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[GWWC 2006]「GW:2006 World Championship」決勝大会開催
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印刷2006/02/19 04:39

イベント

[GWWC 2006]「GW:2006 World Championship」決勝大会開催

 台北ゲームショウのNCsoftブース特設ステージで,現地時間の2月17日より「Guild Wars: 2006 World Championship」(以下,GWWC)の決勝大会が行われている。

 GWWCは,オンラインRPG「Guild Wars」(邦題 ギルド ウォーズ)のメインコンテンツである,対人戦モード“ギルドバトル”に特化した世界大会。ギルドバトルとは,各ギルドから選出された8名の選手同士が戦うもので,2005年10月から12月にかけて,上位ランキングのギルドによるプレイオフ戦が行われている。
 その結果,アメリカ,ヨーロッパ,韓国の各リージョンから2ギルドずつが選出され,このたび台北ゲームショウ会場に集結したというわけだ。

 GWWCの賞金総額は10万ドル(約1180万ドル)で,これはRPGジャンルでは前代未聞の規模といえる。
 Guild Warsは,対人戦を終着目標に据えて設計されたRPGである。また,消耗品を必要とせず,キャラクターの成長度合いに左右されず,そして何よりも,極上のゲームバランスの上に成り立っているという,実に希有なRPGだ。その結果本作は,RPGジャンルではほぼ唯一,“e-Sports”としての展開が現実的に見込まれているのである。
 GWWCのような大会が世界規模で行われることそのものが,Guild Warsの対人戦における完成度の高さを物語っているといえよう。

NCsoftは多数のタイトルを出展しているが,それらの中でもGuild Warsは最も大きな扱い。試遊台の数も多く,また会場内でのイベントもひっきりなしに行われている


決勝トーナメント表。プレイオフで優秀な成績を収めたWar MachineとIdiot Savantsはシード権を獲得している
 今回の決勝大会に出場するギルドの一覧は以下のようになっている。GWWC決勝大会はトーナメント形式で行われ,組み合わせについては右の画像を参照してほしい。

アメリカ……Idiot Savants[iQ]Treacherous Empire[Te]
ヨーロッパ……The Valandor[Val],Lamers Ultimate Majority[LuM]
韓国……War Machine[WM],The Last Pride[EvIL]

 試合は通常のギルドバトルを用い,先に2本を先取した側が勝利となる。17日の段階で準々決勝の2試合が行われ,その勝者が18日にシード権を持つギルドと準決勝。そして19日には決勝戦が行われるという運びだ。

ギルドバトルの試合はかなり長いものの,観客達は熱心に見入っていた。次回のチャンピオンシップには台湾リージョンも参加しそう。ちなみに,会場にはArena.netの開発者達も来場していた(右の写真)


準決勝第二試合は韓国の「The Last Pride」[EvIL]が,アメリカの「Idiot Savants」[iQ]をストレートで下している。決勝戦は韓国勢同士の対決となった
 さてここからは,18日に行われたとある試合に焦点を当て,世界レベルの戦いの凄さをお伝えしていく。
 準決勝の大きな見どころとしては,プレイオフでシード権を獲得したギルド「War Machine」と「Idiot Savants」が,ここで初登場すること。
 とくにWar Machineは,優勝最有力候補との呼び声も高く,4Gamerにもたびたび名前が登場しているほどの超有名ギルドだ(ちなみに「LineageII」や,正式サービス前の「Granado Espada」でも有名である)。ギルドバトルに精を出す読者の中には,実際にWar Machineにこてんぱんに叩きのめされた,という人も多いのではないだろうか。

■準決勝第一試合から予想だにしない展開へと

 準決勝の第一試合は,韓国代表の「War Machine」[WM](現在世界ランキング2位)と,ヨーロッパ代表の「Lamers Ultimate Majority」[LuM](14位)のバトルであった。両ギルドの大まかな特徴としては,WMは各メンバーが個人技に長けつつも,必要とあらば瞬時に団結できる臨機応変タイプ。一方のLuMは,回復担当のモンクを3人揃えることで,本体の防御力を高くしての正面突破を得意とする,重戦車タイプである。

 ギルドバトルの最終的な目標は,敵の本陣で待ち構えるNPC“ギルドロード”を倒すことにあるが,そこまでのルートは何通りもある。またマップの中央部には,制圧すると一定時間ごとに味方全体の士気を高めるタワーも設置されている。
 両ギルドのタイプを踏まえて考えると,LuM側の狙いは正面からタワーを確保しに行き,じわりじわりと士気を高めつつ押し込むこと。そしてWM側の狙いは,さまざまな方向から少数で敵陣へと乗り込み,あわよくば敵ギルドロードをいきなり暗殺してしまうことだ。

