プレイレポート
【PR】OBTから15周年の「メイプルストーリー」。今の環境で最初からプレイして,1か月でどれぐらい進めるのか試してみた
ネクソンがサービスを行っているPC用MMORPG「メイプルストーリー」が,2018年8月にオープンβテスト開始から15周年を迎えた(正式サービス開始は12月)。日本で韓国産のMMORPGが流行した中でも,いち早く展開されたタイトルであり,ネクソンの看板タイトルでもあるので,プレイしたことがなくても名前を知っている人は多いだろう。
見た目こそカジュアルなメイプルストーリーであるが,2000年代に作られたMMORPGということで,サービス開始当時にプレイしたことのある筆者は,ひたすら敵を倒して経験値を稼がなければならない“マゾい”タイトルという印象を持っていた。ただ,長く運営を続けていく中で,時代に合った調整やコンテンツの追加は定期的にわれており,2018年現在は,ソロでもカジュアルに楽しめるような環境になっているという。それならということで,今の環境で完全新規の状態からプレイしてみたので,15年経ったメイプルストーリーの様子をお伝えしていきたい。
自身の正体を知るために戦い続ける「アーク」でレベル200を目指す
筆者のメイプルストーリーのプレイ歴は,サービス開始当初に触ったことがある程度。当時は,薬も買えずロープにぶら下がってのんびり回復しながら,ひたすらブタを狩って皮を集めていた記憶しかない。すなわち,現在のメイプルストーリーについての知識はゼロといっていい。
知識もないうえに,システムへの理解度も低いので,今回のプレイはムダな行動も多く,決して効率的なプレイングとは言い難いものがある。本稿では,筆者の失敗談も掲載していくので,これから新規でプレイする人や,久しぶりに復帰する人は参考にしてもらえれば幸いだ。
なお,メイプルストーリーは基本プレイ無料だが,冒険の助けになるような有料サービスがある。今回は,そういった有料サービスはできるだけ使わず,ソロプレイで進めることを基本方針としている(記事後半で少しだけ課金している)。
今回のプレイで選択した職業は,7月18日に実装されたばかりの「アーク」だ。身体の半分をスペクターにされてしまったという,ちょっとダークな設定が魅力の職業となる。移動を伴うちょっとクセのあるスキルが多く,慣れは必要なものの,そのぶん地形を問わず暴れまわれるうえ,短時間のバフを重ねながら広範囲攻撃を連発できるのが非常に強力。今から始めるのなら,おそらく一番育成しやすい職業ではないだろうか。
アークは専用のゲージを消費する「スペクター蚕食」によって,スペクターの力を得て戦える |
やり込み要素も多いが,今回の目標はあくまでレベルを上げていくこと |
クエストをクリアしながら進めるだけで,簡単に2次転職
そんなわけで,アークでキャラメイクを終えて冒険へ旅立つ。アークはレベル10からスタートするが,本作ではレベルが上がるとステータスを伸ばす「AP」と,所持するスキルを強化できる「SP」を入手でき,これを割り振ってキャラクターを強化させていくことになり,最初に10レベル分のポイントを割り振れる。
APについては,自分の選んだ職業に合ったステータス1種類だけを伸ばし続けるのが主流で,アークなら攻撃力を上げるためSTRにすべてのAPをつぎ込むのが無難だ。キャラクターステータス画面で「自動配分」ボタンを押せば,職業に合ったステータスを自動で選んでくれるので,知識がないプレイヤーでも間違わずに進められる。
SPは,好きなスキルを選んで強化することになるのだが,アークの場合,最終的にすべてのスキルをマックスまで強化させられるだけのSPが手に入る。そのため,ひとまず各スキルにSPをレベル1だけ振って,使い勝手の良いものを優先していけばOKだ。
また,現在のメイプルストーリーは,どこに行ってゲームを進めるべきかを「お勧めクエスト」が教えてくれる。序盤はそれに合わせてクエストを遂行し,移動先でザコ敵を狩るといい。手馴れた人なら,すぐさま美味しい狩場へ直行するのかもしれないが,アークはストーリーも楽しめる職業なので,当面はクエスト主体にするのがオススメだ。
さっそく,最初のクエスト「ちびっ子が危ない!」を受諾すると,専用のフィールドに飛ばされ,出現するスペクターを40匹倒すことになるが……初心者の場合,ヘタをすると多数の敵から集中攻撃を受けて,いきなり死んでしまう。メイプルストーリーのバトルは,HPやMPをポーションで回復しながら,強力なスキルを多用して殲滅するのが基本なので,スキルやポーションをショートカットに入れず,基本攻撃で戦おうとすると,初めてのバトルでも難しく感じてしまうだろう。MPをケチらずに,どんどんスキルを使うのが,メイプルストーリーらしい戦い方だ。
