ニュース
SOEやFuncomのお墨付きを得た? RMT事業「Live Gamer」の計画発表
プレスリリースの伝えるところによれば,Live Gamerは,Funcom,Sony Online Entertainment,10TACLE STUDIOS,Acclaim,GoPets,Ping0 Interactiveといった大規模ゲームパブリッシャ/バーチャルワールド運営会社との間にパートナーシップを結び,Charles River Ventures,Kodiak Venture Partners,Pequot Venturesといったベンチャーファンドによる合計2400万ドル(約27億円)の出資で開始される。
Live Gamer Inc.は,RMTの市場を約18億ドル(約2000億円)と見積もっているが,これが正規でない市場で流通しているため,利用者は取り扱い業者による保護を受けられず,危険であるとしている。また,MMOゲームが登場した時点で,バーチャルアイテムの売買は事実上そのあり方を変えていたにもかかわらず,既存のアンダーグラウンド市場の文脈に影響されて,悪いイメージが付いてしまいかねないとも指摘する。
そこに透明性の確保された安全な市場を作ることで,アイテム(ゲーム内サービス,キャラクターなども含む)の知的財産権を保護すると同時に,世界中の売り手/買い手に安全な取り引き環境を提供するのだという。
そしてゲームパブリッシャには,ゴールドファーマーに対抗し,ゲーム内経済を維持するためのツールを提供していくそうで,「ゲームパブリッシャと協力し,サービス規約およびプレイヤー/パブリッシャ間の許諾契約を守る,初めてのRMT業者」になると宣言している。
公式サイトのニュースリリース文には,FuncomのCEO Trond A. Aas氏による賛同表明が収録されているし,そもそも会社創設の中心人物であるGeorge Scott氏は,Sony Online Entertainmentで「EverQuest」のGMチームのリーダーを務めていた人物だ。なんとなく,元マイクロソフトXbox事業部長であった丸山嘉浩氏がRMT会社の顧問に迎えられた話を思い起こさせ,それだけでも割とびっくりできるだろう。
文章から読み取れるその心意気や善し,だし,述べられている理屈もごもっともなものばかりなのだが,果たしてそんなに思惑どおりに事が運ぶのか,依然として気になる。ゲーム内アイテムにも通貨にも,名札は付いていない。そうである限り,彼らが非難するゴールドファーミングによって作り出されたアイテム/通貨と,通常のゲームプレイで生じた余剰アイテム/通貨とは,やっぱり区別できないはずだ。
そして,「ゴールドファーミングはけしからん」というスタンスを表明するRMT業者は,残念なことに彼らが初の例ではない。信じろと言われただけで,信じられる類の問題ではないのだ。
その一方で,存在感を増し続けるバーチャル資産に関して,弊害のない正当な取り引きが実現するなら,これを歓迎しない人はまずいまい。彼らが高らかに謳い上げる理念に対して,どこまで具体的かつ真剣な取り組みを考えているのか,慎重に見極めたい。
- 関連タイトル:
EverQuest
- この記事のURL:
EverQuest is a registered trademark of Sony Computer Entertainment America Inc. in the United States and/or other countries. SOE and the SOE logo are registered trademarks of Sony Online Entertainment Inc. in the United States and/or other countries. All other trademarks belong to their respective owners. (c) 2005 Sony Computer Entertainment America Inc. All rights reserved.