インタビュー
東アジアの“美しい島”が登場。「大航海時代 Online 〜El Oriente〜」Chapter2について,恒例の開発/運営プロデューサーインタビュー
手に入れたアイテムからプレイの軌跡を振り返る“メモリアルアルバム”が登場。Chapter2の新要素を紹介
引き続いて,Chapter2で登場する新要素を紹介しましょう。まず,“メモリアルアルバム”を追加します。
4Gamer:
メモリアルアルバム……というと,なんとなく思い出を残すものかなーと想像しますが,どういった機能ですか?
渥美氏:
今でも冒険者が発見物を見るための履歴がありますが,メモリアルアルバムはアイテムに着目して,冒険や海事,交易などで,こんなアイテムを手に入れたことがあるんだということを,あとで振り返ることができる機能が欲しい,というところが出発点です。
4Gamer:
それは,アイテムを手に入れた時点でログみたいなものが残るといった感じでしょうか。
渥美氏:
いえ,メモリアルアルバムという名前なので,アルバムであることは間違いないですが,アイテムを入手すると,アルバムに,特定のテーマに沿ったアイテムのアイコンが,追加されていくようなものを考えています。
例えば,釣りをしてテーマ“釣り初心者”に該当するアイテムを釣り上げると,アルバムにこの魚(アイテム)を手に入れましたよ,と加わるわけです。仮にイワシを釣り上げると,そのテーマとイワシのアイコンが1個だけ表示される状態になります。
4Gamer:
なるほど。そのテーマが表示された段階で,いくつでコンプリートできるかは分かりますか?
竹田氏:
必要なアイテムは当然表示されませんが,テーマのコンプリートに何個のアイテムが必要かまでは分かります。
渥美氏:
ではそうなると,ほかに何を釣れば,手に入れればコンプリートできるのだろうとなります。そうして,自分でアイテムを捜し出してアルバムを埋めていく楽しみができます。
なお,このアルバムは,ほかの人でも見られるようにしようと思っています。たまたま“釣り初心者”のアイテムを集めている人を見つけて,「ああ,これを釣ればいいのか」「これはどこで手に入れたの?」といった感じに,コミュニケーションが生まれてくれると良いですね。
4Gamer:
つまり,メモリアルアルバムには,コレクター要素とコミュニケーション要素があるわけですね。
渥美氏:
目的としてはその二つです。そうなると焦点となるのが,どんなアルバムの一ページにするのかということです。例えば“釣り初心者”といったバリエーションや,仮のものですが“創造の水”(錬金術)とか“伝説の古代遺跡”といったいろいろなテーマを用意したいと思っています。ほかにも,戦闘に寄ったものとして,収奪して手に入れた紋章シリーズみたいなものも面白いかもしれないですね。
4Gamer:
無性に集めたくなりそうですね。ちなみに,テーマ一つをコンプリートすると,なにか報酬があったり,といったことは考えていますか?
渥美氏:
当然,揃えると何かご褒美があると良いなと思っていますが,まだ現在は調整中です。
4Gamer:
分かりました。ところで,アルバムの実装時に,すでに持っていたものは登録されますか?
渥美氏:
あー,それは聞かれると思っていました(笑)。これは“新たに獲得したもの”を対象にしたいと思っています。あとは,トレードなどでも登録されないようにします。
竹田氏:
自分で手に入れなければなりません。
4Gamer:
なかなか厳しいですね(笑)。
渥美氏:
やはり,みんなが集まってトレードをして,単にアルバムを埋めていくだけでは意味がありませんので。目的のアイテムを手に入れるために,みんなで入手の難度が高いものを取りにいこう,という形になったほうが楽しいですしね。
4Gamer:
あくまで自分が取らなければ駄目と。例えば釣りの場合など,艦隊であってもその魚――アイテムを入手した当事者でないと登録はされないということですね。
竹田氏:
はい,“自分が手に入れたアイテム”です。ですので,入手のハードルが高いアイテムもありますね。
4Gamer:
先ほど,“伝説の古代遺跡”という仮の例を出していましたが,発見物として絵はありますが,アイテムは……あ,そうか,発見物オーナメントがあるんですね。
渥美氏:
ええ,そのとおりです。発見物オーナメントによる入手となります。なお,テーマの数については,まだ確定していませんが,Chapter2では,だいたい10種類くらいからスタートして,徐々にシリーズを増やしていく予定です。
ソロで遊んでいるプレイヤーも,どうやって集めていこうかという楽しみができると思いますし,パーティプレイや商会のみんなで探しに行こうともなり,いろいろ楽しめる要素になると思います。
収納も船も副官も便利に! 酒場娘からは待望の贈り物も?