最初のうちは使えるスキルも少ないので,通常の「レフ状態」のときは「プレーンチャージドライブ」,「スペクター蚕食状態」のときは「忘れられない凶夢」を中心に戦うといい。どちらも対応するショートカットキーを押し続けることで,その場で動かずスキルを発動できるので使いやすい。
最初に配られてカバンの中に入っていたポーションを活用して,最初のクエストを達成した後は,続けて発生するクエストを,目的地まで導いてくれるナビゲーションに従って進めていけばいい。序盤は比較的ポーションが多くドロップされるので,マメに拾いながら戦っていけば困ることはないはずだ。
装備も当面ドロップしたものを身につける程度で問題はなく,あえてお店などで買う必要はない。後述するが,ゲーム内マネーの「メル」は,高レベル装備を購入するため,意識して少しずつでも貯めておくべきだ。
ゲームシステムを理解しながらまったり進めても,2時間ほどで2次転職ができるレベル30に達する。転職といってもアークの場合は,特定の場所に行く必要もなく,その場で転職が可能で,すぐさま2次スキルを使えるようになる。
ちなみに,筆者はアークの女性でスタートしたのだが,男性のアークも気になって新しく最初からスタートしたところ,1時間ほどでレベル30になったので,以前プレイしていた人ならこのぐらいのペースが妥当なところだろう。
のんびりプレイしても半日ほどで3次転職が可能なレベル60に
レベル30以降もクエストを主体としながらレベリングを行うことになるが,このあたりで急に世界が広がり,同時にお勧めクエストの数がものすごいことになってくる。すべてのクエストをクリアするのは難しいので,必然的に取捨選択することになるのだが,マップのつながりも把握していない筆者のような初心者の場合,選んだクエストの開始NPCのところまで行くのに迷ったりして,余計に時間が掛かってしまう。それでも,クエスト自体の入手経験値がかなりのものなので,クエストは進めたほうがいい。
2次スキルを取得して,アークはさらに強力になる……のだが,敵がまださほど強くないこともあって,バトル自体は1次職の頃と大きく変わることはない。したがって,「フィジカルトレーニング」や「融合開始」といったパッシブスキルを優先して上げていくのが有効だろうか。そうしたパッシブスキルで基礎能力を高めておけば,縦横に高速移動しながら,触れた敵にダメージを与える「止められない衝動(スペクター蚕食状態では止められない本能)」でまとめて敵を撃破しやすくなる。
2次職のアークのポイントは,「蚕食制御」によりレフ状態とスペクター蚕食状態を自由に切り替えられるにようになるということ。設定的に,これぞアークと呼べるスキルであり,しかもスペクター蚕食状態の火力はすさまじいので,強敵が出たり,敵がまとまるタイミングでうまく使いたい。
レベル35からは,ゴールドビーチという「テーマダンジョン」に入場することができるようになる。画面左端の電球マークのアイコンから,ゴールドビーチのエリアに飛ぶことができる便利な場所で,クエスト報酬も悪くない。具体的には1時間半ほどを費やして,ゴールドビーチの一連のクエストをクリアし,レベルは50に。ここまで,ゲームスタートからトータルで3時間半程度だ。
ゴールドビーチからの流れで,「カニングシティー」でクエストを遂行しようとするが,実はこの辺りから,クエスト報酬として得られる経験値はテーマダンジョンなど一部の美味しいクエストを除くと,それほど期待できなくなる。実際,筆者はカニングシティで適当なクエストを遂行しようとするも,1時間でレベル53程度にしかならず,途中で諦めてしまった。狩りでのレベリングに切り替えるべきタイミングだろう。
そこで向かったのが,「スリーピーウッド」を出てすぐの静かな湿地にいる「カッパードレイク」狩りである。カッパードレイクはレベルが66の手強い相手であるものの,上下の段差をそれほど苦にしないアークのスキル性能もあって,効率良く経験値を稼げる。カッパードレイクを狩り始めて1時間ほどで,レベル60の3次転職までたどり着いているので,クエストよりも断然美味しい。
この時点で,移動時間や町でお店を眺めていた時間などを含めたトータルのプレイ時間は,6時間程度だ。これでものんびりプレイしていたので,ふつうに遊んでいれば1日で,3次転職までたどり着けるだろう。
知識ゼロからでも,4次転職のレベル100到達は難しくない
レベル60になると,新しいテーマダンジョン「キノコ城」が開放される。個性的なキノコが出てくるシナリオはさておき,1時間半ほどでキノコ城の一連のクエストをクリアすることができて,レベルは67に。これまた個性的なマント装備ももらえるので,新規でプレイするならやっておいて損はないだろう。
