落しどころもありそうな気がしますよね。千葉麗子さんのヨガというのもありましたし。
それでは最後に,既存のTANTRAプレイヤーや新規に始めようと考える方,4Gamerの読者にメッセージをお願いします。
榊田氏:
今後のTANTRAは対人戦を軸としつつも,いろんな楽しみ方を提供していきます。開発元との関係も良好で,日本からの要望も反映しやすくなっています。ぜひ要望をお寄せください。
横内氏:
みなさんの要望を,開発サイドに検討してもらえる可能性は,このところとくに高くなってきました。本当の意味で,みなさんとTANTRAを作り上げていく段階にあると思っていますので,頑張っていきたいと考えています。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
- 関連タイトル:
TANTRA
- この記事のURL:
キーワード
(c)2003 HanbitSoft Inc. All rights reserved. (c)2008 GungHo Online Entertainment, Inc. All Rights Reserved.