 この両者が激突してどうなったのかというと,序盤から中盤にかけては,LuMの本体がWMを蹴散らしていく展開となった。WMは戦力を分散させているため,本体同士の戦いでは基本的に不利なのだ。
 中でも真っ先に狙われるWM側のモンクは,デスペナルティが次第に積み重なり,最大値の60%にまで達していた。両チームの体力/士気の推移グラフを見ても,戦力の違いははっきりと表れている。この段階で多くの観客が,LuMの勝利を予感していたのではないだろうか。筆者もその中の一人である。



準決勝が行われた18日は土曜ということもあり,会場脇の通路まで観客でぎっしりと埋め尽くされていた。19日の決勝戦はさらに凄いことになりそうだ
 だがしかし,ここからのWMの粘り強さは半端ではなかった。がらがらと崩れ落ちていくのかと思いきや,WMのメンバーがなかなか倒れなくなり,次第にLuM側の倒れる姿が目につくようになってきたのだ。WM側に溜まったデスペナルティを踏まえると,逆転するどころか,互角に渡り合うことすら難しいはずなのにである。
 筆者もGWWC会場でその模様を見ていたのだが,WMが踏みとどまれる理由を,最初はよく理解できなかった。しかし画面を注視していると,少しずつWMの動きの凄さが見えてきた。例えば敵を狙うときは,ほかの味方が逃げ道を塞ぐように回り込んでいる。また,士気を高めようとする敵に対しては,味方と連携しつつありとあらゆる手を駆使して邪魔している。
 文章にすると当たり前のように感じるかもしれないが,細かいテクニックの徹底振りが凄いのだ。
 しかも彼らは,この程度の連携は指示を出すまでもなく,お互いに無言でサポートし合っている。ちなみにWMの指揮系統は,ギルドリーダーとサブリーダーのみが,戦場全体の指示を与えているだけ。このようにして,少しずつ不利を挽回していたのだ。これぞ個人技に長けるWMの真骨頂といったところである。
 途中何度か,2名しかいないモンクはいなくなり(VoD直前数分間と発動後3分間はモンクゼロだ),士気も体力も試合中通して圧倒的に劣っていたWar Machine。それにもかかわらず状況を押し戻すその技は,一体どういう練習を積めば会得できるのだろうか。

 とはいっても,相手のLuMはまかりなりにも世界ランキング14位。そうやすやすと逆転を許したりはしない。そして両者が接戦を続けた末,試合開始後30分が経過。「Victory or Death」モードへともつれ込んだ。これは普段は守りを固めているNPCが,自陣を出て攻めに行くというもので,試合時間の長期化を防ぐための,いわば最終決戦的な意味合いがある。

 そして,ここからがWMの真骨頂だ。WMは序盤から地道に敵NPCを減らし続けたことで,NPCを含めたトータル戦力でLuMを上回り,さらには統制された動きで,LuMを攪乱しつつ3人もいるモンクを一人一人キッチリ順番にKillしていった。それが最後の2分ほどの出来事。そして最後は,最前線に出てきたギルドロードをタコ殴りという,美しい締めだ。そうして40分にも及ぼうかという試合は,幕を閉じた。
 すべてにおいて(数値上は)不利であった状況をいともたやすく巻き返してしまう試合展開。仮に,これが決勝戦だといわれても何ら違和感のない,素晴らしく劇的な試合であった。

WM対LuMの試合は,接戦を繰り広げた末,最終的にWMが勝利を収めた。粘ったうえでのこの勝利こそが,War Machineの最終的な強さなのだろうか


 本稿ではここまで。決勝戦については,また別に記事を掲載する予定だ。なお,Guild Wars(ギルド ウォーズ)のプレイヤーであれば,ゲーム内の「観戦」機能で決勝大会の試合を直接見られる。通常のギルドバトルは短時間で観戦できなくなってしまうが,今回は世界大会ということで,特例措置となっているのだ。ギルドバトルが未経験という人も,見るだけならタダなので,ぜひとも活用していただきたい。(ライター:川崎 政一郎)

左:ミッションごとの攻略ルートを大きく解説している。ありとあらゆる手段を用いて,Guild Warsを盛り上げようという心意気を感じる 中央:繁体字への切り替えは先日実装された。現時点でこれらの言語選択の中に“日本語”が含まれていないのは残念でならない 右:来場者の姿を撮影して,Guild Warsのポスターに張り合わせるサービス。なんというか,結構いい感じだ
  • 関連タイトル:

    ギルド ウォーズ

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