キノコ城を終えたら,再びカッパードレイクを1時間ほど狩ってレベルは70に到達。カッパードレイク狩りはやっぱり美味い。
その後,お勧めクエストからレベルが近いものを選んで進めるも,イマイチ経験値を増やすことができず,結局はカッパードレイクのところに戻ってきてレベルを75まで上げることに。移動に掛かる時間もバカにできないので,効率を優先するならここだけでレベル75まで引っ張るのも手だと思うが,美味しいだけにライバルも多くなるので,混んでいるようなら別の狩場を探したほうがいいかもしれない。
レベル75からはテーマダンジョンのアフターランドが開放される。クエストは多少複雑だが,出現する敵がプレイヤーのレベルに応じて変化するのが特徴で,狩り場としても十分に使える。筆者の場合,2時間ほどアフターランドに篭ってレベル85まで上げられた。
3次職にもなると,スキルの数がかなり多くなってくるので,この辺りがショートカットキーを自分なりにカスタマイズする時期と言える。当然,4次職以降もスキルは増えるので,余裕をもってショートカットキーを設定していこう。
3次スキルの中では,レフ状態のときは「ガストチャージドライブ」,スペクター蚕食状態のときは「満たされない空腹」と,名を変えるスキルの性能が面白い。
ガストチャージドライブは,ジャンプ中など空中でしか発動できないが,ヒットさせると周囲の敵を集める効果があり,続けて「消えない傷」など複数の敵に効果を及ぼすスキルを使うと爽快だ。
満たされない空腹は,敵をまとめる効果こそ失われてしまうが,高速で移動しつつ周囲の敵を一網打尽にし,さらに自身のHPまで回復できる優れ技。クールタイムも5秒と短いので,満たされない空腹を中心にスキル回しを考えると高いダメージを与え続けられる。
また,クールタイムが60秒と長いが,縦方向への範囲が特筆に価する「這う恐怖」という攻撃スキルも会得できる。ショートカットキーを押しっぱなしにすることで溜めるモーションになるが,その間は無敵で攻撃力も高まることを覚えておこう。
レベル85からは,気晴らしに「レーベン鉱山」のクエストも進めて2時間ほどでレベル90になるものの,やはり狩りのほうが効率が良い。「サヘル地帯2」や「エリン森」にある「苔の森一本道」など,メジャーな狩場を渡り歩き,なんとか区切りとなるレベル100,4次転職までたどり着いた。レベル90から100までは約2時半,ゲームスタートからトータルでここまで16時間ほどが経過。初心者であっても,ここまではそれほど困ることなく進められるはずだ。
レベル100以降はプレイ環境によって進み具合が変わってくる
比較的容易にレベル100を達成することができたが,さすがにこれ以降はレベルが上がる速度が遅くなってくる。そのため,単純にクエストをクリアして敵を狩るだけでなく,ゲーム内に用意されている各種コンテンツも活用していくのがベストだ。
レベル上げ関連のコンテンツだと,レベル105からの「モンスターパークREBORN」と,レベル140からの「ディメンションインベイド」は,必ずチェックしておこう。どちらも1日何回までと制限があるが,入手できる経験値はかなりのものなので,毎日短い時間しかプレイできない場合でも,この2つだけは欠かさず挑戦しておくことをオススメする。逆に言えば,日数を使ってこれらを活用すればレベル上げはしやすいのだが,筆者のように,記事執筆のために短い日数でレベルを上げようなどというケースでは,けっこう大変なのだ。
モンスターパーク REBORN |
ディメンションインベイド |
アークの4次スキルでは,クールタイムが短めの「アビスチャージドライブ(スペクター蚕食状態では「制御できない混沌」)」,クールタイムは長いが敵を拘束して大ダメージを与えられる「恍惚な拘束」など,強力な技を会得できる。
ただし,敵も今まで以上に強力になってくるため,スキルを連続で使用して連携させ,スペルバフ効果を得ながら戦うことを意識していこう。バフの効果は画面の右上に表示されるが,最初のうちはスキルを連続して使っていくことだけに集中していくだけでもいいだろう。
颯爽と高速移動しながら,敵をなぎ倒す戦いが印象的なアークだが,敵が強くて一撃で倒せない場合,高速移動先で敵に殴られてピンチになることも少なくない。そんなときは,プレーンチャージドライブから動くスキルを連携させるといい。プレーンチャージドライブのあとに発動すことで,その場に留まったまま次のスキルを発動できるのだ。