最後に,コンセプトの四つ目となる,既存要素の拡張について紹介します。いろいろとたくさん種類があるのですが,まずはアパルタメントについてです。収納数が+1されるアイテムが追加されます。
4Gamer:
それは,家具を置ける数が増えるというものではなく?
竹田氏:
はい,基本収納力が増えるというものです。
渥美氏:
アイテムが増えているので,不足しているという問題がありました。アパルタメントはこれに加えてもう一つ,喜んでくれるプレイヤーさんも多いと思うのですが,交易品を除いたアパルタメントの収納品を,ほかの街でも取り出しできるようにします。
4Gamer:
それは素直に嬉しいですね。収納品は銀行から取り出す形になるわけですか。
竹田氏:
銀行からになります。ただ,手数料は必要になりますが,ずっと便利になると思います。
渥美氏:
アカウント共有倉庫についても,設定した街ではない,ほかの街からも引き出せるようにしましたが,プレイヤーの方から利便性が上がったという声があがっていました。ですので,ゲーム内でもう少し,何かしらアイテムの受け渡しがやりやすくなる仕組みを入れても良いのでは,となったのです。
4Gamer:
たしかに世界が広くなった分,日本からヨーロッパに戻るのも大変ですからね。
渥美氏:
どうしても時間が掛かりますね。加えて,ドックの機能改良として,ドックの格納船をすべての街で取り出せる機能と,格納数の増加を検討しています。これは,フリースタイル造船が入って,所有する船が増えたこともあり,プレイヤーのみなさんから多くの要望をいただいていました。また,似たような機能になりますが,副官交代やプライベートファームの管理を,すべての街で可能にする機能も追加します。
4Gamer:
なんというか,大盤振る舞いですね(笑)。単純にすごく便利になります。副官とか,変更が面倒なのでずっと同じキャラクターしか使ってません。
渥美氏:
ぜひ副官を活用してください(笑)。そのほか,便利になる変更としては,定期船の利便性の向上というところで,発着時間を定期化します。
竹田氏:
時刻表だと分かりにくいので,もう少し便利にしても良いかなと思いました。本数も増えます。
4Gamer:
それは良いですね。実は,いつも時間が合わないこともあって,あまり使ってなかったんですよ。
渥美氏:
定期便の航海時間も大幅に短縮されます。
竹田氏:
やはり,世界が広がったので,こういった移動の部分も便利にしたかったんです。
渥美氏:
このほかに既存の要素としては,商会コンペティションの機能変更を行います。現在の公認商会の仕様は,月々の納品をするときは,同じ街の商会でも与えられる任務がバラバラでした。この変更で,同じ街では条件を揃えることにします。ここは,商会の並び順にも関係してくる部分ですから。
4Gamer:
なるほど,競争で各商会の難度が違うのは理不尽感があるかもしれませんね。
竹田氏:
これは,実は何かの序章かもしれません。
4Gamer:
むむ? いったい何の序章なんでしょうか。
竹田氏:
勘の良いプレイヤーさんなら分かるかもしれません(笑)。
渥美氏:
これについては,まだちょっと検討している部分ですね。
竹田氏:
やはり,新規のプレイヤーも増えてきましたからね。
4Gamer:
うーん,遠回しな感じですが,なんとなく……商館に関係するような気がしますが。
竹田氏:
どうでしょうね(笑)。
4Gamer:
商館は,ずっと続けているプレイヤーでも触ったことがない人も多いと思います。実をいうと自分も小さな商会なので,触れたことがないんですよね(笑)。
竹田氏:
そうですね,そこにも手を付けたいなとは思ってはいます。
渥美氏:
あとは初心者プレイヤーに対して,地中海用にもうちょっと使いやすい商業用の船舶を追加しようと思っています。加えて,航海者養成学校で,難度が高くて詰まってしまう部分があったので,そこも調整しようと思います。
4Gamer:
それは戦闘の部分ですか?
竹田氏:
いえ,商業の中級の卒業で,生産の部分が詰まってしまうので,材料が手に入りやすいように手を入れます。
4Gamer:
なるほど。私もやったことがありますが,養成学校の課題って意外と難しいんですよね。
渥美氏:
最後に,酒場娘からプレゼントがもらえます。
4Gamer:
それは,季節イベントとは別に,ですよね。
竹田氏:
はい。いつも酒場娘にプレゼントをあげてばかりなので,そろそろ何かくれても良いのでは? というのが意見としてありまして(笑)。季節イベントでもプレゼントがもらえますが,あげている量に比べて,もうちょっと何かくれても良いですよね。
4Gamer:
たしかに! いくら貢いだかもう分からない(筆者を含めた)プレイヤーもいますね。そういえば,5th Anniversaryの新ムービーにはイレーヌさん(マルセイユの酒場娘)が出ていましたね。実は,この変更を示していたんでしょうか(笑)。
渥美氏:
そうかもしれません(笑)。このように,既存要素の――とくに利便性の向上については,喜んでいただけると思います。今回もさまざまなアップデート内容ですので,プレイスタイルに影響があると思います。
4Gamer:
台湾での南蛮貿易もそうですし,対NPCの甲板戦,強化の回数増加など,いろいろ影響がありそうです。
渥美氏:
ええ。ですので,まったく新鮮な気持ちでプレイしていただけると思います。
4Gamer:
分かりました。さて,ここで大事なことをまだ聞いていませんでした。このChapter2「Ilha Formosa」は,いつ実装されるのでしょうか。
渥美氏:
はい。4月下旬を予定していますので,ご期待ください。
古参から新規まで幅広いプレイヤー層が楽しむ,5周年を迎えた「大航海時代 Online」
さて先日,先ほどちょっと話に出ましたが,5周年記念の“5th Anniversaryアップデート”が行われました。一つの大きな区切りのように感じますね。
渥美氏:
5周年を迎えることができ,プレイヤーのみなさんには,改めてお礼を言いたいです。
竹田氏:
5年という期間ですからね。今振り返ってみるとあっという間ですが,ロードマップを改めて見ると,いろいろやってきたんだなと思います。
渥美氏:
その中で,「大航海時代 Online」が恵まれていると思うのは,5年間のサービスで,最初からプレイしている方や,つい最近始めたプレイヤー,「La Frontera」や「Cruz del Sur」から始めたプレイヤーなど,いろいろな時期に入ってきたプレイヤーがいることです。一般的に,MMOのイメージとしては,サービス当初にプレイした人が多いというイメージがあると思います。
4Gamer:
そうですね,どちらかと言えば,古参が多くて,頭の大きな逆三角形といった印象でしょうか。
渥美氏:
本作では,最近ではPlayStation 3版から始めた方が多いのも理由だとは思いますが,分析してみると新しく始めたプレイヤーが多いんです。
竹田氏:
今の話でもありましたが,5周年記念でPlayStation 3用の無料体験版を始めましたが,これがすごいダウンロード数でした。我々の予想の数倍といったところでしょうか。その余波なのか,配布後はサーバーの混雑表示もありました。
渥美氏:
6年目を迎える「大航海時代 Online」ですが,そういった意味でも,まだまだ数多くのお客様に新しく始めていただいているという状況です。
4Gamer:
新規プレイヤーをコンスタントに増やしているのは,純粋にすごいと思います。ところで,その体験版についてなのですが,最初に無料体験版と聞いたときに,これを使えばディスクなしでもプレイできるの? と思ったのですが,その辺りは公表していませんよね。新規ではなく既存アカウントでも,この体験版のクライアントは使えるんですか?
竹田氏:
えーと,そうですね。実は使えます。
渥美氏:
この公表については悩ましくて,先ほどすごいダウンロード数だったとお話ししましたが,これを体験版の配布当日に発表した場合,サーバーに負荷がかかる可能性がありました。ですので,段階的に公表しようと考えていました。
クライアントのサイズが大きいので,古い型のPlayStation 3だとディスクの状況によっては入りきらなかったり,ほかに何も入らなくなるかもしれません。ですので,みなさんに推奨しているわけではないですが,もしディスク容量に余裕があればという感じです。既存プレイヤー向けの案内については,時期を見て追加していきます。
4Gamer:
分かりました。では,今後のキャンペーンなどはどうでしょうか。
渥美氏:
そうですね,5th Anniversaryに合わせて,アイテムが特典として付いてくる,スペシャルチケットを発売しています。またChapter2の実装時期に合わせての施策については,検討してまいりますので,続報をお待ちください。
なお,コーエーのオンラインゲームとして,この時期ですので,引っ越しなどのちょっとした事情でプレイできない方など,ネットカフェでプレイしたい人向けに,キャンペーンを実施しますので,ご利用ください。
4Gamer:
では,最後に4Gamer読者に向けて,メッセージをお願いします。
渥美氏:
「El Oriente」のChapter1で,さまざまな新機能を追加しましたが,これをさらにChapter2で拡張します。もちろん,Chapter2ならではの新機能も追加され,さらにパワーアップしていますのでご期待ください。また,先ほどのPS3版のお話のように,新規プレイヤーも増えていますので,新規で始めるのにも,帰参するのにも良い時期だと思います。これを機会に「大航海時代 Online」を楽しんで頂けたらと思っています。
竹田氏:
Chapter1では,野心的な仕様をたくさんいれましたが,これからいろいろな文化圏が加わることで,さらに面白みが増すと思います。追加される文化圏の第2弾として,今回の台湾地域をお楽しみください。東アジアというと知っているようで,知らないものがあり,きっと新発見があると思います。実装を楽しみにお待ちください。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
「大航海時代 Online」公式サイト
――2010年3月17日収録
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