レベル125からはテーマダンジョンの「下町」に行けるようになるので,さっそく行ってみたのだが……この辺りから被ダメージが上がり,薬の消費量が激増してくる。実はゲーム内に実装されているオークションを通じてほかのプレイヤーが作った薬を安く買えることを知らず,NPCから高い薬を買い続けてきたため,資金難に陥ってしまったのだ。また,序盤があまりにサクサク進んでしまったこともあり,ロクに落ちているメルを拾わずに来たことも災いして,レベル上げの速度が急激に落ちてきてしまう。結果として,下町以降のテーマダンジョンでは,メルをしっかり拾いながらの攻略となり,一連のクエストをクリアするまで3時間以上掛かるようになってしまった。
それでも下町をクリアする頃にはレベル130を超え,続けて次のテーマダンジョンである「クリムゾンウッドの城塞」へ。育成に失敗してしまっても,目標を失わずに前に進むことができたのは幸いで,こうした点は長くサービスを続けている,コンテンツの豊富なタイトルならではだと思う。
クリムゾンウッドの城塞では,「レッドスティジ」というコウモリに似た敵の湧きがすさまじく,レベル上げが捗るが,メルを拾う暇もないほどで,資金難の状況はまだ続く。
レッドスティジを狩りつづけること数時間。ディメンションインベイドに挑戦でき,セット効果付きの装備を身に着けられる,区切りのレベルとなる140を達成。これで狩りが楽になるかと思いきや,とにかくお金がないので戦力の大幅増強とはならず,さらにレッドスティジをひたすら倒し続けることに。
この資金難については,完全新規でレベル上げを優先して(ドロップアイテムをしっかり拾わずに)進めていると陥りやすいと思われる。そのため,レベル200を目指すうえでは,専門家技術を駆使して薬を自力で集めたり,落ちたメルを自動で拾ってくれるペットを購入するなどの工夫が必要だと感じた。実際,筆者はレベル160を超えた辺りでアイテムを拾ってくれる有料サービスのペンギンを購入してみたのだが,これがかなり便利で,もっと早く買っていればもう少し楽にレベルが上げられたはずと後悔したぐらいだ。
そんなこんなで,ポーションの消費量を抑えるためにあえて敵の弱い狩場なども使いつつ,どうにかレベル185にたどり着いた。これまでの歩みを整理すると,レベル100まで16時間,レベル100から140まで13時間,レベル140から185までは,50時間超えという結果になってしまい,非効率なレベリングになってしまったのが反省点だ。とはいえ,初心者であっても,1か月ほど遊べば,ここまで到達できるということでもある。
この後は,レベル200の5次転職を目指して,残り15レベルの追い込みをかけていくことになる。
今回のプレイは,大きな失敗もあって時間が掛かってしまったが,ゲームシステムや各種コンテンツ,さらに効率的な狩場の情報など,メイプルストーリーに関する知識が増えた今,イチから育成を始めれば大幅に時間を短縮できるだろう。
また,今回は分かりやすく進行するためにアークに絞ってプレイしたのだが,メイプルストーリーはいろいろな職業を育てることで,「リンクスキル」によりほかの職業もパワーアップする。これがとても“オマケ”とは言えないほどの数値となるので,過去にほかの職業を育てたことのある人ならこの恩恵を受けて楽にレベリングできるし,初心者であってもいろいろと試してみたほうが,楽しみながら強くなれるだろう。
また,今回はソロプレイで進めてきたが,オンラインゲームなので,ほかのプレイヤーと交流しつつ,まったり楽しむのも良い。というか,仲間と情報を交換しながらゲームを進めていれば,もしかしたら,筆者が陥ったような失敗は起きなかったのかもしれないわけで,ちょっと悔しい。ゲーム内で話しかけづらいようなら,公式サイトで気軽にプレイヤーに質問したり,公式Twitterに話しかけたりしてみよう。
昨今の便利すぎるスマホ向けMMORPGに慣れた筆者は,最初のうちはひたすら敵を狩ってレベルを上げることがしんどく感じることもあったのだが,レベルが上がってスキルが充実していくほど,自分なりのスキル回しで狩場や効率を考えて操作する面白さというものを思い出し,懐かしくも感じられた。
温かみのあるドット調の世界は独特な雰囲気があり,アバターやペット達は可愛く描かれている。ときおり時代を感じさせる演出もあったりはするが,それが少しずつ「良い味」だと感じはじめる頃には,時間を忘れてレベル上げに没頭できているはずだ。メイプルストーリーが持つ面白さの本質は,15年という長い年月を経てもまったく色あせておらず,今から遊んでもどっぷりと楽しめる。
9月5日から約1か月半にわたって,15周年を記念するイベントも開催されるので,メイプルストーリーの世界に復帰,あるいは新規で始めるいい機会だと思う。
「メイプルストーリー」公式サイト
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